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泰平の世になると″白似鳥″の役割は激減する元々人間離れした腕力と動き続ける肉体この二つが持ち味なのだ。つまり戦いのないこんな世の中じゃお役御免なのだ。本来の目的″矛盾なる神の力へ行き着くため″には自身の右手に持つ神溜鋼を見ながら、コレを息溜しなくてはならない、そのためには一つ施設これは広さは十分だが、問題はこれを加工するためには、今のこの体では無理か幾ら中身が神でこの体に息溜の力で道を創ったとしても道は外に創るのは楽ではない、土の中を根を張るのはそうそう難しくはないただ地上に出るとなると話は別だ茎を作り葉を開き花を咲かせるエネルギーを創るといのは大変なのね、そのためにも戦闘タイプだけじゃ困るこれからは″如何な素材集め″この事が大事だ。そこで地上に出ていた屋敷を燃やす、地下を完全封鎖する「さて、それじゃいこうか、碧雀、櫻咫」私の両脇には眠たそうなボサボサな青い髪の小さな女の子と細長い背丈をして櫻色の長い髪が前面に垂れ下がっている。碧雀はすぐコケるそして泣くわんわん泣く駄々をこねる、地ベタをその場でコマのように回転しながら、しょうが無いので背中に背負う、指をしゃぶりながらよく寝る背中の涎がぱない「代わってほしい」と櫻咫に頼む「山がいいねぇ」という返事櫻咫は耳が遠い話は理解するのに時間がかかる。彼等を選んだのは″可能性″だった。碧雀は駄々っ子だが、どうすれば私が靡くのか、毎回勉強している毎回違った手を思い付く櫻咫は普通の会話は困難するが、川って欲しい″という普通では恐らく気付くことのない物に気付いて尚且つ考える″未知の分野の開発″それが私の脳裏を過ぎる″次に進むために必要″だとそんな似鳥を連れて私は泰平の中心部へ着いてみると大きな町だ屋敷が並び人通りも凄く多いさてと櫻咫に背負って貰っている道具を取り出す包丁の山だ、刀剣類等は売れないので今は此が売れ行きだ。並べ終わると「さて碧雀、櫻咫よろしく頼む」無反応ハァーいつものこと口を尖らせて手のひらを差し出す碧雀、櫻咫はやはり理解していなかった銭を握らせると一瞬でほほに赤みを帯びる碧い髪に赤い色味の鮮やかなこと屋台に駆け込み太い棒状の飴を握ってペロペロと舐めている其れを他所に汗だくになりながらも今回の趣旨を理解して貰った櫻咫に包丁を渡す目の前には碧雀が飴を舐め舐め魚をほおりなげる其れを三枚に下ろす櫻咫がいる。客の入りは徐々に増えるここで立場を変える櫻咫が投げる、飴を舐めつつ三枚に下ろす碧雀ここでどっと「おい、てめぇら誰の許しでここで商売遣ってやがる」世の中泰平になるとこういう輩が増える十手持ちだ治安の維持を目的に組織が創られたものだ。袖の下にそっと銭を忍ばせると帰っていく、人が散り散りかしょうがない場所を変えるため人通りの少ない裏道にすると「返して!それは父上の刀だ!」どうやら喧嘩か一人の華奢な姿、袴に脇差し肝心の刀は大柄な男に取られている「いいんだよ(顔を握り)いずれオレの物だ、お前と同じくな!」着物が破れ晒しが撒かれた肌が露呈する泣きながらも「我が家は先祖代々の戦人だ、その刀はその歴戦を共にした我が家の刀だ貴様らが触れていい」襟で頸を締める華奢な体は足をばたつかせる「何が戦人だ、そんなもん掲げて得られたものなんてなにもねぇーだろ、現に御前の親父殿はその戦のせいで足腰立たなくなっただろうが、女のお前にはコイツを振るう機会何ぞ無いんだよ」さらに締まる「使える奴が使ってやる此、道理なわ!」先程まで男が持っていた刀がない「持ちやすいしが扱いやすくはないな」腹を抉る一撃吹き飛ぶ刀を抜くと「ありゃ」錆びている「返せ!それは我が家の……宝だ!」これは失礼と刀を返そうとしたが相手も抜いてくる「この揺萩の(近くの石の燈籠を真っ二つに切り裂く)いい獲物だ」よっ待ってました兄貴と廻りの者が捲し立てる私が彼の刀をじっと見ていると「なーんだ(肩で刀を鳴らしながら)わかるぞ、その気持ち、きついよな、逃げ出したいよなぁ、だが残念お前さんは関わるべきじゃ無かった、さっさと素通りしておけば」一団から高笑いが聞こえる私は恐怖におののいているのか、むしろ彼女の方がはち切れんばかりの表情だった。