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「あたし」と「俺」の話
今回は、自身の中で「あたし」と「俺」が交錯します。
「大原」
俺は奴を呼び止めた。
それでも奴は、待ってはくれない。
振り返ってすらも、くれない。
「……待ってよ」
その呼び掛けにも応じない。
俺は仕方なく、奴のYシャツの裾を掴んで引き止めた。
「どうした?」
奴は何事もなかったかのように、俺に問うた。
"どうした"って……。
そんなの。
そんなの、決まってるじゃん。
"何で、機嫌悪いの?"
聞けたら良かった。
いや、聞けたら良かったのか?
……分からない。
「……何でもない」
ぶっきらぼうな言い方。
私まで、不機嫌になってしまいそうな程。
気まずい沈黙は、作りたくない。
でも……何を話せば良いのか、分からない。
ひょっとして。
俺と彼のこと、嫉妬している?
……まさか。
いや、有り得ないからね?
一生懸命、振り払う妄想。
でも、ちょっとだけ。
ちょっとだけ「そうだったら良いな」って思ったのは、俺だけの秘密。
今回のノンフィク...え!?
短いから、見当たらない?
じゃあ...人間関係は難しいってことで(笑)