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神約聖書  作者: 裸形炉
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三十八ページ目

マナノ侍と卯人さん先に仕掛けたのはマナノ侍、刀を地面すれすれに這わせながら体を低く走り向かってくる体幹を低く一直線に卯人さんに近づく「ギリギリまで狙える範囲を狭めることと同時に」彼女のそばをギリギリで突き抜けその刹那マナノ侍の背後に隠れていた刀身は彼の体にピッタリとくっつきその牙を剥くかすり傷「やっぱ、バッサリとはいかないか(刀を持たない方で頭を掻きながら)生前は″コレ″一撃必殺で仕留め損ない無かったのにこっちきてからは逆に″コレ″で仕留めたこと無いんだけどな」笑い飛ばす彼に「ご主人様面白く無いんで笑わなくていいですか」と冷ややかに手頃な岩の上にご主人様のコートを引いて座っている「敷いていいとは頼んでませんが」ったくと卯人さんの方を向き「今ので試験の合否判定ってのは」メイドさんが「無理やろ」一度メイドを目でみた後卯人さんの声で視線を戻す「それが全力ですか?」卯人さんは少しがっかりしながら「いえ、さっきの斬撃を見て長年戦いに身を置かれていたことは分かりました……ですが私達が頼みたいのは″神牢″への侵入です。中途半端いえ少なからずただの護衛やお留守番とは訳が違います、性質上、大勢で向かうという選択肢はあり得ません。なので今回″人で強かった″程度は此方としては神牢に入った目的の達成いかんでは、離脱が困難になられても困るので、言師たちまで出張られては」観戦モードだったメイドさんが敷物にしていたコートを手で祓いながら「ご主人様どうやら交渉は決裂なさったみたいですね」と棒読みでコートを投げようとしていると手で其れを止める「確かに俺らの力じゃ神には通じない其れは妖精殿に言われるまでも無く理解しているだからこそ自分たちの出来る範囲でそれぞれが″下請け″″留守番″なんて直接神様とは戦闘にならない(相手が本気ではないと仮定して)ようにしてきたんだ」両足を広げゆっくりと呼吸をする「″言師″か(ぼつりと呟きかけるように)浪人って言葉知ってるか?」卯人さんは何の事か分からなそうだ、そこにあたしが「浪人ってその就職活動中みたいな」其れを聞き「そうだな皆多かれ少なかれ″誇り″ってのを持ってた(空を見上げ懐かしいように)仕官する夢を持ちながら、俺がいた時代は戦乱じゃ無かったがそんな時代でも(自身の持つ日本刀に映る悲しそうな自身を見て)こういう物騒な需要はあってね俺には学がなくてな(映る表情が一層悲しくなるのに気付いたのか刀を振り下ろしながらポツリと)そんな道をふらりと歩くようになっちまった、強い者と戦いたいなーんて思いに行き着いて、明け暮れたが、あっさり終わってこっちにいた地獄ってのはこんなにも快適かとも思った生きるのにこんなに苦労しない世界(苦笑しながら)生きては無いんだが、先ずは飢えに苦しまずにすむってのは一番だったかな………だけど(再び天を仰ぎながら)やっぱここは地獄だったかな圧倒的な神の力、そして不条理な転生、しかも神には″転生させる力″もある」あたしは苦しそうな侍に「転生したいんですか?」だけど胸を掻きむしり掴みながら「そうじゃねーさ、ただ″叶わなかった夢の続き″そんなものを望んでんのがオレ達″死した浪人″の道を歩ませるのかなと、ふと思っただけさ、さてとおっさんの昔話ってのは面接の与太話には持ってこいだったろう、じゃあ少し本気でやってみますか」その時後ろから「アタシにはあんなこと言っておいて」続く言葉を遮り「ちょっとは先輩立ててよ」全くと呆れるもののその場からは動かない「確かに今のままじゃ手も足も出ないかな」右に持っている刀を左の手に持ち帰るすると「何で!今までは何も感じていなかったのに何で?