自分より大きな刀を持ち女の子らしいとはいえない格好をしている。この状況をどう感じどう動くか、私はそんな期待で似鳥の方を向く、期待通りだった。我関せず飴を食べ終えここから見える表通りの屋台で何やら交渉中、店主が参ったと串の団子を差し出す、さっき渡した銭値切っていたのか、団子を頬張る碧雀、櫻咫は背中の包丁を降ろして研ぐ、研ぎながら微笑むのは怖いが刃こぼれを直してくれるそれに繋がる事だ、次へ動くことを考えている。こういう行動は今までの白似鳥では考えられない″命を奪う″単純な目的以外行動理由はなく、それのみで動く中には拘束を余儀なくされ、壊さないといけない場合もあった時代が時代だったので戦場に放り投げれば後は殺りたい放題だったので分かり易かった「じゃあ、斬り捨て御免ね!」目の前の揺萩を振りかぶる男の声で考えごとが途切れる。この男とは初対面だが「切った?」刀を踏みつけ刃先の上を体で抑える「何で抜けねーぇ」男の渾身の力、見る見る顔が真っ赤になる、実はこの男とは初対面だが、この刀とはお久しぶりだ戦の時代に創った一本だ。そして言っちゃいけないが彼女が握る刀もお久しぶりなのだ、彼女自身は先祖代々受け継ぐといわれているが創ったのはついこの頃彼女の父上がどのような経緯で手に入れたかは存じ上げないが、ただ明らかにこの二つの刀違う点は″神力が注がれているかどうか″分かり易く言えば今私の足元にある刀はまだ神力が残っている息溜により神力を注いでから、さほど使ってなかったのだろう刀の中身の神力は半分くらいの充電といったところ、だが彼女が持つ錆びている刀は神力が抜けてしまっている充電ゼロ状態充電出来ない電気製品はただの鉄の塊武器に成らなくはないのだが如何せん普通の人では使い物にならない、だから対処は簡単相手が足をどけたらムキになって刀を振り回してきた「くそ、クソ何で当たんねー」今までなら普通の人なら一撃のもと命を奪ってきた武器も先程踏んでいる時にムキになり取り上げようとしていた私も同じくらいの神力を脚の先に集め押さえていた少しずつ神力の増やして神力を掻き消すためには神力がいるその一つの動作だけで人とならあと数百回戦える動作をこの一回で使い切らせる男の刀″揺萩″が地面に落ちる。何度抱えようと持ち上がらないそういえば揺萩は元々鉄をかなり圧縮して創っていたか、その分神力でカバーさせていたっけ「どうする?まだやるかい?」一目散に逃げていく、女の子がそこの揺萩を取ろうとするも取れない碧い髪の小さな女の子が「神力注がないとダメだよ」神力と聞いて頸をひねる侍ガール「君は刀の収集もしてるの?」私が尋ねると「後で活保が取りに来る、その前に」そう言いながら揺萩を動かそうとする「その点なら心配ない、彼には神力はない、だがそうだな確かにここに置いておくのは、少し心配か私が持っていく」そう言うと自分より非力に見えたのか「見た所あたしより弱そうさっきはたまたま刀が重くなって」私が揺萩に触れると簡単に持ち上がる私自身が充電機のような物だから「刀一応これには揺萩という名前もあるのだが」ひょいと持ち上げその場を後にしようとすると「一応助けられたからな、礼がしたい屋敷に招きたい着いてこい!」そう言い放って歩いていく、彼女が抱える刀も気にかかり着いていくことにした。彼女の屋敷に向かう最中屋台を二つばかり通る「ハァー包丁売れてないのに、まぁいいか」団子を一串ずつ合計四つその場にいる全員に奢る。彼女の腹がなったものの「施しは受けない」と断ったが「仲間じゃないからとかで一人だけ食べせなくて平気な顔して横で笑って食べれるほど人間できてなくて」団子を握って「あんなに嫌な思いさせてるのにどうして」そう聞かれて「そうですねぇ、貴女より多分力が余裕があるからだと思います。だって貴女より力がなければ、そんなことは出来ません。多分三本しか買わなかったでしょう」此方を振り返りだってさっきあったばっかだよ「関係なーいって、可愛かろうが、可愛くなかろーが」変わった人っとまた前を向き歩いていくボロい最初に感じた印象廃寺にも似た雰囲気のその屋敷は人が住む雰囲気では無かった「父上、今帰りました!」