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神約聖書  作者: 裸形炉
27/115

二十七ページ目

あれから数日たったどうやら廻りの他の人達には遊神様は見えないらしい初めは泣いてばかりでアタシのベットから毛布を被って出ようとはしなかったけどこの物世界やっぱり見たこと聞いたこと触ったことない物が多く病院内を探検しよって大忙しだ。あの後あのおねーちゃん″言師″とはあってはいない。そう言えば飼玉ちゃんが言っていたゲンシとは神様を見守り時としては縛ったり罰したりするらしい今回の移神も神世界に戻らされたとか言ってたそれに……ベットの上で額に手を乗せたまま神世界のことを考える目線を左に向ける身の丈よりも長く太い寝間着を着たまま宙を浮く彼女こと遊神様、窓ガラスに顔をこすりつけ遊んでいる彼女を見るたび飼玉ちゃんの姿が脳裏によぎる何であたしに預けたんだろうおねーさんこと戯神様は遊神様、妹のことすごく可愛がっていたのにどうしてアタシは屋上で彼女に万を持して聞いてみたすると「戯ねー様はアタシのこととても大事にしてくれるイヤだって言えば辞めてくれるしでもでも凄く怖いいつも笑ってくれてるけど怖いの」彼女は震えていた耳を塞ぎ目を閉じうずくまりながら何かあったのかもいやあったんだろうアタシは「もういいからね」そう言って後から抱きしめることしか出来なかった。一方「まだ見つからないの?ちゃんと探してるの?」爪を噛みながらうろうろしている戯神のおねーちゃん「どこに?どこに?(取り出す?現れる杭)どこーだー?」ボロボロの着物そこらに割烹着の残骸が落ちている朦朧とするその眼には苦痛ではなく終わらないこの苦境という地獄を神世界の一角で感じている「あの子が泣いてるでしょ(杭を体重を乗せて押し付ける)布団の中でアタシの名前を呟いてるわ(骨が軋む音が部屋中に響く)いってあげなきゃ」フラフラと歩くその足下や壁には壊れた玩具が散乱している其れはこの部屋だけじゃなく今はこの国のあちこちで起こっている遊神という妹を失った彼女の空っぽな心は埋まることなく暴走は止まらない。目を半開きになりドアを出て行く戯神の姿が映るあの時の判断は間違っていないこうなることは分かっていた目を瞑り自分のやった事、窓が開けられている悲鳴、怒号、奇声、あの札を剥がした時から今に至るまでやむことはないしばらくすればまた………転生したら…………でも。

あれから少しあといきなり遊神が「小っちゃい感じする、こっち」と病院内を探検している時に言い出す「言師?」あたしが聞くと首を横に振る「ちがう、ここかな」集中治療室ってことはそこに一つのベットを指先、遊神これってあたしには分からない「あたしとつないで」というとアタシは彼女と手を一緒彼女が消えて中から声がする(ほらあれ)見るとベットで眠るその人から何か違う感じがする。(でしょでしょ)あれアタシ喋ってない思っただけなのにそれに彼女は寝間着の両袖で口を隠しながらあたし達は神約を結んだの一応いいよねダメ~(涙目になりながら)イヤだって言わないデー泣く彼女にアタシそんなこと思ってないでしょつながってんだから感じてみて口に当てた両の手を背中に組み直しニコニコしながらホントだーってそれであの人もあたし達みたいに神約ってのを結んでんのその言葉に(ちょっと違うみたい何て言えばいいのかな神約した神様もその人も眠ってる)その日はそれ以上のことはわからなかったみたい(なの)コラ!(面白そうだったしーやってみたかったんだもーん)。次の日ERへ行くとそのベットには彼の姿はない(移動したみたいだね)移動?退院はないか場所はこっちか昨日ここにいた彼の何だろう(神力っていうの)それを感じて見るとここか中に入らずとも分かるここにいるんだ「どいて!」後から振り返るとそこには頭に三角定規を対象につけたおねーさんが後ろに立ち此方を見下ろしている。