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イタタと起き上がる大奥様に「どうしてどうしてあんな無茶を」そう声をかけたのは言師に支えられ意識を取り戻していた白薺だったまだ要件が飲み込めない幼龍だが白薺の問いは続く「三角錐の反対側は無防備に近かったはずわしに攻撃される危険もある其れをお前さんを背負い続け自分がやられても踏ん張り倒れないようにした言師の性格から今回の件を提案したとは考えずらい今回の件お前さんが立案者だろ」その言葉に言師の持っている長くなった帯を回収しながら「死人だからかの、そこの小娘がわしを置いて戦った方がよかったんじゃろうがそれでもわしがこの場にいれば必ず狙われることは変わらんむしろわしならそうするだからこそ後はわしに狙いを定めどうすればわしを餌に御師を釣り上げるかを考えただけじゃよ」帯を結び直し「それを言うなら御師は何故わしを直接狙わない確かに言師の方を中心に戦うことは戦略というよりはプライドかのだが其れにもましてとても楽しそうだった」確かにあの時も感じたが第二世代は戦いの最中なんていうだろう言葉に詰まるあたしの頭を見透かしたように「まるで昔の友と語らっているように」その瞬間高笑いとともに「死人も中々やるでしょう白坊」その呼び名は辞めて貰いたそうだったが、「わかったらどうするの?」っと白坊の方を見上げる小っこい第一世代にあたしの肩に手を乗せたまま「申し訳なかった」すかさず「何をですか?白坊」ほらパパも謝るの見たいに見えたそれに対し「数々の非礼申し訳なかった」その態度に「あんたはどう答えんの?」と大奥様に迫る娘さんに頭を下げごめんなさいという態度を示したそれに納得したのかわんわんさんを探しにふらふらといなくり白坊と幼龍もそのあとをついていった。「やれやれ何だかんだで龍神というのは上の者に従うのか」と言いながら彼らとは別の方向へ大奥様の探検心が刺激され迷子へ一直線の予感「もう、勝手に動かないで」と言うあたしに福禄寿は自分は他の方々の案内があると言うのであたしと鎖ねーさんは大奥様のメイドがてら追いかけていく。……「見失った」ポツリとこぼすその一言に「あの体でこんだけ動くとは、はなからあたし達を巻くつもりだったんじゃない」あり得ないと言えないあの時の提案を鵜呑みにしたわけじゃないでも「経緯は分かりませんが単独行動は見過ごせませんね」手分けして探すことになった。この社はさっきの新人ガイドさんの話ではないが、中が上へ下へと入り組んでいる通路が多く先程のような広間が点々とある形だ、普段ならさほど探すのに焦りはしないけど今は神世界の各地から色んな神々が来ている大奥様は頭は回られるだろう切り抜けられなくはないことは、駄目だあたしが一番よく知ってる焦る気持ちとは裏腹に入り組んだ道を当てもなく進みあがると段ボールのような箱が二つ並んで広間の真ん中のある置いてある辺りを見渡しても誰も居らずすると「これはいいところで出会ったその声は言師殿では?」箱の片方から声がするするともう片方から「ほら待っていてよかったでしょう」との声が「えーっとまずどちら様ですか?」その問いに右の箱が「私です雷鼠神の山月ですよ」ですよと言われても「あの秘書さんはそれに丑神様は?」項垂れながら(見た目わかんないけど)「それがここに来る途中……「就いたのここが社か」見上げる丑神彼のデカさからしてもやはり社はデカいそして彼の背には似つかわしくない小さな箱が背負われていた社に向かうため丑神が雷鼠神の街へ宝玉ママと子供の秤輝と伴に向かい彼女達を神質?にとり社へ向かおうとしたが現れたのは今背負っている箱の中から声のする山月?だった中身が本物か疑問になり振るったが数秒で「お願いなので辞めてと」強く懇願され中からする音も軽くなかったので信用したのだがそんな箱の中から「どうしたのですか?着いたのですか?この箱にもカメラだのをつけていたがあなたが壊してしまいおかげで元々外からの攻撃を防ぐために継ぎ目をなくしたことが裏目に出て外の様子を伺え無くなってしまったんですよ「わしが足になる問題ないわい」ため息をつき「まぁこうやって会話できているので音は通すし神力も感じられるお互いのメリットのためにもとにかく早く済ませて帰りましょう」まったくだと然しこの広間に差し掛かった時感じたのことのない神力を感じました外からの声は親しげに話す声がしてその場にドスンとおかれあれよあれよという間に丑神様ともう一方の神力はこの場から遠ざかっていきました秘書もおらず途方に暮れていたところに外から「何故箱の中に入っている?