その7.5
作者より
本編の番外編。
短い文章ですが、半分(一つの区切りでの)核心を突いてきてると思います。
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科学ゾーン:ステーション265:内縁部:高度1000メートル――
「逃っげろぉー!!」
「ぎゃぁあああ、首締まる首締まる!! 俺腰掴めって言ったよね!? なんでわざわざ首十字仕掛けて来てんの二人して!?」
「ちぃーちゃん五月蠅いわよ。このまま絞め殺されたくなかったら黙りなさい」
「……一応言っておくが、俺が死んだらお前らここ真っ逆さまだからね? どう考えてもお前らの命綱を握ってんのは俺だと思うんだけど」
「「イラッ ギュウウウ」」
「なんで更にキツく締めてくんの? あやば、声、が、掠れ、て……」
「ああああああ!! ちぃーちゃん高度落ちてるぅうう!!」
「ま、このまま空を飛んでいたら現在地が丸わかりだし、空中よりも地表ルートで行ったほうが面白いし、奇襲されてもすぐ反撃出来るから良いわよね」
「そ、そうならそうと、もうちょっと、穏、便なかた、ちで言ってく、れ……ガクッ」
「はりゃああ!? ちぃーちゃんしっかり!!」
ヒュウウウウウ、バカン!!
――結局南嶺達は、タフな千助を下にして地面に着陸した――
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「ムジカさん、やつらの行方が判明しました!! どうやらアンテナに向かっている模様です!!」
「……そうですか。ありがとうございます。では、被害状況は」
「すでに判明しているだけでも十名近く」
「ここでは死者はすぐに消えてしまいますからね……。もうすこし多く見積もって、大体二十五人程度でしょうか」
「二十五人も……。相手は能力によってとはいえ、一人でステーション破壊までやってのけています。このままでは……」
「分かっています。私も最初は生け捕りを予定していましたが、この被害状況では止む終えません。殺傷を許可しましょう。せめてあれが他に渡らないように私達で始末しておくのです」
「わかりました。通達しておきます。ですが……到底勝てるとは思えませんが?」
「それも分かっています。都合のいい事に、彼らの目的地はアンテナです。なら、ちょうど”BF-02”が使用できます」
「”BF”!? それはステーション2との戦闘で破壊された筈のものでは?」
「ええ。今回のものは、それを派生させたものです。ちょうど地下に待機させてあります」
「しかしあの機体はエネルギー消費が半端じゃないですが」
「大丈夫です。それを解決するための方法は用意してあります。何の為にアンテナの近くに待機させていると思っているのですか?」
「アンテナの地下には……。そうか、分かりました。これなら間違いなく勝てますね」
「ええ、そうですね」
「ようやくあの偽善者を滅ぼせると思うと、とても清々します」
なんか裏側も騒がしいな。ムジカの野郎、捕まえてくると思ったら今度は殺しに来るのかよ。まっすます何がやりたいのか分かんねえぞ!?
――ここは南嶺のコーナーだろうって? ……番外くらい出たっていいだろ!!(泣)
byちぃーちゃん(なんでここまで『ちぃーちゃん』なんだよぉぉおおお!!)