一番奥の居間に通されるそこには布団の上に病に伏せった老人が寝ている「客人か、こんな体勢で失礼する、娘が迷惑をかけたようで」老人に「何故そう思われるのですか?」咳を二回程して「アレの着物が破れておるが、君が破ったのなら娘はここにはおらんよ、活保辺りがちょっかいを出してお前さんが助けたそんなとこかの」不思議だこれでも神世界を旅してきたが、旅もせずにこれだけの考察やはり色々な場所に行き色々な人と話すそのことは神世界以上に感じるな口が緩んでしまう「人の親見て笑わないでくれる」桶を持っている彼女は髪を降ろしているこちらの方が似合うのに「余計なお世話よ」すれ違う時に言われこの一族は心が読めるのかと思いたくなるその様子に布団の父上は愉快だと笑う。そんな父上の服を脱がせ体を拭く「いつもすまん、お前の自由に生きても」そんなことを言おうとすると背中をバンと叩く「はい終了、じゃあ元気になってよね」と慎ましい姿が微笑ましい、そして睨みつけられる目が少し怖い「処でお前さんは何者だ?」父上様が上を羽織りながら聞いてくる「この人は、その助けてくれたのよ、困っているところを」娘が素直なのが珍しいのか「お前が殊勝なのは珍しいな」娘が素直だと父上様も素直に喜ぶ、違うっと強く否定するそんな娘を笑いながら「そのなり、武士というわけではあるまい」夜の静寂の中「罰、どうしても願いたいことがあって禁忌を犯しました」間髪入れず「叶いそうか?」真っ直ぐ目を見て「必ず叶えます″そして戻ります″」戻るその言葉を聞いて女の子は桶を強く握る″帰る場所あるんだ″心のどこかで、助けられたあの時からあった想いがぐしゃぐしゃする。どこか拠り所にしていたものが「あたし夕食の用意してくる」団子を手渡されたときの気持ち返しなさいよ心の中で小さく呟きながらその場を去る「そうか、まぁ運命かの是も、その叶えるためにこの地には来たのかい」その問いには上手く答えられない「可能性、このままでは前に進まないそう思いこちらに、私からも一つ聞きたいのですが」私は横にある刀を取り出す「先程″活保″と呼ばれる男が持っていた刀ですが、これはただの刀ではありません(そのまま父上様を見て)これと同じくあなたの娘さんが持っていた刀それはあなたの一族に伝わる刀だとか本当ですか?」口元を緩め「ほう、あの刀のこと君は何か識っているのか?ここだけの話あれは拾ったのさ数十年も前に、あれはわしがまだ若いころ戦場で脚に傷を負い人生ここまでと諦めかけていた時白一色の服を着た返り血で真っ赤に染まる化け物とあったその化け物が落としていった物をわしが持ち帰ったというわけだ。その武器でわしは戦場で一旗上げ嫁や一人娘にも恵まれたこの一軒家もそれで拾ったってのも恥ずかしくての先祖代々と、うそぶいたというわけだ。お前さんはあの刀の元々の主いやあの白い奴の主なのか」布団の上から縁側を見る「君の連れあの二人から、あの時戦場で感じたあの白い奴と同じ感じがするんだ」横目で見ながら応えることはしない、其れを組んだのか「まぁ色々あるか、わしの話も男同士の秘密にしてもらいたいもんだ」夕食の時間父上様が動けないので今居る部屋での夕食となった。甲斐甲斐しく世話をする娘、その横では「ほらせっかくご馳走になっているんですよ碧雀、櫻咫、ちゃんと残さず食べましょう」嫌いなのかより分けられている野菜の煮物のニンジンを避けるように器用に食べる櫻咫と野菜全般残して箸の先を舐めて全く先に進まない碧雀の姿がそこにはあった「そうかここは昔は海じゃったのかな?」いきなり話が飛び分からない二人「五地層ではないです」ニンジンを指して好き嫌いは駄目だと諭し分かってもらえるさて「どうしてこうなったかな碧雀?」箸を未だ舐めて食事が進まない碧い髪の彼女に尋ねる「ダイエット中かな?」