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その1

 ついに本編開始。

 ここに来る前に、設定は読んできましたか?

 読んできた方も、読んでない方も、拘泥してないでさあレッツゴー

      ✚


 この世界にダイブする前に、俺はトラウマになるくらいここの説明を受けた。


 要約すると、この世界は科学ゾーンと神話ゾーンに分かれていて、互いの立場でいがみ合ってる――という設定らしい。

 科学ゾーン側の人間か、神話ゾーン側の人間かは選ぶことが出来るらしく、それぞれのゾーンでそれぞれ全く特徴が異なるようで、好みによって選ぶらしい。


 神話ゾーンは様々な特色を持つ神と契約して、魔法や神の御業をある程度までつかえるようになる。信頼度というものがあって、それがある程度上がると、領地が貰えるらしい。いいな、領地。男のロマンの一つだ。ただ、古風な服ばっかで、ファッションがダサいらしい。それは嫌だ。


 科学ゾーンは、男のロマン、宇宙戦争ができるらしい。

 というのも、科学ゾーンの場所は宇宙空間らしいので、戦闘は全て宇宙空間で行われるからだ。

 ラ●トセ●バーを振り回したり、ガ●ンダムにのったり、荒っぽいライフルでドンパチやったりで、本当にロマンが詰まってる。超能力もあるらしい。


 というわけで、俺はどちらのサイドを選ぶか選択に迫られていた。

 格好いいし、領土もある神話ゾーン?

 ロマンが沢山詰まった、科学ゾーン?

 それとも……?


「ってなんで三つ目の選択肢があるんだよっ!!」


 俺は表示を見て思わずツッコんでしまった。


 うん、確かにある。三つ目の選択肢。科学ゾーンと神話ゾーンの間に、間違いなく。


 なんだこれ、リベロ? 確か古代ギリシア語じゃなかったか、これ。意味は忘れたけど。


 一応、リベロとかいう奴の説明を見てみる。


「え、何々? 武器を自由自在に変更出来る。あとは、任意で空中を歩いたり、基本アビリティとして身体能力を著しく上げることが出来るだって?」


 そんな滅茶苦茶な。そんなのがあったら誰だってこれになるだろ絶対。

 しっかし、事前説明になかったな、これ。もしかしたらあいつらも知らないだけで、大規模なアップデートでも行われてたのか?


「どうすっかな~」


 俺は本気で迷った。一応選ぶサイドは個人の自由という話になっているが、二人は科学ゾーンを選ぶという話だった。ここは人情としては科学ゾーンを選びたい。話によれば、科学ゾーンと神話ゾーンが互いに会えるのは、週一回の戦争の時だけらしいので、二人と仲良くするには科学ゾーンに嫌でも行く必要があるのだ。


 だがリベロも捨てがたい。

 あんなチート能力、小説とかアニメの主人公くらいしか持っていないはずだ。できることなら、俺だって欲しい。


 くっそー、本気でどうすっかな~と、悩みに悩んで、俺は説明を見て決めようとする。


「うーん、何度見ても魅力的だよな、リベロ。これ使いてえな~」


 駄々のように言って、説明を読み尽くしていると、ある一文にたどり着いた。


「『尚、リベロはどのゾーンも行き来することが出来、どちらのゾーンの戦争に加担しても良い』だって……?」


 おいおい、と俺は思う。

 あまりにも都合良過ぎないか? なんだか逆に疑わしくなってくるぞ?


「ま、でも……疑うのは良くねえわな」


 でも、俺は結局自身の願望を手放せなかった。


      ✚


 科学ゾーン ステーション番号265にて~



「もぉ、遅いよ、ちぃーちゃん」

「全くよ、ちぃーちゃん」

「だからちぃーちゃんと呼ぶなと……。はぁ、悪い。実はどのゾーンを選ぶか迷っててさ」


 雑多に人々があふれる近未来都市で、俺達は仮想空間内で再開した。


「にしても、すっげーよな。おんぼろ自動車から、タイヤが無くて浮いてる自動車まで、たくさんある」


 ここ、科学ゾーンでは戦争で相手を負かすことによって金を稼ぎ、その金で自身の兵装なんかを作っていくらしい。

 当然資金力があるほどより進んだ科学の武器を作ることができるし、逆に資金がないほど、それこそラジオもねえ、テレビもねえ、車もねえ状態になるのだ。

 おかげでいかに現代が恵まれているか、よく分かるのだけど。


「ふぅー、それにしても、皆揃いも揃って科学ゾーンとはねえ。もっとこう裏切るやつがいると思ったんだけど」


 美流久の言葉に、俺はギクッとする。


「本当ね、私も裏切りがいると思ったんだけど。特にちぃーちゃんとか別のに惹かれるかなとか思ってたんだけど、意外ね」


 心臓がばっくばっく言っている。やばい、言い出せない。俺がリベロを選んだなんて言い出せない。



「南嶺ちゃんは何選んだの?」

「私? 私は、そうねえ。兵士を選んだわ」

「兵士ぃ? 南嶺ちゃん、ごついの選んだねえ」

「美流久はどうしたの?」

「私ぃ? 私は超能力者にしたんだよ。ほら、念動力ってやつ? よく見てて――」

「わお。凄いわ、小石が浮かんでる」

「ね、凄いでしょ」

「じゃあ次はあの銅像を浮かばせてみて」

「……ごめん、南嶺ちゃん。そればっかりは無理だよ………」


 二人の声が全く耳に入ってこない。ふたりにこれを言ったら、俺どうなっちゃうんだろ?

 ……いきなり知らない単語が出てきたッ!?

 なんだよリベロって、設定に乗ってないじゃんよーというそこのあなた。実はこれ、学校で考えてきたやつなんですよ。しかも昨日。

 ですが大丈夫。脳内でシナリオ修正したんで、もう心配ありません。

 さて、ちぃーちゃんは二人の幼馴染に何をさせられるのか?

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