中にいるあの人より(コワーいよう)あたし達は身構えると「逃げない頼むって云われたから」あたしの横に遊神も現れ「アタシも戦うーっ」語尾が弱くなりながらもアタシの後ろに隠れた状態で相手を見据えている三角定規は「そんなのどーでもいいからどいて!」その熱気に押されその場を逃げ出すあたし達「逃げるは恥だが(こわいものはコワーい)」そそくさと自分の部屋に舞い戻っていた。その日の夜完全介護な病院でいないであろうこの時間帯あの病室にまた行ってみた中に入ると案の定ベットの彼以外の姿はなくホッと胸をなでおろす近くで見る神力ってのは感じるけど弱いこれってどうなってるの?(わかんないけど苦しんでない?)遊神がベットの回りをぐるぐるあの昼に来た三角定規は何者何だろう(神力でっかーいでっかーいあと怒りんぼう?)確かに不機嫌そうだったねそう言い残してその日はベットに戻った。

この感じ次の日の朝回診が終わり毎度の病院内の探検!あの部屋から口を抑えられ引きずられながら屋上へと消えていく間違いないあの″ゲンシ″のおねーちゃんだあたし達は後をつける見つからないように慎重に屋上に上がると一角の奥の方から声がする覗いてみるとそこにはゲンシねーちゃんとでっかい犬さん方や不良っぽいおねーちゃんと昨日の三角定規だ(三角定規とんがるとんがる)三角定規の神力が膨れ上がるゲンシねーちゃんも戦闘かとあたし達も顔を引っ込めようとすると不良っぽいおねーちゃんが三角定規を掴み止める(やめちゃう?やめちゃう?)そのまま病院の外へこれ以上は追えない「おれ運が良いなぁ」振り返ると屋上の長い椅子を独り占めして大きく座りながら本を読むパジャマ姿の男性がいた本の隙間から此方を覗き見ながら「どうしようか生け捕りと言われているが、この神力そそられるな本来ならすぐ報告何だがどうするかな」男性は本を閉じ「きーめた、やっぱ喰らうことにするよ」ぞくぞくと悪寒がする(コワコワイヤイヤ)アタシの後ろで震えている巨大なひとりごとかもしれない病院内ではさほど珍しくない見るからによれよれのパジャマ姿長期入院で心が弱って「んーでもなーあそこの女神様はイカレテルッテ噂なんだよなー」女神様頭の中であのフランス人形の冷たいお姉さんが思い浮かぶイヤイヤ変なクスリか何かでそれにアタシは目の前のパジャマ姿の男性を見つめる「おいおいオレに何か着いてるか幼女に興味は」間違いないパジャマ姿からは何のその時パジャマ姿が止まり「それともオレからは感じないのが気になるか……神力がよ」両方の手を広げ「ほらほらオレのどこから神力を感じる」そういうパジャマ姿からは確かに神力は感じない不気味な程に「さっきの″ゲンシのねーちゃんも″その支神である狗神も感づきゃしないまぁ感づけないように細工はしているが」殆ど言ってることは分からないけどパジャマ姿が人じゃあない?であろうことは分かる男の手がアタシに覆いかぶさる遊神が震えながら耳を塞ぎ蹲る男はそのままの姿勢でアタシの耳元へ「お嬢ちゃんは巻き込まれただけだろ(すぐ横に目線をずらし)それを宛がわれいや押し付けられた(囁くように)だがお嬢ちゃんはもう物世界に帰って来たつまり別に義理立てる必要は無いだろう」耳元で囁かれるその言葉はとても魅力的だ普通の人間ならなし得ない偉業だの世界を救う等の義務ではない投げたっていいんだそんな思いもあった其れを見透かしたように囁きは続く「さっき言ったことだけどあれは言葉のあやさ実は監視されていてねああでも言わないと僕の立場が無いんだ大丈夫その子の身の安全は保障する必ず守ってみせるだから僕を信じてくれないか」その言葉はアタシの耳に優しい大人が道に迷っている今にも泣きそうな子供に手を差し伸べたそんな感じだ「アタシは」真横にあるそのパジャマ姿を覗こうとするが「ぬっ!」パジャマのお腹の部分が凹む真下の腹を目を降ろす「チガーウちがーう!」お腹をグリグリ回転してしまい袖をブンブン「遊ばなーい遊びたーくない」そのまま後方へアタシとパジャマ姿の間に割って入る遊神お腹を抑えながら「君は何時まで戯神様から逃げきるつもりだ!」