とえーっと」ともう一つの箱に向かい「私は箱の神です」いやいや写神ですよね何故箱を写したんだろ(おそらく元に戻れないんじゃないの)心の中で弁天がつぶやく(この社はあたし達七福神以外の神力を一定以上封じる効果があるの)じゃあさっきの戦いは龍神は本気じゃなかったんだ。ほーちゃんが続ける(箱を写したはいいけど戻れなくなったんじゃ)「箱神様その状態から何とかなりますか?」その言葉に「無理かな」図星なのか取り敢えずあたしは箱を二段に積み上げ背中に背負う「まずはいなくなった丑神様を探さなくては、その話していた相手に特徴は?」当てもなく歩きながら箱から「くぐもっていたのではっきりとは聞こえませんでしたが下の方から声がしてましたので丑神様よりは小さいのでは?」うーん福禄寿かな?(それはないの先程の話から丑神はこの社に来るのは初めてじゃそれに彼奴が箱の中とはいえ神力を感じないはずはない)そっか、すると箱の中から「知り合いではあったみたいです戦いになるとかよりもあってすぐにあたしを降ろしたみたいです」だったら鎖ねーさんじゃないかな然しほーちゃんが(それはどうなのかな不鎖ならあの時おいらたちと一緒に獸神の代表を決める場所に居たはず丑神が大事にしている孫娘の件もあるんだな山月がいないのを不思議に思うはずなんだな)だったら丑神だけじゃなくここにいる神様で丑神様の知り合い免職があるだけじゃなく意気投合出来るわんわんさんか「狗牙様では?箱のことも知らなかった訳だし」その答えに「多分違うと思います同じ獸神ですが丑神とせがれ様はそれほどの中ではありませんそれに私はせがれ様の声は知っています」確かにわんわんさんのことを丑神様も″せがれ″と呼んでいた先代の獸神長の息子に対しては馴れ馴れ過ぎるうーんと悩むあたし今までの流れを整理する声はくぐもっているとはいえ山月様が知らない声だったということ、丑神様にとってはとても親しい相手だということ、背は丑神様より低い処から聞こえたこと!「その相手はどちらから来ました?」その答えに「声は言師殿と同じ方から」そうか一緒来た相手これも大事だったんだその時聞き覚えのある大きな声が近づいてくる「どうやら置き忘れたことに気づいた見たいですね」箱の中から「じゃあ相手が誰なのか解ったんですか「はい一つ背丈関していえばあまり低くはありません丑神様程ではありませんが今言ったメンバーより高いです勘違いの原因はこの社の作りですここは上下への通路が多く知らず知らずに傾きがあるんですなので相手が斜め下にいれば視界を防がれてるので音だけでは下から聞こえた訳ですなので背が低いと勘違いした。つまり相手は、がたいの良いということになる二つ目、神族を超えた関係だったということです。普通ならそこまで親密な仲だと過程すればおのずと同じ神族だと考えるはず然し一見」そこへ「済まん話に夢中になっての」と丑神様が現れ傍らには「何じゃ何で御師がおる?」という宝石王がその場にいたそんな宝石王に「この社に写様にそこの箱神様を紹介いただいた訳でして」なるほどと納得した宝石王ねぇと箱神様にですよね取り敢えず話を合わせる写神様もとい箱神様、すると箱から「然し何故そこの八百屋の神なのですか」かがみ込み「丑神様の娘さんの旦那さんつまり今あなたが預かっている孫娘の父親何です、まぁおせいじにも仲はさほど良くはありませんでしたが」「秤輝」その言葉に箱神様もあぁーと頷き「そうかわいい孫娘であり曾孫である宝物に夢中になったてのが今回の顛末でしょう」一通り説明し終わると皆を連れて宝石王が中央の広間に連れていってくれた「わしは一度通った道は忘れん」と自信満々だ取り柄って解んないもんだ。