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神札に踏み込んでいく碧雀だが健嘉は素通りさせてしまう思うことがあったのかすれ違うそのまま後方へこの時点で誰からも発することがないのは私も含めこの場にいる全員がこの状況を望んだのか、風で浮き上がる神札その己の命ともいえよう其れを剥がせる位置に立たれながらも神要らず様は抗うことはしない、一瞬の時ソレを確認するかのように目を閉じる最後の警告がすぎ伸ばすのは残った右手、神札の端に手をかけ触れながら「大丈夫(ニッコリ笑って)先に進めっから」そう言って神札を剥がす「アタシハ……」何が言いたいのかは分からなかったがそのまま物に戻る神要らず様だった。その様子を確認したのかそのまま張り詰めたモノが切れ倒れ込む健嘉、床に倒れる彼女は気を失っている「亡くなった!欠くなった!無くなっちまった!何も変わらなくなった終わらなくなった!また″この苦しみ、悲しみ、妬みの無限ループが始まる″何にもならない事を何にもならない毎日、それでも死にたくない毎日が何もない神様がいる世界だ」そんな彼女へと手を差し伸べる無くした左手ではなく持っている右手で「雨が降ればいい、聞かなくていい音を掻き消してくれる。あんたの言葉なんて要らない、何も出来ない言葉なんて要らない、持ってる奴が持たない奴に出来ることは何もない」それでも何も言わず手を差し伸べる「持ってる奴が苦痛、死ぬほどの痛みナニソレ生きてる普通の奴が感じたことないだけでしょ、それがどうして生きてる痛みより強いってわかんのさ、生きてるほうが!」碧雀と振里の間に意気揚々と喋る言葉は苦悶へと変わるその顔自身の腹の方を眺めると負んぶをしている男の腕が自身に刺さっている「言葉も出ないか別に痛みだけじゃない、生きてるつらさはそうだな鈍くて長いまぁコレが単純に″死ぬ痛み″と直訳していいかは分からんけどのぉ、そおーれどうよ内蔵を直接剔られ廻される苦痛なぁ今まで感じてきた走馬灯なーんて余裕はねーだろぉ」小刻みに震えるそれに「ん、アリャもう聞こえないか」と腕を引き抜く懐から出した布で手から汚れを拭き取る、其れを彼女の上に放る、一部始終はほんの一瞬で終わり手を差し伸べる碧雀を凍りつかせる「何で?何で……」立ち止まり「オマエの差しだそうとした行為は間違ってるその先に答えも与えられずその場凌ぎは何にもならないよおまえじゃコイツは救えなかった、それとも間違ってる俺を次はやるか、それもいいが″そしたらおれはおまえでも同じ事をするから″」ゆっくりだけど確実にすれ違う足音がしていた。今回のコレも自我の始まり反抗期?危惧はしていないわけじゃない色んなものを吸収する結果起きる疑問そしてさっき見せた私が考える以上の答えを見せ始める。コレも望んだんだ必要だとその先に私の求める資質を見るために成長した背中は少し硬くがっしりと少し震えている。気分を変えたかったのか「健嘉さんに後でもう少し話も聞きたい碧雀は彼女に付き添ってもらって良いかな」というと碧雀が倒れてる健嘉に付き添うため一旦その場を離れる睨むような両者今まで軽いケンカはあった団子食べたとか分かれ道にどっちに行くとか、今回は色んな事を考えてしまう「わしは間違っているかな」先程櫻咫は震えていた少しだけど、似鳥にはそんなことはなかったあの先生の遭遇した私が与えた刀揺萩を元々持っていた化け物は震えなどしない戦場にそんなものは必要としない普通空気を吸うのに震えたりしないそう震えるのは意識するからだつまり感情を持ったこと与えられた情報ではなく考え思った事を力を持って行動に移した事への震えなのだと「コレの想いは実らない例え違う形へすり替えられて叶ったような気になったとしてもそれは遠くから見て違うものだ(碧雀を見下ろして)アイツならそれでいいなんて言うかも知れない(視線を戻し自身が奪った者に)コレが言ったことは間違いじゃないだからこそ答など有りはしない、だから……だから」上手く言葉に出来ない気持ちが負ぶされているからその振動で伝わる「後悔していますか?」その問いに「わしは創る、そのために″神様が決めたことなんて言われない世界″を」ここに一つの答えを出した者がいる。そんな彼を私は全力で支えようと思った。