これって」目の前の不可解な状況を卯人さんに尋ねるように彼女を見る「″神力″神でもないあなたからなぜ神力を感じるの″神約″している訳じゃないわよね」にこやかにマナノ侍は「勿論″神約″はしていないそうだな強いて挙げるならこれか」自分の左手に収まったその刀を見下ろしながら話を続けるマナノ侍に「その刀は神器?いやそうじゃない先ほどあいまみえたときその刀からは″神力″は感じていない」自身の左手を抑える卯人さんを見て確かに卯人さんの左手のアクセサリーからは常に大きくはないけど″神力″を感じていただけど彼の刀からはついさっきもいや″今この瞬間さえも″神力は感じない今感じている神力はあくまで彼自身からの神力だ「種明かしをすればなんてことな」小粒の岩が飛んでくる後ろを振り向くと右手に次弾(小石)が装填されいつでも投げれる体制だ「話したいのは山々だがメイドさんが怖くてね話せそうも無い」踏み込む足は先程と同様速い体幹に隠すモーションも変わらないが、先程とは明らかに違うのは神力を纏っていること接近するマナノ侍に卯人さんの左手のグローブの太陽核が燻り始めるその太陽核の起動を感じ取り彼女の左手から数個の惑星核が円周と共に身体全体に広がっていくある程度広がってしまう前にマナノ侍の刀と接触一気に軌道を弾かれる惑星核その一瞬を見誤らず二つの遠位の惑星核をいなしと軌道の読みにより卯人さんこと太陽核に近づく彼女は左手を動かすことで太陽核を移動させるすると中心の移動により全体の惑星核の位置と軌道がズレるマナノ侍が近づくのを繰り返す状況が続くそして徐々に将棋の駒のように″マナノ侍という王将″の動ける範囲を狭めていく、マナノ侍は動けなくなったのか左手に持つ刀を下ろし瞼を閉じて「諦めた?のかしら」という卯人さんの言葉を聞きながら息を整え終えると再び瞼を挙げる一瞬飛躍的なスピードで惑星核を躱す相手の動きに併せるかごとく他の惑星をすり抜けるように彼女に近づくギリギリだが当たらない一歩一歩が全体が一つみたいな感じだ踊っているみたいだ。何食わぬ顔で彼女まで到着後するが、その場で「合わなくなっちまったか」彼の左手にあった刀にヒビが入る先程の惑星核の円周を確実にはよけきれなかったみたいだが、それ以上に驚くのはマナノ侍から感じていた″神力″が感じなくなったのだ″合わなくなった″その言葉が意味する事を「なるほどね、どうやら秘密みたいなのでこれ以上は突っ込まないけど、いいわ試験は合格よ。此方としては残りを捜す必要もあるから」その言葉に「お褒めの言葉有難いが俺はこの通り(左手のヒビの入った刀を見て)″神力は使えそうもない″それでも」言い終わりそうな彼に「構わないわ、だって私達としては″神牢″への侵入の為の″戦力プラス私も揺と共にスカウト中の代行に足止め″が出来れば問題ないわ、例えあなたで無くてもあなたと同じように神力を使えればそれでいいから(遠くのコートを持つ彼女を見て)そちらのメイドさんでも構わないけどそうね……あとうんあなたの代わりになるメイドさんはどの程度の実力あなたと同様ならば問題ないのだけど」活動していた太陽核は徐々に光を閉ざしていく十分の一程度まで減ってしまった太陽核は僅かな光を出している。それに呼応するかのように周りを円周していた惑星核が一つ一つ太陽核の廻りに戻っていく「戦闘はもうしないということか、うちのメイドさんを買い被りすぎではないか」というマナノ侍に「あなたの戦い方とそれ以前の言動を考えれば、その神力をひねり出すのはあなたの単独の力ではないはずです。なので複数あなたも含めてそれだけの神力が出せるというのを見れて十分です。後はあなた方の仲間内で決めて貰って構いません。