と苦しい言い訳をかます「ダイエットですか、それは知らなかったじゃあ明日から私も協力しないとね、特に甘い物、間食はもっての外なので″買い食い禁止″ですかね」エッーーーとその場に立ち何かいいたげだ「でもダイエットするならしょうが無いよね、それともダイエットを辞めて夕食を残さず食べるなら」言い終わる前に彼女は目の前の煮物もご飯も残さず平らげる半分泣きそうな表情で、その顔に満足する私を親子はクスクスと眺めていた。食後風呂に入らせて貰い布団で寝る旅だって以来か傍らで寝る碧雀と櫻咫、食事のこともあったが戦闘以外を育てるというのはなかなか難しいだがこの先の時代おそらく必要になる、だからこそ今この体験が活きてくる。綺麗な月を見ながら「元気かな」この世界ではない世界の事を思いながらゆったりと縁側に座り空のその先を感じながら「ちょっといい」と浴衣を着た彼女と共に別の縁側に、私の前に彼女の家の家宝を差し出す「コレ、貴女に」どうしてと彼女に尋ねる「家宝代々受け継がれてきたのでは?其れを簡単に手放すんだ?」月明かりが彼女の影を大きくする「あたしが持ってても、あんな風に出来ないし」先の戦闘彼女は一方的に遣られていた。あの男の持つ刀に神力が残っていた事が大きな差だったが、それ以上に今手にしている自分の家の家宝が守れなかった事が許せないらしい私もそんな彼女の意思に魅入られて刀を受け取ってしまう彼女はそのままウチの中へ、入らないの?と尋ねられ少し考えたいと外へしばらく歩き、家から離れた場所で「昼間の仕返しですか?」ゾロゾロと廻りに人が集まるすぐに囲まれる「オレの刀を返してもらいに来たんだが?持ってねーのか?」そう言えば部屋に置いてきた女の子からのお誘いだし「もしかすると邪魔になると思ったので」彼は意味が分からないことより、持っていないそのことに憤慨した「ちっ!じゃああの家か」お休み中の家に視点を変える「見つけたとして、今の貴方では持つことすら出来ないそれはこの前の戦闘で十分分かったのでは、持ち運べもしないものを戦闘では無理ですよ」若干嘘をつく今の揺萩は彼も持てる運ぶ時に神力を少し注いでおいたからとはいえせいぜい戦闘二、三回出来る程度だけど「あの重さの揺萩を運んだのはお前か?」やはりその場に置いてくるべきだったかな目の前の彼から神力を感じないつまり持てない、少し後悔している「そうですねぇ動かしたのは私ですが」ニヤリと笑い「なら今の俺でも持てるか」予想していない言葉だ「顔付きが変わったなぁ、不思議そうなツラだ」神力の事を識っている?いやそれはないか、それなら私とは端から戦闘はしない実力の差はすぐに分かる勝てもしない、未知な相手とは戦わないはずだ「なーに前にもあっただけさ、動かなくなってねその時変な小人見たいな奴がしばらく触れていると持てるようになった(私の顔を見る)お前も同じような存在なんだろ、運悪く戦闘中動かなくなったけどな、お前さんがどれだけ触れたかってのは分かんないが動かせたってことは、使えるって事だ」所々間違ってはいるものの大筋は合っている、ウチのとりさん達もこのくらいになるのかしら等と関心している「ならこっちは如何なの君の理屈通りなら、もしかしたら(手に持つ刀を前に出す)コレもすごい刀かも?」家の方に進ませる足を止めさせる目的だったが「時間稼ぎか?あいにくその刀は刀身が錆びてやがる、その昔は武勇伝的な話ならあそこのじいさんから聞いたが実際使ってる場面は一度もなくてね、錆びているただの骨董品に用は無いのさ」やんわりと斬り捨てごめんだ「さぁ、家に行くぞオレの刀を取り返しに!」一斉に私に罹ってくる男達直接狙わず遠距離から闇に紛れ時間稼ぎされちゃってる。そのすきに他の男達が家を取り囲む騒ぎに気づいていたのか私の部屋に父上様とこの騒ぎでも起きない碧雀、いつの間にか起きて座っている櫻咫、竹刀を持っている女の子が固まっている取り囲む中央から男が現れ「お久しぶりです先生」両手を合わせ頭を垂れる「久しい声だ、相変わらずいい声だ、遣ってることは褒められんがな」少し笑いながら「先生も相変わらず思ったよりお元気そうですね、私は自分の持ち物を取りにきただけですよ」涎を垂らしながら抱き枕のように揺萩を抱く碧雀を見ながら「その刀は元々僕のものです。素直に渡してもらえませんか?」