「そうだ、彼女を痛い床に置いて置くのも駄目だから」と私を階段のところに置きここの主が使っていた部屋の掃除を頼みわかったと櫻咫は探しにいく、片手を失った碧雀では運べないし頼めないそれに「櫻咫は?」彼女をベットへと説明を終える「ふーんアイツなんか言ってた」気になるようだが悩んでたとだけ伝えるふーんといったあと横にしゃがみ込むとアンモニアの方を向いて「苦しいのは一緒だった神札と戦った?とき分かんないけどみんなの気持ちが一つに……(顔をうつぶせにして)一つに……なった気がしたんだ……なのになのに」確かにあの時心の中に終わるという感覚があったのは私も感じた「後悔していますか?」という問いに「してない(立ち上がり)っーかしたくない、あぁーもグダグダ考えんはやめやめ、アタシは創るよ団子もみんなに美味いんだってグダグダ考えても美味いんだってそんな単純なこと分かる世界に″神様らしいなんか曖昧だけど美味い世界″にさ」その横顔はとても単純でとても凛々しく見える、というわけで団子食べ放題楽しみにしてまーすと階段の下で眠る彼女の元へ戻る。ここに答が二つ同じモノを見て聞いて感じてでもその導かれた結論は全くの別だった。やれやれ今回は失敗に項垂れるだけの無駄かとも思ったが如何せん思ってもみないところで思ってもみない結果を出して枝分かれし始めたかな、こちら物世界に来て大分時が経っていた………新たな時代の転換点、物世界に来て数百年さすがに姿が変わらないというのは数十年ならいいが、数百年というのは同じ場所には住めず転々としている刀が主流の時代は終わりを迎え、代わりに本格的な銃の時代になった、前の件もあり″神力を使った銃″というのは開発しなかった。それよりも行ったのは転々とする土地で似鳥たち(碧雀と櫻咫以外の昔使っていた似鳥)に使わせていた神力を込めた刀の回収だ。それと同時に碧雀と櫻咫の言い争いはあれから日に日に強くなっていく。埋められない溝はそれ以上広がりこそはしないものの静かに深く根付いてしまった。これ以上の広がりを避けるため私は碧雀と櫻咫に賭をさせることにする。お互いの信じる者のために何ができるかということというのは建前で実際はここに繋ぎ止める事を目的とする。せっかくここまで育ったのだ其れを無くす等とする選択肢はない、協力すると言ったことに嘘は無いが″あくまで私の目標である照留の神病を治すことそのために矛盾なる異世界の神の力を得ること、そのための手順としての神溜鋼の息溜をするための設備と時間と適合者の発見、適合者の発見はその適合する神溜鋼の息溜自体が終わらないとどうしようもないとりあえず自分だけじゃ出来ない助手となる手足がいる人を使う?無理だ膨大なデータが人に理解は出来ない場合によっては神力もいる私自身はこの通り神約聖書により罰を受けている最中だ。神約自体が出来ない神世界からの監視はある常にではないが父上の過保護で目を瞑るのにも限度がある。そこで″戦闘だけではない似鳥″の育成が大事になる碧雀と櫻咫、彼等は″目的を達する為には必要な駒″だが中途半端なものでは意味がないのだ意味が、まだこれ以上の成長が必要だと判断する。そこで碧雀と櫻咫の主張は人に対しての考え方で大きく分かれる碧雀は″人として能力が一つかけてもそれは人である″ということ一方櫻咫の方は″人として能力が一つかけたらそれは人ではない″この数十年碧雀と櫻咫のこの根本的な問題は解決することなく両方とも曲げなかった。ならば試してみればいいと進言した、神力を込める銃の開発は中止したがこの数十年日用品やら他の分野への進出については止めなかった人を信じる碧雀は人々を救うべく特に力を持たない者を救うべく海外からの技術と偽り神力の込めたモノを取り扱う商店を創る。先の戦いで片腕を失った碧雀はあんな考えに至らせたくないでも同じ時を生きる人では彼等は救う事は難しい何故なら彼等も同じ時を生きているからこれは櫻咫が話した内容を聞き実際そうだと思った。余裕があれば人は人を助けられるだろう。