広間に戻ったが鎖ねーさんも探していた大奥様も帰っておられずあたしはもう一度あの社のダンジョンへ向かわなければならなくなった……「ついてきてもらってすいません」と斜め上の宝石王へ話しかけるあの後手荷物その一こと山月様を丑神様に返却して元に戻れない手荷物その二こと箱神様をもどしてもらおうと福禄寿様に預け今は手ぶらでダンジョンに出発といいたいところですがまた迷子になりそうなので、道を憶えている宝石王についてきて貰っています「まさか丑神様までこちらに来られているとは」あなたの娘さんとお孫さんが人質ならむ神質に取られているとは丑神様も宝石王には言わなかったみたいだ「時になぜおまえが秤輝のことを知って居る?」こっちに連れてきてよかった「えっーとですね」どうしようわんわんさんにきいたってそれじゃあ言師とのつながりが、下手にしゃべって神質のことバレたら色々とやりにくくなる「傾じゃな、彼奴自分達の子供のことお前さんには世話になった話したいと言うておったのまあ親としては我が子を自慢したいのはわかるがの」都合の良いように取ってくれると助かるとにかく宝石王がいれば迷うことはない「宝石様はここで何をされていたのですか写神様は?」段ボールになった経緯はわかるが写神の傍にはあの時宝石王はいなかった「あの後ここの会に出席するのは写神様に決まったのは知っているな」興味のない勾神様、戦いの火種を創りそうな劔神様、彼等より比較的話になりそうな写神様が代表になったのだ「だが問題はお供を誰にするかなのだ話し合いの末わしになった」よりによって別の意味で火種になりそうな「出発の時なんと現れたのは誰じゃと思う?」そのままあたしを指差すまさか「御師と同じ顔に声まっこと驚いたわ」呆れ顔で言う宝石王一度あった相手を写せるって事なのかな(何か条件はあると思うんだけどな)上ったり降りたり当てもなく進む「この社についたのはこの前だ少し目を離した隙に社の入る手前までは一緒だったんじゃが」社に入る前にあたしから別の何かに写した?(そのあと中に入ったってことは中の誰か入りやすい相手になったのはいいが社の力で最初に箱を写してしまい動けなくなったまあこんなとこかの)これで話はつながったけど「それで宝石様は社の中を探索したとそれで丑神様と会うまでは他に誰かと合わなかったですか?」即座に「会っていない」それだけここは広いのか……「ここにも居ない」広間を片っ端から捜している不鎖だったがまだ大奥様は見つからず「見つけてどうするの?」どこから現れたのか広間の端に不鎖と同じ格好をした無形神の国にいた女の子がいた「会に出席させる」ちょこんとその場に座る「いつか転生するのに?」仰向けになり寝そべる「しちゃっても」上目遣いに「ねぇいっそ無くしちゃおーよ」不鎖は立ち止まり「無くしても解決にならないわ」頬を膨らませ「だって今回だってあたしを消そうとしたし七福神にもトキにも任せらんないし」不鎖は少し後ろに首をひねり「言師もいるでしょう」くるりとうつ伏せになり「おねーちゃんも人でしょう」正面をむき直し「ただの人じゃない」起き上がり後ろを向いたまま「えーただの人だよトキの力とちょっと運がよかっただけの」不鎖の目の前に現れ笑顔で「あたしがやっぱ神世界をううん物世界も支配して」そんな言葉を和やかに発する横を通り過ぎる不鎖「結構本気なんだけどな」という女の子を放っておき次の広間に向かうすると「見つけた!」そこには歩き疲れたのかぐったりと横になる大奥様が「勝手に動くなあの子が心配していた」その言葉に「今回の一件お前さんはどう思う?」そんな質問には応えず「あたしは布袋みたいな神力はないんで鎖で引っ張ることになる自力で歩いて貰うと助かる」意に関せず「神世界への警告というのは言い過ぎかだがいいきっかけになったのも事実だ」投げかけられる言葉を不鎖は気にもとめない「動く気が無いなら言師の到着を待つか」「ならば帰って死人を集め一つの大きな勢力にして探せばいいこの世界のルールの外に出る方法をそうだ各々の街の力いやそれだけじゃない神の中にもこの世界の外へ縛られない世界を望む者がたくさん」「ほらやっぱり死人なんてあたし達の世界を壊そうとしてる」現れたのはさっきの女の子だった「壊すんじゃない破るんだルールから神様からそれ自体から」女の子から神力が膨れ上がる「でもその結果この世界はなくなるだ今いるもの今ある者そんなのはいらない」女の子の腕が前の大奥様を捉える「だが先に進まなければ……」次の瞬間大奥様の大きな体は跡形もなく消えていたただその前にはさっきの女の子ではなく不鎖が前に突き出したであろう手のひらを横に払っている姿だけがポツリとあった。




