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“役立たず“生まれて言われ続けた言葉、人としてならば、何か足りない訳じゃ無いでも“宿主の役に立たないのは異常なこと“これがあたし達のいる理由の全てだから“何かの役に立つ“なんて理由で“停止のスイッチは押されていない“体で言えば“害にならないから様子を見ましょう“状態なのだ。小さい頃から知識の共有もありそんな現実が早く分かってしまう。そんなラボの手伝いとしてそこの研究者であった“あたしとは別の意味でイカレタ自己“に仕える廃棄、処分、失敗、無数ともいえる肉の塊からそれにすら満たない細胞、組織、器官の壊死して使えない残骸を処理するエネルギー変換する機械への搬送ただそこに運ぶだけの日々動いているここには時折サンプルが届けられるここでは無い別の場所で採取された血液、リンパ、体毛、精液、卵子、爪、垢など人だけじゃない他の動物、植物、金属、異様な動物残骸なので何ともいえなかったが他の動物同士の配合、そんなものが鬱蒼とガラス瓶に詰められている物が並ぶ、小さい頃から慣れているせいか、吐くことは無くなった。吐くと殴られたからというのもあったがイカレタ自己はあたしをよく殴る、傷つける、痛さは消えないでも“ここ以外居場所なんて無い“このイカレタ自己はあたしより上位だその事が示す意味は“情報の共有“するとはいえ全ての自分が共有するわけじゃない“下等な細胞“であるあたしにはこの世界のどこに逃げても同じなことを悟る“アポトーシス“組み込まれた“絶対的な不遍的な死“が存在している。その発動条件は“自分たちより上位の者による命令“これほど理不尽かと思うほど呆気なく壊れるのだその様は見ていて怖い、いったい何時自分が、イカレタ自己の口から機能停止の言葉を聞くのが怖い、蔑まれるより、殴られるよりとてもとても恐いのだ。日に日にその想いは募るコワサレルナラコワサレルマエニ……気づいたときには手にはキメラの入っていたであろう割れたガラス瓶、周りには割れたガラス瓶から漏れたホルマリンの匂い、耳鳴りが納まらない、息が荒れる目の前の倒れ込むイカレタ自己が二重に三重に見える。フラフラと揺れながら早くここを離れなきゃ一面に広がるイカレタ自己の血液に躓く体中血のニオイとホルマリンで吐いてしまう、しかし次の瞬間頭に過ぎったのは、離れるってドコにここから“あたしは出た事なんかない“自分を否定するように首を振るダメダメダメダメダメ考えるな考えるな考えるな考えてしまうと、多分ここから抜け出せない振り返ることなく、その部屋を後にする、落ち着いて扉を締めて何とか匂いも薄まり頭が回り始める。ここには基本イカレタ自己とあたししかいない、やっていることが遣っていることだけにとても大人数で表立ってなんてことは出来ない秘密のラボがここという訳だ。他の者の出入り確か月1回の視察はこの前あったからまだ、先のはずなら、食糧は一昨日1週間分がストックされたばかり、ブツブツと喋るもはやホントの独り言を声に出しながら、爪を囓りながら一つ一つ確認していく、一通り“誰も来ない事“を確認し終えるとその場に滑り落ちるように眠って……「おーい、おーい(うるさいなー)聞こえる?(ぼやけて見える景色)息はして(何?夢かな?)困ったなぁ(やばいっ、イカレタ自己!!頭が回り始める)えぇっ!」目の前の“何か“そんなことはどうでもいい、背丈は同じくらいか馬乗りになり、力任せに首を絞める。とても手が痛い覆いかぶさるように前のめりになることであたしの全体重が絞めている手に乗る。先に耐えられなくなったのはあたしの手だった痺れと震えと共に腕を離し尻餅をつく、手の震えが治まらない、何で肝心なときに響く腕を感じながら目線を前に女の子?初めてそんなことに気付く、髪は短い、滴り落ちるその髪の毛からか、ほんのりと花の香りがする。ぼっーとしていた気付くと、先程とは逆に馬乗りされている。不意に何だろう抵抗する気は無くなっていた。花の香り今まで嗅いだことのない香りに酔っていたせいかも髪が前に下がりあたしを見ている。