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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第九章 トゥールのラ・ピュセル

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9.4 ジャンヌの装備(2)聖カタリナの剣

 ジャンヌはシノンまでの道中でフィエルボワに立ち寄り、聖カタリナの礼拝堂でミサを3回聞いたことがわかっている。[820]


 そこには、シャルル・マルテルが彼女に贈ったといわれる剣以外にも、アレクサンドリアの聖女(聖カタリナ)に捧げられた剣が多数あった。目当ての剣を再び見つけるのは容易ではなかっただろう。


 聖カタリナは、トゥーレーヌ地方では「良きトゥーレーヌ人」だった。つねに王太子シャルルのために戦う者たちの味方をするアルマニャック派だった。


 運命のいたずらで死の危険にさらされたり、敵の手に囚われたりした隊長や兵士たちは、他の聖人よりも聖カタリナに救いを求めて祈願した。なぜなら、彼らは聖カタリナが彼らの幸運を願っていることを知っていたからだ。


 聖カタリナは彼ら全員を救ったわけではないが、多くの人を助けた。

 救われた者は、聖カタリナに感謝を捧げるために礼拝堂を訪れた。そして、感謝のしるしに武器防具を捧げたので、礼拝堂は武器庫のようだった。[821]


 礼拝堂の壁には、剣がびっしりと並んでいた。


 シャルル五世の時代から半世紀にわたって贈り物が続いたため、聖具室の係は新しい武器を置くスペースを作るために古い武器を降ろし、どこかの倉庫に保管して、それを売る機会が来るまで保管する習慣があったと思われる。[822]


 聖カタリナは、愛する少女のために剣を与えることを拒むことはなかった。

 彼女は、24時間365日、いつでも天国から地上に降りてきてジャンヌに会い、話をしていた。


 ジャンヌはそのお返しに、旅の途中でフィエルボワに立ち寄り、聖人に敬意を払い、彼女の献身を示していた。


 聖カタリナは聖マルガリータとともに、シノンでもトゥールでもジャンヌの前に現れていたことを忘れてはならない。


 彼女は、ジャンヌが時々「評議会」と呼び、しばしば「声」と呼んだ秘密の集会すべてに出席していた。時には、まぶしい閃光や聖人の頭上に冠が見えていたにもかかわらず、ジャンヌの目よりも耳や心に訴えかけるものだったからに違いない。


(⚠️意訳すると「視覚情報の奇跡よりも、耳に届き、心に響く『声の内容』にジャンヌは感銘を受けていたから」……でしょうか)




 その「声」は、フィエルボワの礼拝堂にある多数の剣の中から一本の剣を示した。


 当時、この礼拝堂の管理人をしていたのは、リシャール・キルトリジアン師とジル・ルクール修道士という二人の司祭だった。二人は、聖人が起こした奇跡の記録に署名する際に、そのような肩書きを名乗った。


 ジャンヌは手紙で、「自分に啓示された剣をくれるように」と頼んだ。

 手紙の中で、「その剣は、地下のそれほど深くない場所、祭壇の後ろにあるだろう」と書いた。


 のちにジャンヌは、それが祭壇の後ろだったのか前だったのかを正確に思い出すことはできなかった。少なくとも、ジャンヌが覚えていた剣の手がかりはこれがすべてだ。


 ジャンヌは、礼拝堂の管理者に、目当ての剣を認識できる手がかりを伝えることができたのだろうか? この件について、ジャンヌは何一つ説明しなかった。そして、肝心の手紙は失われている。[823]


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