縁側から庭へと飛び出す女の子竹刀を構えその先を彼に向ける持っている木刀が竹刀と激突「活保あなたはもう破門されているどの面下げて」竹刀の先を木刀で受け流す重い一撃は彼女を追い詰める「呼び捨てか、一度はここを一緒に盛り上げて(話していて隙が出来たのか竹刀の突きが首の横を擦る)昔のことか、別にここに来る気は無かったさだが(擦った方に頸をひねり後ろの方を見長らく)彼が忘れ物したみたいなんでね、わざわざ取りにきたというわけだ」終始冷静に観戦する部屋の中から「取ってきてとでも頼まれたのか?」と先生からジャブが飛ぶ、その言葉に眉が上がる男力尽くで竹刀ごと彼女を弾く「とにかく渡せば(手を上げると松明が赤々と燃えている)灰から探さなくてもいいんだが、若い者はともかくこの中で先生は逃げられるでしょうか?」松明が投げられる赤々と広がる炎「辞めろ~!」中を見るために振り返るその一瞬、横っ腹に重い一撃意識が飛びそうになるが片脚で踏みとどまる。大きな音と共に崩れ落ちる「探すのは面倒だな」と木刀片手に絶望する彼女の前に立つ地面を握りしめ涙が滴る、木刀が風を切り頭上にそそり立つ炎もあり影が大きく感じる「大丈夫すぐ先生の元へ!」木刀の影と共にそれと平行に真横に十字架のような影が出来るその影を作ったのは女の子ではなく、その前に立ちはだかる目覚めたばかりの半寝状態の碧雀だった「どうして″この行動をとりましたか?″」そんな声が聞こえたのは闇の中から、片方に家宝を持ち真っ直ぐに碧雀に尋ねてくる「うるさかったから!」一言はっきりと応える(深く考えず本能的にか、判断的には悪くはないか)「″中への配慮″をしなかったのは何故ですか?」膨れながら「起きたら皆いないし、ヒドいよ!」木刀を押し返す彼は吹き飛び当たった木はヒビが出来る「てめぇ、あいつら何してやがる!」彼の怒りに「怒らないであげてください彼も必死に足止めされてましたが如何せんまさか火を放つまでの外道だとは思っておりませんでして、育てた方の顔が見たくなりまして」と私の目に映るのは、櫻咫に担がれた先生だった「どうして碧雀を置いて行ったのですか」降ろしながら「おいたはしておらん、腹もなっていたからの」なるほど″おいた″そのおいたね腹がなったから目覚めると踏んだか、状況下での判断なら櫻咫の方が上かな「碧雀も櫻咫も良く出来ました。さて弟子君、先生もご無事なようだ(父上様の無事を確認して彼女の瞳に力が戻り竹刀を構える)碧雀戻りなさい」その言葉に「やだ!コイツムカつくスヤスヤ邪魔したし!」手に持つ揺萩に神力を込める横に一閃し廻りの有象無象を薙ぎ払う「あたしがやるから!」その言葉を聞き碧雀の前に立ち「お願いあたしにやらせて、今の活保は特別な武器は持ってないあたしも持ってないだからあたしが」理屈的には正しいだが女の子の横の土が剔れる「駄目、あたしがやるって言ってる」その眼は今までの可愛らしい目つきとは違う、廻りがものがいえないほどだ。やれやれしょうが無い「あーあ残しておいたコレ(碧雀の鼻がひくつく)1個しかないんだけとな(涎が滝のように)碧雀の為に取っておいたんだけど(それでも顔を震わせ表情は崩さない)しょうが無いか(碧雀の成長に内心はとてもうれしい)ああ、そうだ」私は彼女に近づきよかったらどうぞと昼間買ったお団子を彼女に、さぁと彼女に渡す耳元で″どう使おうとご自由に″と彼女は理解する。そのまま碧雀の元へ彼女が言おうとすると「要らないから!そんな……(顔は前を向いているが目線は常にお団子の方を向いている)欲しくなんか!ないから!」その場にいる誰もが欲しいんだろうなと分かる「あたしと変わってくれないかな、ダメ?」頑な意思は変わらない「じゃあ食べるね!」宣言そして口が開くみたらしの垂れ具合それと同時に香るニオイ………数秒後、今碧雀はニコニコしながら「別に団子の為じゃにゃいんだかにゃ」言葉は立派だがもう少し我慢は覚えないといけないかな「あげないから、コレあたしのだから」と一口食べては櫻咫や先生等廻りにアピールしている。せっかく全てを捨てて得た宝物だ必死さは伝わる。とらないからと一言言ってあげたかった。さぁこれで面白くなりそうだ。




