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回想
ソウイチはその場から一歩も動けずにいた。
『データベースの人物と完全に一致』
「どうやら本物のようね。こんな辺境の地を担当にされたときは、もうあきらめていたのに……。」
目の前の現実を認めたくなくてただ茫然と立ち尽くしていた。
「逃げようとしない方が良いわよ?」
―――自分はただ平穏に暮らしたいだけだったのに……
「だって、逃げたら無関係な人が沢山死ぬんだからね。」
―――なにがいけなかったんだろうか……。
「確か……生命維持出来てれば手足は無くても良かったのよね?」
『はい。データベースにも記録が残っています』
―――きっと、あの時の電話が全ての始まりだったのだろう……
「恨むなら、あなたの父親を恨んでね。」
凶器が今まさに自分に振り下ろされようとしていた。
―――そう……あの時の父親からの電話が……。