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神約聖書  作者: 裸形炉
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四十二ページ目

ドームの外では作り終えて「理母ねーちゃん……」と呟いて卯人やマナノ侍を追いかける擱坐くんがいる。だがしばらく進むと「やはり読み通りか」と日本刀を脇に差し待っていたと擱坐の前に立ちはだかる「ここから先には行かせられんな、人命をとしてともう死んでるんだがな、兎に角おまえさんはここで止める!」マナノ侍からほとばしる気合い「邪魔だよ!」その小さな体とは思えない程の体勢、端から見れば”子供と大人”だが明らかに違うのは子供が大人を軽く蹴り飛ばす事だ「あの死人とは違って”変な神力は使わないんだ”」片膝で立ち息も切れているマナノ侍「まったくもって”似神非力”が使えんと(片手に収まるヒビの入った日本刀を苦々しく見ながら)ここまでの差とはね」自分の子供のような年(見た目)の圧倒されるも必死に食らい付く「ごめん、おじさん死人の相手をしている!」目の前の通路は崩れていて先には簡単に進めない首を左右に振りながら「全く死人使いの粗い”妖精の旦那”だ、おそらく片方のどちらかが動くことも予想していたとはいえ(マナノ侍自身が下への崩して塞いだ通路を複数思い浮かべて)かなりの重労働じゃ、しかも短期間主らのどちらが出て来るにしても”時間をなるべく早く”と急かして念を押されたのでな」あの鳥神やはり理母ねーちゃん以上に頭が切れるな、と感心していると「どうした”みんなの力”本生セキュリティシステムとやらは使わんのかの?」眉をひそめ佇む擱坐に「お主らのどちらが来ても、いや両方来れないのは、片方が足止めしているからではないかの(応えない擱坐)カトハカの”似神非力”はその腕力以上に厄介なのがスピードだ、隙を突くなりされて万が一(心の中ではあり得ないと思いながら)あの生きてるお嬢ちゃんを置いたとして逃げられればあんた達としては数的にそして時間的に不利なので、となると考えられるのは”片方にここの指揮権を移し例え中にいるどちらかが倒れても閉じ込められるようにした”だがこの策には欠点もあるそれは指揮権の力の及ぼす範囲ここに儂らが侵入してきたときも、おまえさん達が現れるまで少し時間がかかった最も途中からの尾行にギリギリまでこちらからアプローチしなかったのは、戦闘を避けたかったからだが、今から考えてみればあの時儂らを一網打尽にしなかったのは遊んでいたとも考えられるが如何せん其れでは説得力に欠けるつまり”先程のセキュリティシステムはあくまで”この神牢という場所の監視”が第一でありそれは侵入してきた儂らだけに関してだけではないここに収監されている者の”抑える目的”にも使われているとしたらむやみやたらに、使えないそんなことをすれば神囚を解き放つことにもつながるからの」淡々と話す死人のオッサンだが「と考えたのはあの鳥神じゃよ、儂らは、あくまで雇われているだけだからの、さておしゃべりも飽きてきたの」そんなマナノ侍に「奥への通路は使えないのは分かりましたが(彼の日本刀を見て)使わないより使えないと見るべきですかね”無駄な抵抗はやめてもらえると助かりますが”」苦笑しながらも「まぁそうだの神との戦い百害あって一利無しか、だが」瞼を見開くその瞳は戦場に身を置く者の眼光だった「しょうが無い、神約に反しはするがここは神牢内”転生させてあげますよ”」だがマナノ侍は怯まず向かってくる。驚き冷や汗を流す。そんな擱坐を見てポツリと「はったりだの!お主らは二神で一神のような存在じゃろ、分かれて戦う事は神力を半分にするどころか何分の一位になるのではないか(確信にも似た口ぶりは続く)それならば今まで”単独で動かなかった”理由も分かるのさ(日本刀の切っ先をたらしながら)儂ら死人はいつ転生するかも分からんだがその経験は次に受け継がれる”神のように絶対的な力もなく非力だが、いや非力だからこそ色々考え試す”神の下請けのようなことも我等にとってその時の死人に実がなくともな”色々な神とも非力なりのやり方”(胸を張り)それが我等”死浪”の本分とでも言えばよいかの」そんな目の前の死人に向けて「分かりました……もう分かった……」と覚悟を決め立ち向かう………崩れるような大きな音が通路に響く立ち止まることなく、先を急ぐ”妖精の旦那様”こと卯人だったが、最下層に到着する。上の戦闘とは打って変わり物静かな雰囲気だ目の前の暗がりにぼんやりと浮かぶ檻の中に探していた”その神”がいる威圧を放つことなく横になる”その神”に「あなたが”時閒の片腕”の龍神”災奏”ですか?」相も変わらぬその姿、片肩の爪甲垢鎧は折れたままちぐはぐな形が長い時間この場にとどまって居ることを示している「上の騒ぎはお前達の仕業か?」