唇を噛み締めながらパジャマ姿を睨むその表情に一瞥しつつも、アタシの方を向き「確かに彼女と出会ったのは移神のおかげかもしれないだが」大きく地面を蹴り占めて唇を睨みつける駄々っ子に対し真っ直ぐに眉間に皺を寄せながらアタシの胸ぐらを掴む「キミが頼ったものがどのような結果になってきた」当然ながら大人と子供アタシの体は宙にぶら下がり「キミが安易に放った一言でどれだけの嘆きを叫んだ」パジャマの胸ぐらを掴んでいる手を両手で必死に振りほどけ…振りほどけ…急に力がこもり襟が手の握りに吸い込まれるように……意識……が…遠の「礼分(遠のく意識の中頭の中に浮かぶあの時引きずられているものにかけられた言葉)そして今も苦しむ飼玉」片腕でアタシの意識を奪いつつもそのままかがみ込む震えながらも見上げていた遊神と同じ姿勢になり向き合うように彼女の目の前に「しぃー」噛み締めていた上と下の唇を離し飛び出したその言葉をパジャマのズボンを握りしがみつくように(そう…か)ゆっくりとした口調で目の前の迷子に「さぁ帰りましょう(どう…りで)しぃーの元へ」アタシを持つ腕とは違う腕をゆっくりと差し伸べるその笑顔に迷子は袖を差し出……遊様をどうかどうか!……アタシは首を左右に不利少し緩んだところにパジャマの手を目掛け噛みつく目を瞑り何も考えず上歯と下歯で硬い物を噛み締めるイメージだ歯を食い込ませるその痛みは腕から体の中心へほんの一瞬で駆け巡り頭の頂きに反射的に反対の腕がアタシの頭を掴み投げ飛ばされる「信じてー!」自分でも驚く声は屋上に響く「札分を、飼玉を(遊神を見ながら)あなたの遊び相手を」遊神に光が戻るパジャマ姿の胸から下げるケータイが鳴る「ちっ、ここまでか」そう言い残して病院内に戻っていくアタシにはあのケータイ?が何なのか何となく分かったこの感じだんだんこの病院に近付いてくるここをつい先程飛び出していったあの三角定規だけど前よりも力が大きくなってるどういうことだろう?分からないけどその後方少し弱いけど多分少し遠い?これはあのでっかい犬とゲンシねーちゃんだ、だからパジャマは退散したってわけかそんなことを思いながらアタシは自分のベットに戻った三角定規、ゲンシねーちゃんが帰って来た理由も知りたかったけど疲労している遊神を連れて今回のこともあって守らなきゃということもあり臆病になってた。後日例の部屋はもぬけの殻退院したみたいだ。部屋への帰り「よぉ」そんなアタシに声をかけてきたのはパジャマ姿の男だ体には怪我をしたような後は見当たらない「何だオレの外見が気に入らないか?ギプスや点滴もしてないしなだが正真正銘この病院の入院患者だぜ」上から見下ろすその表情には嘘はなさそうだ「大声出しますよ!」ジト目で見返す「わかったわかったこの前は悪かった少し話しがしたくてな」罠とは思わなかった。

屋上あまり使っていない離れの屋上だ「ここなら邪魔はないから」その言葉に身構えるアタシと遊神「ちょいまちもう分かってると思うが”オレには戦う力はない”」その言葉にアタシは理解出来ていただからあの時腕力を使ったんだそれに今もそうだけど目の前の人物からは神力は感じない神力ってのは増えたり減ったりするけど無くなったりはしないあの時のケータイ?のようなものからこの人は神力を感じることは出来ない「君たちが本来の力で戦うとオレに対抗する手段が無いのさ」首をすくめやれやれと振る彼に「でもあなたが言ったことは間違ってない」そうだ知識や情報は本物だ其処いらの一見中二チックな言葉も神約を交わしたり神世界に行ったアタシには聞き覚えのあるフレーズが並ぶ「そうだな隠していては話にならないかいいんだろう話そう」そう言うと建物の角に椅子のように腰掛け「オレは神だ……とはいえご覧の通り(両手を広げ)神力は無い正確には取り上げられている遙か昔オレは神世界において禁忌を犯した其れは神世界において認められることのないことだ当然抗ったが”ゲンシ”に捕らえられ罰を与えられた、いや今も与えられてる真っ盛りだ(片手を大きく開きパーの形を作る)これだけだ神約聖書がオレに与えた罰は」手を見て「五回?