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三角定規  作者: 江角 稚
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「俺」と「奴」で別れる話

前回の投稿から12日も空けてしまいましたね...

お楽しみ下さい!!

二人は、いつもの交差点まで来てしまった。


「じゃあな」


奴は今まで手で押していた自転車に跨がる。

かごに乗せて貰っていた荷物を受け取ると、俺は心まで重くなる気がした。




あぁ、女って面倒だな。


つくづくそう思うことが、時々ある。




女であることで得をする人間なんて、一握りの美人くらいだ。


そんなことを考えながら、俺は奴と別れた。




この交差点を超えたら、俺は一人になる。


一人で、帰ることになる。




つい、振り返ってしまった。


何となく、寂しくなって。




奴は振り返る様子を見せない。

ますます小さくなって行く、背中。




まぁ、分かってたんだけれど。

それでも、期待しちゃうじゃん?


だって俺は、一応。

仕方ないけれど。




女の子、なんだから。




奴が角を曲がる直前、手を上げた。

振り返ることもせず、ただ、手を上げた。


そのことが嬉しくて、ただ嬉しくて、俺は手を振り返した。


「キザな奴め」なんて、思わなかった。

ただ純粋に、嬉しかったんだ。




奴には見えていないと、分かっていながら。

俺は手を振った。


奴は、俺が返事をするかしないか分からないから、振り返らなかったのか?

いや、返事が来ると信じて、あえて振り返らなかったのか。




ただ、奴は器用にも、自転車のハンドルを片手だけ離して手を上げた。

それは、俺への別れの挨拶、だよね……?


嬉しさが込み上げないはずが、なかった。




俺は奴の姿が見えなくなった後も、しばらく交差点を見ていた。


本日のノンフィクション...?

片手を長い間離したまま自転車を漕ぐのは、難しいです(笑)

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