だが人は機械ではない毎回同じ心理状態ではない、嫌なときもあるだろう、当たってしまうときも、しかし弱く持っていない者はいつも常に受け身だ、支えあうと口にはするものの実際そういう風にはいかず、当たってしまう、避けてしまう、ほってしまう人には出来ないならば自分たちがやってあげれはいいとそこで碧雀は商店を創った弱いものの為だといい″プロキシアス″海外からの技術だと装うにはコレが一番手っ取り早かった店主でもある碧雀が片腕だということを隠さず見せたのもよかった普通とは違う者というコンセプトにあい店は順調に大きくなり支援の活動もやりやすくなる碧い髪の子供の店主なのも病気のせいにしたりして碧子ちゃんと親しみを込めて呼ばれている。えっひいきしているってとんでもない一方で櫻咫はそれでも漏れ出る者はいるこの世を恨み、妬みそんな漏れ出た悪意を早めに摘む行為を行う、そしてそれらを産むであろう素因の解消、薬物等の化学的なものは取引する者、生産者の殲滅、疫病等の場合はその村例え広範囲になろうとも全ての焼却、そして物理的にそれらを産み出そうとする者に対しての生殖の物理的不可またはそれ以上も躊躇いなく行った。水際対策等と言われれば言い返す言葉もないがソレに似た見る者が見ればまさに外道の行いを平然とやってのけた。全ての人から外れた者が自分で生きていける世界を作れれば碧雀の勝ち、全ての人から外れた者がいなくなれば櫻咫の勝ちというのが今回提案したものだ。だけど矛盾しているこの二つの答でもいつかその答が一つになるかもと心のどこかで思ってしまう現実そんな簡単に決着などつかないことは私も含め理解していた……そんな時代が長く続くそう信じていた世界と交流を始めると″プロキシアス″というモノの異質性が嫌でも浮き彫りとなる神力を込めるとはいえ絶大なものになる訳ではない。この物世界の他の国つまり物世界としての本来の技術はこの国の技術とは比べものにならなかった、其れを補う程度だったのが″プロキシアスの技術″なのでこの国に入ってきた技術に私達はさして驚くことはなかった、同じくらいの技術というのを理解はして最初は驚き尋ねるモノも多かったが同じ程度なのだと理解すると興味を示さなくなる。一時期はこの国の政府に目をつけられたものの、さほどの脅威ではないと判断したようだ、その大きな原因の一つは碧雀が片腕の子供だったこと、いつでも潰せると軽んじたんだ、櫻咫については尻尾を掴めるはずもなく関連性すら分からなかったのだろう。中には探ろうとする輩もいたようだが神力が感じられなければ元来如何することも出来ないものばかりださしたる問題は起きなかった。プロキシアスは支援を第一の目的としているそのためには動ける者がいるそこでプロキシアスの地下深くに工房を創った来るべき神溜鋼の加工のためにも空間はいずれ必要だったからだ。その実験もかねて碧雀と櫻咫の一部を私に戻し私が自分の一部を息溜によって新たなグラフトとして櫻咫がついでに集めて貰ったソレに息溜を使い混ぜ作り込む新たな似鳥たちを作り上げる昔の白似鳥とは違う人とほぼ同じ碧雀や櫻咫の一部が色濃く残るからか戦闘だけで特化ということはない新たな似鳥たちは腕力はないが、今の時代には必要ではないむしろこういう力が必要なんだと思う……初めは数人だったがこの国のあちこちに必要だと判断した碧雀の頼みで数十まで似鳥の数を増やす、初めは反対した目的は騒ぎになり神世界の五行神の働きかけで父上に神約聖書とは争いたくはなかったからだ、しかし碧雀の強い想いもあり創ったその後すぐに彼女は国を回り始める私と櫻咫はプロキシアス本部に残ったがある日そのうちの似鳥が傷だらけで帰ってくる「碧雀様が捉えられました!」その似鳥はボロボロで手と足には鎖がついている体のあちこちには火傷の後、切り傷、似鳥ゆえある程度体力はあるようには創ったつもりだったがかなり消耗が激しい背中を見ると「やっぱり!剔れるような傷しかもこれは」そこにはいつの間にか櫻咫が立っており「神力による斬撃を受けてのこの似鳥が本来、空気、食べ物、飲み物から変換するはずの神力を変換できないようになってる、これは戻すしかない」ハッキリと戻すそれはこの似鳥は助からない事を意味しているのだと分かる。手を似鳥に「活動の全機能の停止及び物質における機能的な収縮」直接的に伝達をおえると似鳥の体は冷たくなっていくそして見る見るうちに小さくなり結晶のような形となる。其れを私は自分の中に取り込む!!その時流れ込んでくる「そんな……なんで……」両手をつく信じられない情報が取り込んだ似鳥からもたらされる。