目を瞑ろう肩が楽になるのを感じる……天井を見つめ片腕を視界に当てて「よりによって、最後の夢が“コレとは“いい加減……楽になりたいな」ベットを出て、シャワーを浴びる水の音が耳を覆う準備はした標的も判った。ベットの上には制服と学生証が一式、部屋をノックする人物、部屋を開けて招き入れる「ごめんなさいね、無理言って」首を横に振る「それよりあの約束……」彼女の肩を握り「もちろん守るわ、あなたをいじめる女の子をあたしがあなたの姿でそうすれば学校に行きやすくなる」ニッコリと微笑む、目立たない女子を選んだ、不登校気味大きな眼鏡、髪型は下ろした感じの女の子だ。肩に手を置いたまま「今日はここで一日過ごすといいわ充電もシャワーもそれに」冷蔵庫を開けると甘いアイスやお菓子炭酸飲料などが入っている「ルームサービスも頼むといいわ」あたしの今の髪型に近いカツラを被せて「必要な時はこれで、学校関係者に見られても不味いから、ゴメンけど一日ここで過ごしてね」ゴメンと両手を合わせ横から笑顔でお願いする「ダメかな」眼を細めると同時に合わせた両手の間に刃物を仕込む断られた時は“首を搔き切る“数秒も係らない問題は返り血か、それでもそうなった時、用に部屋の片隅には大きな保冷ケースがあり、彼女を丸々保存出来る事その用意も万全にしている“彼女がここに来た時点で“決行は確定している……不登校気味とはいえ彼女は登校している周りの先生、親等に促されたからだ。この計画とはいえあくまで潜入の目的は言師の為というよりは“この学校に通う言師を監視する苗こと“徳導 菜草“の調査の為だ“少し前から苗がその学校に通い始めたという情報は共有出来ていたが上位の非凪様ですらそれ以上の情報の共有は出来ていない、そこで独自に調べる為に今あたしのお願いに悩む目の前の彼女を選定したのだった。他にも候補はいたが皆共通して入れ替わり事への最大の難関があったそれが“親交度“だ。簡単に言うと“友達又は知人の割合が低く空気に近い“弄られる率が低い今回選んだ彼女はひどいイジメに遭っていたしかもイジメているのは、この学校で幅を効かせられる不良で親が学校の外部役員をしている企業のトップ入学や卒業等でも挨拶をするほどの人だ。生徒はおろか先生ですら見て見ぬふり関わりたくないからだ“公然たるイジメという暴力“然し其れを咎めることはおろか、関わるものすらいない“⚪年連続イジメゼロ“なんて表紙が張り出されるほど、そんな紙の隣でイジメという暴力が振るわれても、気にされることはない“まさに空気“現実的にはこんな状況許される訳はない、だけどあたしにとってはこの状況は願ったり叶ったりなのだ。空気というのは便利な者でそれが習慣化されると誰も何も気にしなくなる慣れとは怖い「分かりましたここにいます」彼女からの最良の返事にほっとする。彼女は悪くない“学校の中に入るまで“の間だけだ最低それが叶えば後は中の移動はたやすい、彼女はふらつく「大丈夫?少しベットで休むといいよ」ありがとうと彼女は今まであたしが寝ていたベットに沈んでいった。あらかじめ用意した制服一式今の時代はここまでできるのかと思うほどだ用意した彼女の髪型のカツラを付けつつ学生証を取るこれ自体彼女ではない、あくまで彼女から借りているのは“この日一日学校へ通う正確には入るための存在“それに関する物品例えば手に持つこの学生証も簡単にコピーできる。然しいくら贋作を創った所で“本人が居てしまうとどうにもならない“そのためのこの待遇なのだ。よほど緊張していたのだろう、すぐに眠りについてしまっている彼女と同じ格好をしている。背丈も酷使しているのでカツラをかぶると見わけがつかないドアを開き閉まると同時にロックがかかる今一人の女子中学生が今自分の戦場に赴こうとしている。学校への道すがら同じ学校の人とすれ違うが皆目を合わせない彼女(今はあたし)がニセモノだとバレたと思ったが、実際の理由に気付いたのは、その直後「なーに一人で学校行ってんだよ!」殿部を思いっきり蹴られた、そのまま手をついて倒れる。回り見えていないかのように振る舞う、後ろを振り返るそこには仁王立ちした太股が露わになったキャロットジュースをストローで啜る半睨みで見下す顔の整ったどこかのお嬢様風のあたしと同じ制服を着た女の子がいた。