束の間の休息
時間があまりとれないので、不定期更新になりやすいです…
それでも、少しでも読んでくれる読者様方の為にも、できる限り多く更新していきます。
へぇ、ここが亜人の街なのか。なかなか活気があるじゃないか。しかし、見てるだけで面白いな。やはり亜人でも十人十色なんだな。
でも、人間である俺が入ってもいいものなんだろうか。いきなり因縁つけられ、挙句殺されましたじゃ笑い者にもなれない。
「あー…えっと、この街に入ってもいいのか?」
「まだ自分の心配をしてんのかよ、少し位腹ァ括れや」
仕方無いじゃないか、一応は敵地ど真ん中なんだぞ?心配するなって方が無理だろう。
「それにな、別に人間全てを嫌ってる訳じゃねぇんだ。たまにな、居るんだよ。捨て子とか、あんな奴等からさえも見限られたような奴とかな」
「憂さ晴らしとかいってその、なんだ。そういうことは、しないのか?」
「確かに無いとは言い切れねぇが、それが推奨される様になれば、それこそ奴等と同じに成り下がっちまう。そんなのは、俺達の誇りが絶対に許さねぇ」
へぇ、中々情にあつい奴じゃないか。人間側にも、こういう奴がいれば戦争にはならなかったのかもな。
「そんなことより、さっさと街ン中入るぞ」
「早く行こうよ直継、僕お腹へったなー」
なんだこの天使は、欲に忠実過ぎるだろ。よく偉い立場にいれたもんだ。
「むぅ、なんか馬鹿にされた気がする」
おっと、なかなか勘が鋭いな。気を付けないと、そのうち心を読めるようになるかもしれないな。
「そう言えば小僧には名乗って無かったな。竜人族のライゴだ。よろしくな」
「あ、ああ。よろしく」
「一つ気を付けて欲しいことがある。俺達と似たようなのに蜥蜴族ってのが居るんだが、俺達と一緒にしないで欲しい」
なんだろうか、大方自分達に誇りを持っていて、似てる様だが位が違うとか言って、迫害している様なパターンか?
「今では大分良くなったんだがな、まだ頭の固い奴がいるんだ。気をつけてくれな」
「ああ、分かった」
昔、鳥の話で似た様なものがあったからな、似た様な感じだろう。その流れで行くと、蜥蜴族ってのはもうじき星にでもなるのだろうか?
「おい、小僧の番だぞ」
「……え?」
「俺が何の為に名乗ったとおもってんだよ!早く名乗れってんだよ!」
あ、普通に忘れてた。ていうかそれもこいつが色々喋ってたかじゃないか!まぁいい、普通に名乗るか。
「俺の名前は天野 直継だ」
「そうかそうか、変わった名前だな。よし、これからよろしくな、小僧!」
おい!名乗った意味が無いじゃないか!あそこまで聞いといて、小僧とか呼ぶんじゃねぇよ!聞きたがるなよ!
「ねぇ、まだなのかい?その、目的の場所という奴は。僕はもう空腹で倒れてしまいそうだよ」
「おう、悪いな嬢ちゃん。目的地はもう目の前だぜ」
前を見ると、そこにはデカい建物が鎮座していた。そして、その建物には様々な亜人達で賑わっていた。
(飯屋にしてはやけに大きいな、他になんかあるのか?しかし、まだ夜にもなっていないのに、良く人が入っているな)
「ここが目的地なのかい?ってことは、ここにご飯が!?」
「おいおい嬢ちゃん、そんなに慌てんなって。急がなくても飯は逃げないさ」
よく見ると、入っていった人達は、別の部屋や上の階に登っていくようだ。で、この堕天使の目的の飯屋は、この建物に入ってすぐだった。
「はやくーはやくー」
「はいよっと、じゃあまずは此処に座ってくれ」
「で、ご飯はどこだい?」
「じゃあ、この冊子から食べたい物を選んでくれ」
色々あるな、どれにしようか悩むが…
文字が読めない!何なんだこれは、絵付きのじゃないと怖くて選べないぞ。
「これ!」
「お、おう、分かったが、これでいいのか…?」
「いいの!」
見ると、様々なおかずが乗っている中で、真ん中に盛られてるご飯らしき物の上に旗が飾られている。
なんとこの堕天使、お子様ランチを選びやがった!やはり唯の翼付き幼女なんじゃないのだろうか。
「あー、じゃあ俺はこれで」
「よし分かった。おーい、注文を頼む!」
「はい、ご注文がお決まりですか?」
「これと、これと…これを頼む」
「はい、それでは少々お待ちください。」
ウエイトレスみたいな人が注文を取り、去っていく。翼が生えてたし、あれが天翼族とやらなのか?よく見ると、翼の他にも色々と特徴があるな。この堕天使とは全然違うな。
「小僧、そんなに俺達亜人が気になるか?」
不意に、そう言われた。そんなに観察した憶えは無いんだがな。見られる側はそうでもなかったのだろうか。
「あ、ああ。見たことが無かったからな」
「それなら気になるかもしれないが、あまりジロジロ見るなよ。一応俺達は人間共と敵対しているんだからな」
「分かった、気をつけよう」
わざわざアウェーで問題を起こす程馬鹿じゃない。出来るだけ穏便に済まそう。
「お待たせ致しました」
どうやら料理が届いたようだ。ただ、さっきのウエイトレスが運んで来たのだが、抜け羽とか衛生問題にならないのだろうか。
「……と、こちらがお子様ランチになります」
「…え?」
この堕天使、やはり気付いていなかったか。やはり翼付き幼女だな。
「はっはっは、まぁ嬢ちゃんにはお似合いだな」
「むぅ〜!僕を子供扱いするな!!」
まぁ、楽しそうでなによりだ、それより、このラーメンみたいな物を頂くとしよう。
「…いただきます」