五つ?五本?」頭を下げ深くため息を漏らしながら「五十回だオレに与えられたのは”人縛”(うなだれたまま口だけが動く)神約聖書の与えた罰としては重い方だな簡単に言えば″物世界での転生″と言ったところだ神から神力を奪って人として転生して己の行いを悔い改めるしかも五十回もだ(今度は空を仰ぎながら)まだ半分ちょいってとこだ病気で苦しむ一生もあれば周りが居なくなり孤独に終える一生もあった血と火薬が混ざった戦場は今の状況を忘れられてよかったりまあ色々あったそしてこれから先もという風に″記憶と知識″は残るようになってるだからこそ神世界についてのこともある程度識っているわけだ」首をコリコリと左右に振りながら真っ直ぐ此方を向き「それで本題オレとしてはお前さんにはこれ以上チョッカイ出すつもりはない」その言葉に半信半疑だ目の前のパジャマには神力はないこの前のように腕力を使えば例えばさらって拘束など考えられるけどここは病院本気で助けを呼べばこちらに分があるそんな頭で膠着状態を見かねたのかパジャマ姿のボタンを上から外すアタシは顔を真っ赤にして手で覆い隠すそれが面白かったのか隣の遊神も顔を隠す「なっなっなニャっを叫びますすよ」チラチラ指の中から垣間見るそこには骸骨を思わせるような骨組みがあらわになり腹は途轍もなく凹んでいる開かれたパジャマ「昨日の襟を絞めるのは息切れするかと思ったけどな、この通り今の転生時間は長くねぇんだそれでも痛ーのさ毎度毎度ばかみてーに(パジャマのボタンを留めながら)それでチョイと魔が差しちまってな」そんなパジャマに「そんなこと言うためにここへ」上まで絞め終えると「昨日やったことのってかこれも神約聖書のバツかなってなそう思うとコワくなってな転生回数増やされてもたまらんしな悪いことの代わりに良いことしてチャラにしときたいのさ次の転生までにな、オレの知り得た知識と情報をお前さんにってね」アタシは識りたいことはいっぱいあったが胡散臭く信じれずその場をあとにしようとしたとき「神約しているが昨日何故使わなかった?使えなかったと言うべきかな」アタシの足が止まり「神力も持たない者のオレが何故そこの大人用長袖パジャマが認識できるか(パジャマの中から首から下げてある機械を取り出す)此奴はこの前の転生の時にオレに接触してきた奴から貰ってるもんだそいつは何でもこちらの物世界でオレみたいに神約聖書により罰を与えられたものや自分に賛同する者を神、人、死人問わず集めてるらしいしかも大分前からな、で仲間にはならないと断ったんだがお守り代わりに此奴をくれたって訳だ貰うのは今回で二回目だ転生先まで把握してやがるから恐れ入る今回の此奴は体の痛みも軽減してこうやって本来ならさっき見せたようにあばらむき出しのベットから動けもしねーような体もこうやって動いている、だから(胸から腹を摩り降ろしながら)忘れちまうのをこうやって久しぶりに触れて思い出すだからよ、こっからはお願いも含めるぜお前さん達が戦える力ってのをつける手伝いをさせてくれ(両腕を両膝に当て頭を垂れる)頼む!」そんな彼の耳に「護れますか……あんなオシッコ漏らすかもって思わなくなりますか……あんな冷たい目で睨まれても動けるようになりますか……遊神を護りたい……(その場に跪いて両手を揃えて、すぐ横に遊神も同じ姿勢になっている)……はい!」大きく発するその声は屋上を突き抜ける風が掻き消してしまった。其れから二週間後屋上にはアタシと遊神のみだ昨日の夜一通り教え終えたパジャマ師匠は二十五回目の転生を終えた、パジャマ師匠には神とは何か一通り教えてもらい神約つまり遊神の神力の使い方を教わった後は………言師……いこう遊神……アタシはこの日病院を退院したのだった。

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