そんな様子に櫻咫は心配そうに私の情報を待っていたが「ごめん何でもない、取り敢えず一緒に碧雀の救出に行こう、どうやらこの国の政府に捉えられている、それも彼等を少し軽んじていたまだ神力を宿した刀の回収この所進まなかった理由の一つが彼等が僕らのように秘かに集めていたみたいだ複数所持しているようだ、今回は少し厄介になりそうだ」と準備を整え出発する。プロキシアスは平常運転とした下手に休み等と示せば敵意があると見られかねない、元々似鳥たちに任せているのでそのままにして私達は碧雀の元へ向かう。神力はほぼ戻り自分で歩くには支障はない「まさか碧雀が掴まるとは……」驚きを隠せない櫻咫、私も信じられなかった片腕とはいえ戦闘をこなせない程弱くはない例え相手が神力を込めた刀を使ったとしてもなまったのか?長年のブランク櫻咫と違いお世話ばかりしていたツケなのだろうか「考えごとはここから先はやめたがいいかもしれない」櫻咫の静止が入る見ると碧雀がいるであろう町に到着していた「この町で間違いないのかの?」そう呟く櫻咫に頷く、一見すると賑やかで人通りも多い街全体が城の一部のような造りだが街に入る際の検問などはなく遠慮なくどうぞ!と言わんばかりの街の中につづく門をくぐる、だが「奥の方ですね、これは城の中ですか、碧雀の神力はまだ感じます」目線を櫻咫に配ると「この人だかりにも神力を持つ者は居ないが殺気を押し殺す輩はチラホラ監視だの、如何するこのまま突っ切って碧雀の元まで行くか?ヘタに宿等で退路を塞がれるとやりにくくはなるがこちらも動きにくくなるぞ」ではと休憩がてら茶屋によることにする。助けるといえどもノープランだ考える時間と取り敢えず腰を降ろしたいお団子二つとお茶を注文しようとするもそこには色の黒さが明らかにこの国の人ではないお姉さんが現れたあたふたしていると「うちコーヒーしかねーよ」と慣れているのか答え「軽食にすんのそれともガッツリって団子なら軽食か、サンドイッチとハンバーガーどっちにする?」少し面倒そうに聞いてくる「それぞれ一つずつ」というとさらに面倒な顔をされる「わしはどっちでもいいぞい」関わりたくないのか反対の方を向き応える櫻咫に「じゃあハンバーガー2個ナ~お待ち~」と奥に戻っていく「ここはどうやら外の国との交流が活発なようだな、この国の主は閉鎖的だが」この街に入る途中もけっこう外の国の人は多かったが街の中に入ると一層多くなるしかも並ぶ店舗が色々だガラス張りのケース中が見える服も色々着物でないのはここ以外でも珍しくなくなったが袖のない着物は珍しかったソレにヘソ出し下着ズレ見えも多く遠くを眺めていると「何あんなんが好み、はっ分かってないねー見えそうでみえねーんが売りじゃん(ボンと手元に置かれるご注文の品少しこぼれてますよ)ハンバーガー2個とコーヒー二杯で~す。あと見下した目でスマーイル」帰り際に1回転スカートがフワリと浮くが見えない「なるほどイメージ白ということか」まぁ敵意はないからいいか、ハンバーガー2個を半分個する男同士でそんな趣味ではなく念の為半分個したものを両手に櫻咫がペロリと食べる「大丈夫みたいだ、変なもんは入っとらん」コーヒーも一応一口中身を混ぜたモノを飲んで貰い交換してもらう「なんか悪いねいつも」というと「グラフトたる我等には代えがきく、何故今回お主まで来た碧雀が片腕とはいえ捕らえられる程の実力確かに他の似鳥たちは昔程の戦闘力はないわしや碧雀のグラフトを多く使えば分かるが盾位には(私が嫌そうな顔をすると)失礼だがわしが戦闘しながらとなるとお主を守りながらは完璧とはいかないだからこそ前の旅も碧雀とわしの二体の似鳥を用意したのだろう。ホストたるお主がやられれば一貫の終わり長年の計画も水の泡好奇心もほどほどにして欲しい」毎回面目ないと頭を下げる「確かに″のちの計画″のためにも残った方がよかったというのは否めないけど、約束したからさ君とも碧雀とも″出来る限り力になる″ってさ」其れを聞き「そうかわしもそうだが直に聞かせてやりたいな……ただもしあいつがいやワシもかこの先″のちの計画″に支障が出るようなら必ず″お前さんの命令″で止めてくれくれぐれも間違えないでほしい、我等が成すべき事を」ハンバーガーの半分を大きく頬張りながらしばらく飲み込むのを忘れていた。