ただ此方としても時間は無限には無いこれはご理解してほしい」少し考えて入るウチに「いいんじゃないですか」後方からご苦労様とマナノ侍にコートを掛けるメイドさん「あたしの方は時閒とだってやれますよ、ただし組織からのこれ以上の支援はあり得ませんなので今回はあたしとご主人様が引き受けますこれが飲めないようならお引き取りを」静にその言葉を聞き「いいわ、それで行きましょう目指すべきは″神牢″そこの最下層に居るという龍神かつて時閒の龍と共に龍神国を創った一角よ」移動を始める……一方鳥神域を後にした言師たち「これから如何するんですか、今いる神世界では……やはり感じません」わんわんさんの上に乗りながらも首を横に振る先程から数回試してはいるものの感じない「物世界に云っているって事ですよね」そんな質問を前のめりにすると「あの鳥神がどこにいったかの目星はついているだが、今云ったところでその鳥神が目的地にたどり着く可能性は高くない(あの社長からは神力は感じない神約を受けてのことだがらこそあの鳥神が見つけることはかなり低い)だから此方は先にやっておくことがある」その言葉に一同止まる「それって社の主を決めるって事」不鎖お姉さんが続ける「誰に打診するの、七福神あんたたちはもうやらないのよね」最後の確認とばかりにその真意を尋ねる。次の瞬間あたしの髪飾りから七つの光がその内の一つが「ないですね。先程もいいましたが本来の役割に戻る事が叶ったのであれはあくまで“七福神として“の話です」つまり無しってわけと言う不鎖お姉さんの視線はわんわんさんに移る「それでおすすめは?」お昼のランチでも食べるかのように聞いてくる鎖お姉さん「神力、経歴、納得しやすいなら天裸形じゃないかなと思うが」そんな全うですこぶるつまんない答えに「えー革新的じゃなーい、例えば“時閒“とかどうよ」と鎖お姉さんが進言するとあたしに「ねぇー言師はどうよ?あったんでしょ、優しーい言師様なら神世界を導いてくれるわよね」あたしの肩を持ちながら演説するその視線はわんわんさんを眉を上げてみている「何でそんなあれはただちょっといいかなって、わんわんさんから見れば敵なのにごめんなさい」しょんぼりする彼女に分かるわと鎖お姉さんが慰めてくれる「そういうお前は誰がいいんだ不鎖」そうねともう遊ぶのに飽きたのか「まぁ天裸形ってのは無難ね敵も少ないしでも獸神はあんたが説得して、無形神はあたしでもそうねここぞと出て来るのは龍神国は動かないように出来る“時閒の龍“は必ずネックになるわよ彼らの悲願であり国の根幹たる時閒が蘇っているそんなことは彼らとて知っているだろうし」その言葉に無意味だとわんわんさんが話す「龍神あいつらは………いやどうだろう意外に何も口出しはしないと思うぞ」核心にも似ている強い口調でそう答える「じゃあ決まりね取り敢えず“天裸形“立てる形を取ろうかな」其れを聞いてあたし達は二手に分かれる不鎖お姉さんとあたしは無形神の処へ七福神とわんわんさんは龍神国へ向かった「別にいいですけど何で七福神を連れて行ったんですか?」あたしが質問すると「ほら!えっーと元々七福神が社の主だったでしょだから龍神を説得する為よ」アハハと笑って答える不鎖お姉さん……龍神国は緊張していた血気盛んな第三世代は「今こそ時閒様の意思を継ぎ龍神国を神世界の中心へ」離れにいたちっちゃな龍神の部屋を取り囲む実際は勝てないと思っているのか囲むだけで手は出さない「あらあら龍神王まで担ぎ上げて」揉みくちゃにされながらも龍神王を持ち上げる第三世代の龍神そんな姿に「全くあの子たちは本気で思ってるのかしら“龍神が中心なんて“折角の神牢の住まいの龍神に失礼じゃ無いのわかったら(部屋から外の欄干に腰掛け)さっさと帰れ!やかましい!」羅髭が二つに割れるここで退くかと思いきや「我等は話し合いに来たんです」回りからそうだ!そうだ!の大合唱だ「フン何処の何奴が嗾けたやら」その様子を見ていた第二世代が「我等も時閒様の為にも立ち上がるべきかと」視線を変え「あんた達まで」いくら強いとはいえ第二と第三が手を組めばそんな淡い期待は奥からの一声が霞ませる同じ欄干にたち「この国は時閒様が創った国だ(ならば?)