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神約聖書  作者: 裸形炉
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三十六ページ目

会社から出て直ぐ「さっきの話から直はやばいこと?やってたてことそれで……あたし家に帰るねママほっとけないし……話聞けてよかったよじゃあね」彼女はキャリーバッグを引きずり戻っていくそんな彼女を見送りながら「さてやれることはやれたかなので…」あれ?この気配は言師か……「ここね」先程、時閒とお姉さんが別れた場所に到着した言師と不鎖その前に「ここにはめぼしい情報はなかったぞ」と言師が涙目になる四つ足の姿足がちゃんとある本物だ神なので幽霊的な感じではないまあごうことなく目の前にいたのはあの時消えた狗牙こと″わんわんさん″だった「全く頼りないわねあたし達が着いてないと」よく見るとわんわんさんの周りにはプカプカと浮く七つの神様七福神が全員小さくなっていた、既に泣いていたあたしは必死にわんわんさんにしがみつく離すものかとしがみつく「勝手に居なくなって……」ゴメンと優しく尻尾で頭を撫でるわんわんさんそれをにこやかに見届ける七福神達その中の寿老人様が「私達がいなくなり神世界のバランスは崩れています早急に次の社の主を決めなければ」賺さず「イスへの未練はないのかしら」クスクスと笑いながら話す不鎖に「本来の役目に戻っただけですよ、それに現実的に1度離れた者が座るというのは面白くはないですからね」あら、そうと呆気なく引き下がる不鎖お姉さんあたしの前にプカプカと進み出て「これからは君の力の一部となろう」笑顔で手を差し伸べる寿老人さん、ジュロさん、うんこれにしよう「ジュロさんヨロシクです」親しみを込めあたしは寿老人様のことをジュロさんと呼ぶことにした、なので「フクローさん、比寿さんと黒天さんもヨロシクです」一通りあだ名もつけるとフクローさんは笑いながらも目玉まですっぽり覆ったマスクのような上につく片方の眉毛が上がるが、立派な鯛の姿の比寿さんも大きな俵に寝そべりながらだらけて乗る黒天さんも気にも止めない、顔の半分を境に能面の翁のようになっている側の顎髭を触りながら目を瞑ったままでいるジュロさん「ああこちらこそヨロシク頼む」と一言、あたしを撫でていた尻尾を不鎖お姉さんの前に持って行き「お前が持ってんだろ、さっさと出せよ」目を逸らし口に手を当てながら「なーんことかしら」しらばっくれようとする不鎖お姉さんに溜息を吐きながら「夢幻フォローの家から無くなってる″神溜鋼″の欠片を集めて作った塊だよ」あーあといった態度で片手にあの時の器に入る大きな隕石みたいな物がある。そういえば部屋の中に変な器?置物があった中身がない?ような物だったけど「って事はやっぱり行くのね」不鎖お姉さんが思い当たった神様「獸神しかも″神溜鋼″を作り出せるのは鳥神のみ天裸形あたりなら知っているだろう其れの出所もヨロシクとも言われたんでね」目線を不鎖お姉さんが持つ神溜鋼に向ける……「どうやら退散されたようですね」受付嬢を遣っていたお姉さんが書類整理をする導社長にコーヒーを入れながら話すと「まさか時閒に会えるとは(書類への目線を逸らし)少々計画を早めましょうか」受付嬢さんは自分のコーヒーを冷ます「しかし(フーフー)まだ全ての″担い手″が(フーフー)神世界での探索も気付かれてしまった以上迂闊には」冷ましたコーヒーを飲む受付嬢さんに「″神溜鋼の欠片″については生きた人でも問題は無かったとして、そちらでも担い手を探しましょう」分かりましたと飲みかけのコーヒーを持ったまま社長室を出て行く。