やれやれと言って静かにしゃべってはいるが圧力が凄い思わず唾を飲み込めずにいる「”ここまで”してお前さんは何をしにここへ」神牢の檻、最下層にあるこの檻はちょっとやそっとでは破れない目の前の”バケモノ”は出て来ることはない……無いはずなのは分かっている頭ではそう認識しながら話を進める「貴方に我々に力を貸して貰いたい」逃げ出したい本能を抑えながら彼に尋ねる答える数秒間が凄く長く感じる。だがそれと同時にアタシは”彼がアタシの出した提案を拒絶した後の事”をこの数秒間に考えないといけなかった”ママの神病を治すため”あの時のバカ親父の声が頭を反復するそのために”神溜鋼から出来た”八つのアクセサリーの適合者を探す”ってのが第一条件らしい、あのバカ親父の言うことを真に受けた訳じゃない今こうやって動いている瞬間も半信半疑だ……けど”ママの神病を治す手段は今の所ない”コレもまた事実だ、結局バカ親父の案以外”縋る物がない”のだ。そこで先程の”拒絶した場合”だが目の前のバケモノは今までこの神牢の奥深く檻から出もしなかった、何故だろうここのセキュリティはここに来るまでの事を思えば申し分ない程いい物だ、だが相手は龍神しかも時閒の龍の直接的な部下だった者、今の神世界でも龍神といえば決して弱くなどない、むしろ強い部類だ故に他の神から畏れられている、もし仮に龍神国が神世界への侵攻しよう者なら大惨事になり無茶苦茶に成りかねない、だがそうは成っていない龍神は一度たりとて社の主になったことはないのだ(時閒の龍はかつて夢幻の無と共に神世界の頂にたったが社にはおらずフラフラしていた)「興味ないな」やっぱり黙ってついて来てくれるなーんて都合の良い展開にはならないかアタシは頭を下げ話を続ける「アタシは色んな者の背中を見ながらここまで来ました今も戦っていると思います。置いてくることに忍びない者もいましただからこそアタシも”興味がない”の言葉を受けてただ引き下がる訳にはいかないんです。貴方には何のメリットは無いかもしれないけどどうか(真っ直ぐに頭を下げる)力を貸してください」檻の中から「興味ないな、全く」そんな言葉が耳を通過する「何で……何で(檻の方を振り向き)こんだけ頼んでんのに……これじゃあたしが置いてきた揺は……あの子の気持ちは……いいじゃんかよ何も一緒に戦えっていってるわけじゃ……たださ適合してるかどうか(つい本音が漏れる、慌てていたとはいえ痛恨のミスだったが仕方ないと開き直り)そうだよ……あんたがただあのクソ親父の云ってた”適合者だったから”あーくそ何であのクソ親父はこんな面倒な奴を選んだんだか、別に誰だって」頭を掻きむしるその姿からは先程までこの神牢を冷静に通り抜けここまできた彼女の面影はなく”いっぱいいっぱい”その一言で十分な姿だ「君の心は”満たされる事を単に求めているだけ”なのでは君の言葉は何処か遠く聞こえる」拳を握り締め「何だよ!用はあんたは高みの見物して対岸からベラベラと”何の痛みも知らずに喋ってる神牢に籠もるそんな奴”だろうが!」太陽核が眩しさを増すそんな見慣れない神器を見て「管理が成っていないな我々とは別の意味で神としては”特質的な存在”だと思っていたが、しょうがない」ふっと檻の外に白い霧が出現し形を成していくそこには檻の中に座り込む龍神にそっくりな霧状の彼の姿がそこにはあった。構わず太陽核を展開して惑星核を公転させる右手を上げ中指を少し曲げる霧龍神の真上に惑星核が「”歪”正磁区」霧龍神が一瞬で拡散する「今度は本体をやりますよ!」そんな卯人の中指を横に回転させ円を描きながら元の位置に戻す。その動きと連動するように先程の惑星核が別の穴から飛び出し天井を貫くそんな光景だが龍神本体の災奏は慌てることなく檻に触れながら「この檻は頑丈とはいえ、その神器の攻撃は持ちこたえるかは微妙か……結構気に入っているんだが(回りを見渡し長年暮らしてきた檻に愛着を滲み出す)だからそうだなこのままやるか」再び白い霧が集合して形を成す面白い力だとかがみ込む二つの惑星核の通った穴を覗き込む「なるほど」彼が一言自分で納得し終える「”先程と同じですか、舐めていると痛い目を見ますよ”位は言ってくれてもいいのではないかな」かがみ込む新生霧龍神は卯人の先程と同じく”歪”と呼ばれる惑星核を真上に公転させたが、其れを片手で視線は地面の穴に向けたまま受け止めている「何で!あれは霧状の!受け止めるはずは?」そんな彼女に「焦って本体を狙っても良かったかもな、取り敢えずその適合者とやらの為に傷つけなかったのかな?」ならばと右手の他の指を動かす「”閲屑”負磁区”絶貫”正磁区!」霧龍神の右側より壁が消し飛ぶ音と左斜側より部屋の隅が消し飛ぶ音何かは現れた位にしか分からないその直後右手でも惑星核を握り締め元々左手で塞いであった惑星核を自分に向けて肘を上手く使い受け流す「おっと三発目か、この後はどうするかな」久々の戦闘なのだろう霧の龍神は何か楽しそうである「どうするね、このまま続けてもいいが……恐らく無駄打ちになるだけだろう」その言葉に「そうですね」手を離す霧の龍神、自由になった惑星核を一旦戻す、そして「でもあきらめ気はさらさら無いんで!」