という第二世代の言葉に「時閒はそんなことは望まない決して」そんな彼の言葉に「そんなことは時閒じゃないと分かるものか」とごもっとも意見がきている今にも第一世代対第二・三世代お互いの羅髭が伸びきると「今の龍神国は愉しそうだな」古めかしい龍神の服に”爪甲垢鎧”そんな彼に先程のちっちゃな龍神が「トキーー」とくっつく「あれが時閒」第二世代は頭を垂れる多分第二世代は時閒の存在を知っているのだろう「恐れながら時閒様今そこ龍神が頂点に」その言葉で神世界が変わると思ってた目の前頭を垂れるその相手は押さえてはいるもののこの場のどの龍神すらも飛び抜けた神力を放つ周りに居る第一世代が霞むほどだ。勝てるやっとだ幼龍は今までの出来事を振り返る表面上は龍王のお守りをいい加減な相棒とやりながら裏では龍神国こそが社に立つべく色々やってきたこの前の夢幻フォローという輩に手を貸したのも龍神が中心に立つため龍神国内でいくら叫ぼうと第二世代は愚か第三世代ですら及び腰の龍神も多かった其れも根底にあったのは”第一世代の壁”然し今はその第一世代すらも上回る神力のいや我等の根源たる”時閒の龍”がいる幼龍は確信にもにた想いはすぐに崩れてしまう「私は社に着く気も、この国に帰る気もない!」ふざけるなそんな言葉が漏れること無く幼龍は時閒を睨むが時閒の前に立ちはだかったのは彼に今まで飛び付いていたおなじくらいのこの部屋の主だ「どいて貰おうここから先は我等の私の悲願を叶えるためそこのふらふら創造神に一発入れないと分かんないだから」拳を構え羅髭を靡かせ時閒を睨む彼女だがその前を遮るように「トキはイヤだって言ってんじゃない無理強いは良くないぞ、どうしてもってのは、あたしを倒して」そんな彼女を後ろから構え「いい、彼女が言う事は最もだ、だからどうぞ相手をしよう」彼女を欄干の処へ下ろし龍神の集まる広庭に降り立つ廻りが囲いのように開けてその空間に時閒と幼龍が対峙する。目の前の自分よりも背の高さも実力も数段上であろう創造主に向かい交渉を始める「いいんですか、わざわざ降りてきてあたしの方が実は強いかもしれないのに」勿論ハッタリだ今の神力の差はさほどないが滲み出るオーラに幼龍の羅髭はビリビリ感じている両手を上げ「冗談ですよ、仮に本気だったとしてどうですか、先程の第一世代の方々が言われたとおり、この国を創られたのは第一世代と創造神である”時閒の龍”様ですよ。そんな偉大な神力を持つあなたに意見出来るわけがない、我等はあなたの臣なのだから」見捨てるのか?投げ出すのか?そんな言葉を時閒に問いかけると言うよりは、ここに居る全ての龍神に投げ掛ける、ざわつく一同(よし入りは上々あたしとしては、創造神に”一発拳でかましても”何にもならない大事なのは”時閒が動かざる得ないようにする”これが大事なのだから「そうだな社の主か確かに気にはなるかな」その場の雰囲気が変わる龍神のざわめきが「だけどそれでいいものか知っての通り私は夢幻とは対の存在だ、お前達と同じように夢幻の意思をついだ者達が起こしたこの前の出来事を思い出したのだ。あの時私は憤りを感じたのだ”一部の神達がこの神世界を牛耳ろうとしていた”(目の前のばつの悪そうな幼女を見ながら)そんな神世界は楽しくないかなとな」言い返そうとするも返す言葉がない幼龍に追い討ちをかけるように「それに(幼龍の横を通り現在のこの国の主の元へ)小さな王よ(その場に片膝を折り頭を垂れる)君はどんな国にしたい?」その言葉に心からの精いっぱいの声で「弱いものを挫かない国、強い者は強さで国を引っ張っていく、それが普通なのかもしれない(拳をより一層握り念いをぶつけるように)僕も龍王になるまで、弱かった自分がいやでした他の龍神が簡単に出来る事が、僕には出来なくて(大きく俯く)でも、先代の龍神王は必死に事に取り組む姿が(和やかに思い出しながら)すごくて、もっとやりたいって負けないとかじゃなくてなんて言うのかな”弱いからこそ弱い立場を理解できる”と思うんです。そんな底から支えられる国に僕はしたいです!」そんなこの国で最も弱い王を見て幼龍は視線をそらす彼もまた手段は違うけどこの国を思っているんだと和やかにその姿を見ながら龍神国がまた一歩自分の手から離れていくと感じるのだった。

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