イスを深く倒し天井を見上げ「ここまで……やっとここまでですよ……父上」目を瞑る社長は独り想いに耽っていた……わんわんさんの背中に乗る久しぶりのこの感触全身が喜びに震えている今あたし達は神世界の獸神国内の鳥神のエリアに夢幻フォローの一件の時は獸神国の中央に向かっていたが其れよりも方角でいえば神世界の外側の方角で大きな木がそびえ立つここが、とりさんこと天裸形様達が住む鳥神域だ「天裸形はいるか」わんわんさんが門の前で叫ぶと背中に白い羽根を生やした天使のような女の子が現れるというか落ちてきた、その白い羽も体に対してとても小さくまるで人のようだった逆さで鳥のようなお尻が丸見えな女の子は埋もれた上半身から「天裸形様は次の社の主になるのにお忙しいのだ」ぶっきらぼうな態度の女の子を引き上げ「火急の用だ、取り次げ」引き上げられた逆さの顔は隼のような凛々しい者だが態度は世間知らずの女の子といった感じだ「見た所、天裸形様が厳師をされていた頃の支神か(ジト目で首を左右に見回す)ふん最早、天裸形様は厳師ではない協力される義理もない早々に立ち去れさもなくば痛い目を見ることになる」わんわんさんに離してもらって地面についた所ですごんで見せるわんわんさんは遣りにくそう「だったらあなたを倒して進ませてもらいます」あたしはわんわんさんの前に一歩出る「ふん、何かと思えば知ってますよ貴様は人ですよね人の身であたしとやろうというんですか無謀な、ゲンシを守るのは支神の役目代わってあげないですか?」わんわんさんはその場に座り込み「まぁ俺達がやるよりはいいか」観戦モードだ「確かにあたし達だとねぇ」わんわんさんの腰に腰掛けあたしに向かって「借りるわね」と一言あたしの特等席なのにと思い睨見つけるあたしに、にこやかに笑顔を返す不鎖お姉さん「ならばすぐに後悔させてやると」背中の小さな羽根を高速で羽ばたかせ行くぞと移動する″速い″躱せはしたがすぐに反転してスピードに乗った一撃があたしの左脇にヒットはせず三角定規に阻まれる「イッッターーイ」手が腫れるその手に息を吹きかける体重が乗ってあのスピード華奢な体を鑑みればこの結末は予測できる「大丈夫?」そんなあたしに唇を噛む此方を見つめるその眼は大きく凛々しい普段ならば透き通り見通すはずのその眼は少し濁った感じがする「人が、人まで、あたしを馬鹿にするのか」決意と共に神力が膨れ上がる「馬鹿にされるか?」そこに髪飾りの中から現れたのは顔の半分を境に老人でありもう片方が若人の顔立ちをしているジュロさんだった「ここら辺で引いてはもらえんか若いの、お前さんのことは知っている″この神域にて起こったこと″によるお前さんの立場も」静かに話すそのしゃべり口は酸いも甘いも知り尽くした老人の言葉だった「認められることに必死になりすぎて周りが見えない故にやり方が分からずにちぐはぐする、焦れば焦るほど余裕は無くなる度ツボにはまる」五月蠅ーいウルサーイうるさーいと思ってることを否定したいのか羽根を一層高速で羽ばたかせる「言師、力を貸してくれ」ジュロさんが髪飾りとと一体化するシャーモンさんと同じだが形は違う鎗ではなく魔法使いの持つ杖のような形だ見た目は西洋の杖のようだが(宝石が付いているので)先端には先端に白い顎髭の生えた太い巻物が吊されている普通に持つとどっしりとは感じるがほーちゃんの神力を使っているのでノープロブレムだ白い顎髭を畝らせ(策はありますか?)あたしは天使鳥と距離をとりながら首を横に(だったら……)あたしは頷き棒立ちになる足を広げて天使鳥の正面に「人がどんなに神の力を借りようと人あたしが上だ!」彼女がスピードに乗る寸前少し前に走る虚を付かれたのか彼女が減速するこれならいけるあたしは引いた彼女の肩に手を置き跳び箱の要領で飛び越える彼女の大きさから三段くらいだろうか彼女の後方へ着地「ふん華奢なあたしに体重をかけて潰す算段でしたかお生憎様その程度で潰れませんよーだ」後ろ向きのまま動かない天使鳥はそのままターンあたしに突撃!「あれ?」