ホテルで寝ている彼女から聞いた風貌と合致する取り巻きの数もだ「アレー(あたしの制服を見て)コイツ制服いっちょ前に新しくなってんじゃんあんだけ見えるくらい短くしたスカートはかなきゃダメじゃないでちゅかー」そういえばさっきあったときも下にジャージ履いていたっけ金髪のツインテールにピンクの眼鏡ガムをくちゃくちゃサイズの一つ小さい制服を着て体アピールに余念がない取り巻きその一「それやー黄色きゅ染まっきゃパンチュがまる見えりゃん」すきっ歯真ん中の歯がなく言ってることも今一伝わらない黒髪の短髪二人して笑っている「チョキチョキサービスカット入れますか?」笑いながら「そりゃお楽しみにとっとかなきゃね」あたしを抜きながらそんな言葉を吐き捨てる「愉しー見」「チョキチョキー」通る二人も同じように後にする。学校には素直に入れた校門の所で先生とすれ違ったけれど、止められたわけでもない、全くセキュリティが甘いことだ、予習は完璧だ下駄箱の位置、机の場所………なるほど下駄箱を開けた瞬間それは待っていた、聴いてはいたが事実これか、そこには寄せ書きのように書かれた上履き場日雑言と共にハイヒールかと思うほどにゴムが削られている。それを履き終えるとクラスへと、そうだったと先ずはクラスへ行く前にターゲットたちの確認捜すのは言師とその部活先輩で江蘇 雲南は勿論だが苗こと徳導 菜草だターゲットたる言師が来ていないではここに来た意味は無いがそれと同時に苗にあたしの存在を悟らせる訳にはいかない。この二つを念頭に置き動く、さっき下駄箱での確認ホテルの彼女は二年だ、残念ながら確認は出来なかった。1年である言師、3年である雲南と苗は不自然すぎて探せない下駄箱で確認ってのが一番手っ取り早いんだけど、中庭を通り過ぎようとすると、不意に隠れるラッキーだ視線の奥には中庭の隅で朝練をするターゲットがいた言師と雲南が棒切れを振っている何をしてあるのか、理解に苦しむが周りには他にはいる様子はない、いや相手は神だ言師はその実力はわからないが横にいる雲南ならこの前報告を受けている。あたしでは勝てない焦るな焦るな、ここは学校だ学年も違う必ず言師が単独になる、今焦ってここで襲う必要は無い「すごい朝から頑張ってるなんて」あたしは眼鏡がズレ落ちるのを直すのを忘れる、そこには苗がいた。ここではあんなキャラクターなのか直接あったことは無い非凪様からはあたし達のいずれ頂点に立つものという位置づけの子なのだ。実際見るとあたしとあまり変わらない″あれが最上位に位置するあたし達の中枢″まぁいいそのまま観察しようとも思ったけど目立つのでクラスへと向かう案の定というか誰も気付かない今の世の中と同じ″見ず知らずのクラスメート″皆グループは在るもののそれ以外には興味が薄いやる気も無く半学級崩壊状態それが今のこのクラスの感想だが午前中四時間目の授業も終わりに差し掛かろうとしたときドアが開く中に入ってきたのはあたしの尻を蹴った張本人その瞬間先生はこちらを向かなくなり黒板に長い板書を始める。生徒は生徒でノートに書き写す恐らくこの厄介者が立ち去ってくれるのをやり過ごす手段あたしの机がすごい衝撃と共にはじかれ教科書やらノートやら筆記用具が散乱する「何で屋上こねーんだよキリキリコレクション開けねーだろ」そう言えば朝そんなことを取り巻きその一が言ってたような「えりょもみょきゅきゅしゅるー」襟までかまぁ制服はこちらで用意したし今日一日のためだが、教科書類は置いてあったんで落書きは在るもののつかえそうなんで破いたりはしないで欲しいのだけど、時計を見る後二十分か、四時間目終了までだ、実際行動をとるならここら辺がベストかな、昼休みという選択は少しリスクが高くなる昼メシが終了してしまうと、中学校なので給食後は自由食べたものからフリーになるつまり″学年を越えて動かれることになる″加勢される可能性はぐんと高くなる訳だ。眼鏡を大きく弾かれる空中を飛び開いていた廊下の方へ「ナイスプレー!!」ゲラゲラ笑う取り巻きを他所にあたしの方を見る厄介者の目はどこか腑に落ちていない「あんた……??」