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冒険の幕開け・中編

投稿が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。


※準備回です

 登録を済ませた俺達は、最後に冒険者の規則みたいなものの指導を受ける事となった。


「最後に冒険者としての注意事項を話すわね。まずはランク、これはEからA、その上にS、Hと上がるわ。まぁ、過去にHまで上がった人はいないわ。それで、昇格条件は、こちらが指定するいくつかのクエストを受けてもらうだけよ。あと、A、S、Hに上がるときには、クエストとは別に 昇格試験を受けて貰うわ」


 ほぉ、中々しっかりとした作りをしているものなんだな。簡単に上がることは出来ない感じだな。


「それと、クエストにもランクがあるわ。受けられる範囲は、自分のランクの一個上から一個下までよ。貴方達なら、EとDの二つよ。これは、初心者が死なない様にとの配慮と、上級者が狩場独占しない為のルールなの。破る事は無いとは思うけど、気をつけるのよ」


 まぁ、これはある意味で当然のルールだろう。ルールじゃなければ、マナーとか暗黙の了解とかそんな感じになっているのかもしれないな。


「次に、冒険者同士の争いは斡旋所は一切触れる事が出来ないわ。例えそれが依頼の取り合いだとしてもね。争いが大事になると、騎士達の出番となるわね」

「騎士達?」

「そう、この国の治安を守る、暗黒騎士達よ」


 何だそりゃ。なんかHPと引き換えにダメージのでかい攻撃をしてきそうだな。挙句、山登りをしたらパラディンになったりして。


「その暗黒騎士には、生半可な強さではまず瞬殺される位には力量の差があると思ってくれていいわ」

「そんなに強いのか?」

「ええ、ランクSが漸く一対一で勝てる位だわ。ただ、そのランクSもそんなに人数がいないのよ」

「ランクHだったら、どうなんだ?」

「ランクHの場合は、まぁ止める手立ては無いわね。多分束になっても勝てないんじゃないかしら?」


 おいおい、飛んだ化け物じゃないか。人間やめてるぜ。

 って、人間じゃなくて亜人だったな。いやいやそうじゃなくて。


「ランクHの奴が暴れたりした場合、どうしようもないじゃないか」

「貴方、あの事件を知らないの?まぁ、人間なら仕方ないのかもしれないけど」

「あの事件?」

「ええ、1人のランクH冒険者が、ある日壊れたのよ。そのお陰で、小国が一つ潰れたわ」


 まじかよ、1人で国一つ潰したのか!?そんなもの、止められる訳が無いだろうに。


「で、どうなったんだ?」

「ギルドはこれを災害と判断し、緊急依頼『魔王討伐』として扱ったの。そして、騎士団と協力して撃破に当たったわ」

「それで、倒せたのか?」

「多大なる犠牲と共に、ね。全く、あの事件の所為で騎士団に頭が上がらなくて困ってるの。はぁ…」


 とりあえず、今はその魔王とやらの被害を受ける心配は無い様だ。そんな災害に怯えるなんてご免だな。


「これが最後よ。さっきも言ったと思うけど、緊急依頼についてよ。これは、参加条件を満たした全ての冒険者に参加義務がかけられるわ。余程の理由が無い限り、断る事は不可能と思ってくれていいわ」


 成る程、本当に読んで字の如く、緊急な依頼なのか。


「以上で注意事項はおしまいよ。他に分からない事があるなら、その都度聞いてくれていいわ」

「分かった、ありがとう」

「これも仕事の内よ、構わないわ。あと…これを渡しておくわね」


 と言って、小さめの皮袋を渡してきた。


「何だこれ、何も入って無いぞ」

「本当に呆れるわ、貴方常識も持ってないのかしら?これは当然、ストレージ加工されてるに決まってるじゃない」

「ストレージ加工?」

「袋の中の空間を広げる加工よ。その中には、小銭を入れておいたから、冒険の準備位は簡単に出来る筈よ」


 どうやら、お詫びに、とのことらしい。まぁ、有難く受け取っておこう。何せ、無一文だからな。


「それじゃあ、明日も良い一日を」


 ということで、晴れて冒険者の一員となる事となった。




「で、どれがいいんだこれ」


 現在、斡旋所内にある店に来ていた。そこで俺達は武器防具、道具などの買い物をしている最中だ。


「あーっとな、小僧達の武器だけは俺のギルドから余り物引っ張って来るから、心配しなくていいぞ。それなりにいい物を見繕ってやるよ」

「本当、何から何まで済まないな」

「いいってことよ」


 さて、ライゴからの贈り物も有難く貰っておくとして、次は防具だな。何にしようか。


「まず防具だが、最初はフルアーマーはお勧めしねぇ。守るのは、要所要所のがいいぞ。下手に喰らう事を考えるより、避けた方がいい事はよくある」


 成る程な、確かにその通りかもしれない。しかも俺の力だと動けない可能性がある。


「小僧なら大体…これがいいんじゃないか?」


 確かにこれはいいかもしれないな。皮がベースになっていて、要所は金属が守っている。


「ああ、結構よさそうだな」

「気に入ってくれた様だな。あとは…これとこれだな。にしてもこのガントレット、力上昇が見込めるから優秀だな」


 力上昇?装備するだけでか?それとも、そんな機能でもついているのだろうか。

 ともあれ、中々良さそうな装備だ。この防具達にするか。


「合計でいくらだ?」

「そうですねぇ、鎧が銀判30枚、小手が銀判15枚、脚装備が銀判10枚で、合計銀判55枚ですねぇ」


 どうやらこの世界では、通貨が判らしい。で、それぞれ銅、銀、金、白金があるんだが、それぞれ100枚で次の単位に変わるらしい。

 話は戻るが、随分と高くないか?この分だと堕天使のも含めると心許なくなる。


「随分高くないか?」

「何言ってんだ小僧、良心的な方だぞ。ただ、これからは人間ってだけで足元見られることがあるかもしれないからな。鑑定眼を強化しておいた方がいいぞ」


 そうだな、日本の様に需要と供給のバランスが取れた所なんて少ないもんな。騙されない様気をつけないとな。

本当なら二話編成のつもりが三話編成に…

次回、きっと戦闘があると多分思います。

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