彼女の視界がいつもより低くなるそれと同時に激痛が肩を襲う羽根を羽ばたかせようとすると肩に強烈な痛みが走る言師の持つ杖から白い顎髭巻物が背中を越えて顔を出す「無理に動かす事を勧めんよ、一時的なものとはいえ今やり過ぎるとダメージは回復せん今の状態が長く続くよ」端から見ていた鎖お姉さん「やっぱり寿老が一番強く引き継いでるのね今のあんたより高いんじゃないの、あの子にかけ直そうとしたぐらいだしね」そんな鎖お姉さんの下で「その必要も無かったみたいだがな」そんな遠くの会話など聞こえずあたしは目の前の出来事に必死だった天使鳥はそれでも負けずに殴りかかるだが彼女の最大の武器であった羽根は使えないそれどころか殴る事で肩に強烈ではないが痛みが走るらしく時折あたしまで拳が届かない程にそれでも彼女の態度は……「もう止めよう」多分彼女を振り切り鳥神域の中への侵入は容易だろうでも、わんわんさんもそれにちょこんと座る鎖お姉さんも動かない手を出さないと戦いを見守る「証明するんだ……要らなくなんかないって……だから」彼女は軋む腕で合唱のポーズ呼吸を少し換えまるで音楽か呪文でも奏でるようにそこらから光の粒子が現れるこれは神約聖書の時に出る粒子と似ていた彼女の呼吸がまた少し変わる光は渦巻きながら彼女の閉じられた手の中に手を開くとほーんとに小さな塊がそこにはあったしかもそれから感じる神力は彼女のその者よりも遙かに高い神力だった其れを右手に握る「これで終わりハァーー」防がなきゃ咄嗟にそう思って弁天に頼もうと?何も起きないいつの間にか髪飾りと分離しているジュロさん「さすが小さくても″神溜鋼″すさまじい神力だが、キミでは息溜が不十分だったようだ」天使鳥が右手を開くと砕けて粉になった″神溜鋼″がそこにあったそれは直ぐに消え去るそこに大きな影が「おじいちゃん」そうつぶやく天使鳥を包み込むように天裸形こと、とりさんがいた「すまないこの子が迷惑をかけた」それと同時にとりさんの額からチョコンと手の平サイズの妖精のような女性が出て来た「すみませんご迷惑をかけてゴホゴホ」そんな妖精に「じゃから照留は残れというたんじゃがな」天使鳥に近づくあたしは再びジュロさんの杖を持っているその杖から巻物を開くように白い顎髭が天使鳥の肩を包み込む慌てる妖精に「大丈夫元に戻すだけです」とあたしが話すと終わったと髪飾りから分離するジュロさん「とにかく話はワシの屋敷で行うかの」とみんなで移動を始める………中は広い大きなとりさんが入るのだから当然か天使鳥ことお孫さんはさっきの事もあり部屋でお休み中だ「まさか七福神が全て言師の元に集まるとはな狗牙もよく支えてくれているもちろん不鎖もな(あたしはオマケみたいな顔をする)それで今回は社の件とは違うのだろ」わんわんさんを見つめる「″神溜鋼″と夢幻フォローに繋がりがあったそれに……お前さんのせがれも……」その言葉に「そうか、彼奴は元気にしておるか」知らない訳じゃないみたいねと不鎖お姉さんが呟くと「そうさのこれはそうワシが厳師になる前の話この獸神国内の鳥神域にいた頃ワシにはせがれがおった彼奴は才能に恵まれておったし多くの神や死人にも慕われておったじゃが、才能はより多くを求めようとしはじめた其れを止めに来たその時のゲンシはせがれを止めきれず、ワシが次の厳師となりせがれを……神約聖書で裁いたせがれは神のまま神力のみを取り上げられた……すまんもしかしたらその時消し去っておけば悔いても始まらぬか先程もどこかホッとしてしまった、先程の小さき者はせがれの妻だ、元々丈夫な神ではなくてな、それでもせがれを待ち続けておる。お主が戦った相手はせがれの娘だ父親がそんな事をして……あんな風になってしまった。それでせがれは″神溜鋼″あの時持ち出していたのか」不鎖お姉さんが例の神溜鋼の欠片を取り出す「確かに持ち出していたのは間違いないか、其れがあるということは持ち出された″神溜鋼″は加工されたと考えるのが自然かそいつはその残骸を集めた模造品だ。