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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第九章 トゥールのラ・ピュセル

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9.5 ジャンヌの装備(3)聖女の剣か、悪魔の剣か

 しかし、ジャンヌが「その剣は幻視の中で示された」と信じていたことは確かである。それ以外の方法で剣を入手・提供されることはあり得なかった。


 ジャンヌの記憶にない(のちに「一度も会ったことがない」と言い張った)トゥーレーヌの甲冑職人が、フィエルボワの礼拝堂にジャンヌの手紙を届けるよう任命された。


 礼拝堂の管理者は、「柄の近くに5つの十字架、または5本の小剣のしるしが刻まれた剣」を彼に渡した。


 彼らは、礼拝堂のどこでその剣を見つけたのか?

 誰も知らない。


 同時代の人によれば、古い剣と一緒に箱の中に入っていたと言う。

 剣についた錆はこすっただけで簡単に取れたので、埋められて隠されていたとしても、それほど古いものではない。


 司祭たちは、剣を取りに来た甲冑職人に渡す前に、大々的な儀式をおこない、丁重に乙女ジャンヌに捧げるように注意した。[824]


 彼らはその剣を、王家の百合の花を刺繍した赤いベルベットの鞘に収めた。


 それを受け取ったジャンヌは「天の幻視の中で示され、声によって約束されたもの」だと認識し、そして、ジャンヌを取り巻く修道士と兵士の小グループにそのことを知らしめることを忘れなかった。

 仲間たちはこれを吉兆とし、勝利のしるしだと考えた。[825]


 聖カタリナの剣を保護するために、町の司祭たちは黒い布製の2つ目の鞘を与えた。ジャンヌはさらに、非常に丈夫な革で3つ目の鞘を作らせた。[826]


 この剣の物語は、広範囲にわたって口々に伝えられ、興味深い寓話が付け加えられて詳細に語り継がれた。


 あるところでは、それは長い間地中に埋もれて忘れ去られていた偉大なシャルル・マルテルの剣だと言われた。また別のところでは、多くの人が、それはアレクサンダー大王と古代の騎士たちのものだと信じた。

 誰もがその剣を高く評価し、幸運をもたらすだろうと期待した。


 その一方で、イングランド人とブルゴーニュ人はこの話を聞くと、真っ先に「乙女ジャンヌが悪魔の入れ知恵を得て、地中に隠されたものを発見した」と考えた。

 あるいは、「王侯貴族、聖職者、民衆を欺くために、ジャンヌは自分が示した場所にあらかじめ剣を巧妙に隠していたのではないか」と自作自演を疑った。

 さらに、「剣に刻まれた5つの十字架は悪魔のしるしではないか」と怪しんでいた。[827]


 このようにして、ジャンヌを「聖女」と見なすか「魔女」と見なすかによって、相反する幻想が生まれ始めた。[828]


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