空いている席の椅子を持ち出しあたしの真横に首を傾げる「あんた……ホントに……」椅子を弾く音がそのあとの言葉を掻き消すそのまま「先生、気分が悪いので保健室に行きます」当の先生は「あぁ、分かった」とか細い声が聞こえる椅子に座る厄介者と擦れ違いそのまま開いているドアを通り抜け外へ多少予定は変わるがはじめるかそう思いながら二階の階段を駆け降りる1階の保健室を通り過ぎ奥の用具倉庫に手をかけようとしたとき「気分が悪い割には、速く歩くんだな?」そこには吹き飛ばされた眼鏡を片手に持つ厄介者が立っていた「何か用ですか時間もないので、後にしてほしいんですけど」取り巻きが横から文句を言おうとするも「その前にあんた、誰?あいつがあたしとの約束破ったこと無いんだよね、それにあの子はそんなスラスラ喋んないだからイライラするし、姿形は似せれても、あいつとあんたじゃ声の質までは似せられないみたいねであんた誰?」取り巻きが動揺する中真っ直ぐにこちらに視線を送ってくる彼女に倉庫のドアにかけた手を外す「あなたはどうしてここに、黙って来たんですか?」あたしへの視線を変えず「何、友達が気分が悪いんだ付き添い保健室に行くのは当然のことだろう、最も追いかけて来てみたらその友達は1階の保健室を横切りこんな人気のない所で何をしようとしているのか気になってね」友達ね、そう思いながら振り返る「あたしは大丈夫保健室に立ち寄ろうと思ったけど人がいると落ち着かなくてそれで人気のないこの部屋で少し落ち着こうかと思っただけだからっていうので一人にして欲しいんだけど」前髪を下ろしニコニコしながら頼む「眼鏡はいいのかよ?(片手の眼鏡を握りながら)なぜ眼鏡を気にしない?(口から嫌悪感が滲み出る)さっきもそうだった眼鏡を弾かれた時の反応は″必死に這いつくばって探す″だ(人差し指を突き出し)お前のように落ち着き払って先生の位置を的確に見るなんて芸当は出来ないんだよ……あいつはお前は」厄介者が話している数秒間の答えをあたしは彼女が話す隣で右の取り巻きの腹をえぐりながら「そうか話し方にそれほどの特徴はなかった」取り巻きの口、鼻、目から体液が漏れ出す「お前達がよほど、この学校がよほど、彼女にとっての“苦痛だった“ということか」尚も抉るその拳を真下に地面との板挟みにより圧迫は尚強くなる「お前達は、いやこれは誰でもか、遣ったことの重みなど“感じている者など居ないんだよ“人の痛みだの、優しさなど」圧迫する拳を軸に左の取り巻きを舞い上がったスカートの中から出て来た上履きが左の取り巻きの腰を直撃する重心よりも上に叩き込まれたその一撃は腰椎が滑るのを取り巻きその二が感じるほど響く声が出ないように二つの次指と中指で喉をつぶす口を開き涎を垂らし痙攣するその二「お前(口ごと顎を砕くような握力で壁に突き当てられる)……!……!!」静かにともう片方の人差し指で「まだ授業中ですよ、まぁ例え叫んだとしても、あなたの声は届くかな?あたし本生“彼女もいつも叫んでいましたよね“(口を抑える手に握力が籠もる顎が軋む音)さてと、あなたは秘密がバレた時如何する?」さらに壁に押し付けられ顎が捻れひょっとこのような顔になるもその目は恐怖と懇願で涙が溢れるタ・ス・ケ・テ動かせば余計に締まってしまいそうで「あの子のそんな目を見ても、キミは何も感じなかったんだろキミは辞めなかったんだろ、そうですよねぇ、キミには関係ない事だから、だから“アタシが今からする事もアタシはキミに何も感じない“だからってあらら」目の前の彼女は下の大洪水を起こして失神してしまった。そんな彼女達を縛って使っていない倉庫の中に放りこみ、これで彼女との約束ではないけど、少しは懲りるか時計を見る四時間目終了まで“あと10分“10分も使ってしまったかなどと考えながら着替える、もう彼女の振りをする必要は無い制服は着ているがカツラは外す、ナイフにかなりの改造を加えた銃、制服の下には開発中のパワードスーツ若干重いが1~2キロそれぞれ筋肉の上にスーツといってもテレビショッピングで紹介される“巻くだけで痩せる“みたいなものだ。さてでははじめますか