なるほど夢幻フォローの神世界への鑑賞物は其れだったか」わんわんさんが「加工とは?」とりさんが「文字通り神溜鋼を加工して″何かに″したという事さ、おそらくアクセサリー的な物に、そうだな人、死人、神、使う者は問わないその物自体に膨大な神力を帯びている、しかし誰でもというわけにはいかない、そうさの相性がよくなければ使えないただのアクセサリーになってしまうだろう」淡々と語るとりさんそんなものが物世界に立ち上がるあたしをわんわんさんが尻尾で止める「こんなことしてないで、そのプロキシアスって会社にいかなきゃ」落ち着けとあたしを止める「いってもはぐらかされるだけだ神約聖書の罰を受け容れている物世界にいるのはそのためだ何もやっていない其奴を神約聖書では縛れない」でもというあたしに「近いうち必ず動くことになる、それなりの種はまいておいたからな、いずれにせよ今はまだ」………神世界から物世界へ急いで移動する神力物世界に降り立ったその小さき羽根を持つ者は「プロキシアス」その言葉が何かよく分からずにここに居る………気づくと自分の部屋に横になる負けた人に人程度に…だからあんたんとこは駄目なのよね……しょうがないじゃんだって……「「裏切り者の子供だから」」いつもいつもだったそして何をやっても尽くしてもこれから先も永遠といわれ続ける言葉濡れる瞼を片手で覆い荒くなった息を整える反対の腕に力が入り「やらなきゃ……やらなきゃ」部屋の中にある宝石台の塊に神力をバレないように少しずつ注ぐやがて注がれたそれはランタンのように彼女の神力を放つそれと同時にカプセル位の塊を飲み込む彼女から神力を発さなくなる準備が整い神力の集まる大きな部屋にその中に彼女を倒した人の神力を感じる一端に人が神の真似事おじいちゃんも相手が言師だから断れないんでしょうだがそれもここまで中を伺っていたとき中から″あいつ″の話聞きたくなかったあいつのせいで母さんは待ってる帰って来やしないのにしかし″プロキシアスって会社″向かうそこにあいつがいる次の瞬間すでに神世界を抜け物世界の方へ一体どこにある、どこにいる「プロキシアス」そんな言葉を呟きながら探す天使鳥に声をかける人がいた……キャリーバッグを持ったまま家路には帰らず街を彷徨っている直がもういない、帰っても来ない母さんになんて言えばそのままを言ったとしても、何度目の溜息を経ても答えは出ないまま時間だけが過ぎ去る、そんな時耳にすさまじい音がする周りの人もそれぞれに耳が塞がるが、空を見るとそこには顔が鳥?それに蜂のような羽根が凄まじく高速で動く左右を振り向きながら何かを探しているそんな風にも見える周りには見えてはいないようだ何故あたしだけ、あの時閒のせいであろう事は一目瞭然だった離れた場所に降り立つ彼女あたしは彼女を追いかける「プロキシアス」そう発した言葉に後を追う決意をする降り立つ彼女に「知ってるわよ″プロキシアス″」あたしの目の前まで飛んでくるそれは直ぐに胸ぐらを掴み「あいつはどこにいるの?あいつは……」怒るその瞳は大きく美しい「あたしも用があるのどう、あそこはあたしひとりで行くのは不安だし案内する代わりにいざって時はあたしを守って」そういうあたしに最初は自分よりも低度な者を見るような態度だったが「良いだろう人を守るなど心外だが守ってやる、ただし神約はしないからな、あくまで今回の″プロキシアス″に関してだ、それでいいか?」あたしも少し考えるあの社長に逢えるとしてさっきはあの″時閒″ってのがいたからだとしたら「そうね、じゃあ今回の一件の間の身の安全ってのでどう」それでいいと早くその場所に行こうという彼女に向かい「名前はあたしは″揺″よ」そんなあたしに「卯人だ」あたしより小さいその子は太々しくそう名乗った。

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