後ろの羽根を羽ばたかせ彼の目の前に公転させる惑星核、太陽核の位置が極端に動くものだから「ほうー軌道が読」複数から今だと合計七つ全弾打ち抜くが「みにくいの~」気付くと右側の膝の裏、左側の足の下とその足と下腿の間、両方の大腿の間、左側の首と肩の間、左右の手の中のそれとそれらに挟まれ団子みたいになっている「こんな事くそっ!」悔しさ滲む実力の差そんな彼女に檻の中から「久々に羅髭を使ってしまったね、ここまでする気は無かったんだが」遣ることはやったと溜池をもらしてポケットから黒いボックスを取り出す「くそでもしかたないか、もう一度尋ねますが、協力はしていただけますか」その応えに惑星核を全て離して霧龍神を通して「楽しかったがそれはそれなんでな、悪いが協力の件は”興味ないな”」相変わらずの応えに「だそうですが、如何すんのクソ親父社長!」問われたのは黒いボックスだその中から「聞こえてますよ社長だけでいいです。パパって呼んでも」間髪入れず「壊すわよ!」冷や汗は出ないものの声が震えながら「冗談だってば~」そんな会話を社長が打ち切り「声だけで失礼します。夢幻フォローじゃないですよ。お初にお耳にかかります。私は鳥神で神約により罰を与えられ執行猶予と言いますかあなたと違い強くも無かったので物世界にて会社の社長をやっております者です」面白いと霧龍神はその黒いボックスをまじまじと眺める声だけなのでそんな事は気づかす「残念ながら今の私では物世界から出ることは叶いません(シクシク)」黒いボックスを投げながら「前置きはいいそれで御前はこの子らを使い”何がしたいんだ」放り投げた箱を横からがっしりと掴み取り、その手に力が入る「何がしたいとは?勿論彼女から聞き及んでいる通りですが”我々に力を貸して貰いたい”これに尽きますがこれでは納得しかねますか」その手にさらに力が入り同時に声にも力が籠もる「確か彼女とは戦いその意図も心も何となくは理解はした、だがお前さんからは”心が見えんのだ”彼女のように声の中にも”満たされたい気持ち”というのは感じられたがお主にはそれはないのだ」そう言い終わると手にしていた黒いボックスを放り投げ「故に”興味ないな”と言わざるえんかの」放り投げられた黒いボックス「”興味ない”ですか、ではあなたの興味とは”今の神世界での龍神国の存続”ですか?」顔付きが変わる龍神「何か、当たりっぽい事いうのやめてよね、あんたはここにいないからいいけど」檻の前にいる彼女はいいとばっちりとばかりに愚痴る「気に触りましたか、しかしあなた達、第一世代は”龍神が他と関わらずにいる神世界”を望みました。無論それは時閒の意思がそうだったからと考えるのが自然です。けれど時は過ぎ第一世代だけがいたあなたがよく知るあの龍神国では今は無く第二、第三と世代間の格差はさらに広がって来ました」ラジオで流れる昔ながらのニュースのように静まり返る薄暗いその部屋に響く低い声「その中から”関わらない神世界”に納得しない者、疑問を抱く者それと同時に時閒が創り出した”もう一つのシステム”がこれらの気持ちを後押ししてしまいます(顔を背け奥を向く龍神の耳元にラジオ放送の昔話は淡々と)”弱い者が治める”などという理想の世界、なんと耳障りがいいのでしょう。然し考えて下さい”自分たちが強く力もある、神世界の事を思いそうしたのに、外の他の神達はやりたい放題、どうせ出て来やしないんだろう?実は思ったほどの実力ではない?龍神がホントに強くても根性無しのヘタレなのでは?憶測は尽きず想像だけが飛躍していくそして”事が起きてしまう”……夢幻フォローなる異者が神世界に現れその不満の受け皿となった」ある程度、昔話を終えると「今回の一件表向きは解決しました”死人の尻尾切り”という決着あれだけの惨事死人だけなーんて訳はないですよね」娘の手の平の上交渉は佳境に「リストがこちらにあります、あなたの処の第三世代の今の龍神王の側近の名前も分かります、これ今の神世界に公表すればどうなりますかね、少なからず龍神は止まっていることは出来なくなる、せっかくのあなたがその存在を賭してまで作ったバランスを進んで社の主に成ろうとも、退いて分裂の道を選ぼうとも”もう元の位置には戻れなく成っちゃいまーすね”」檻と共に偽りの霧の体は吹き飛ぶ「出て来た?」娘のその言葉を聞き「excellent素晴らしい判断力・決断力・そして可笑壊力とでも言えばいいですが、ようこそ龍神いや災奏さん」久しぶりに檻から出ることになった彼の目にはこの場への名残惜しさ以上に戻れなくなる悲しみと共に守るために大事な者と戦う決意が色濃く移っていた。

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