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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第八章 続・ポワティエのラ・ピュセル

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8.6 学者たちの結論(1)シャルル七世への報告書

 これらの調査と審議の結果、学者たちは以下の結論に達した。


————————————

 王は、ご自身と王国の窮状を鑑み、平和と正義を愛する哀れな臣民とすべての人々が神に絶えず祈っていることを考慮するならば、『神がご自身を助けるために遣わしたという乙女』を、たとえこれらの約束が人間の仕業に過ぎないとしても、拒絶したり退けたりすべきではありません。


 また、軽率かつ性急に彼女を信じるべきでもありません。


 聖書に従い、2つの方法で彼女を試すべきです。


 使徒聖パウロが『霊を試して、それが神からのものかどうかを見極めよ(Probate spiritus, si ex Deo sunt)』と言われたように、①人間の知恵によって、彼女の生活、道徳、動機をよく調べ、そして、②彼女の働きと神聖な希望のしるしを求めて熱心に祈り、それによって彼女が神の意志によって来たのかどうかを判断すべきです。


 神はアハズ王に勝利を約束したとき、『主からしるしを求めよ(Pete signum a Domino)』と言われました。ギデオンのときも同じでした。その他多くの者も同様です。


 乙女がやってきてから、王は前述の2つの方法、すなわち人間の知恵による試練と祈りによって、神にしるしを求めながら、彼女を観察してきました。


 ひとつめの「人間の知恵」による試練については、王は乙女の生活、出自、道徳、意図を試し、そして6週間の間、彼女をご自身のそばに置き、書記官、聖職者、修道士、兵士、妻、未亡人など、あらゆる人々と対面させ、公私にわたり、彼女はあらゆる身分の人々と対話しました。


 しかし、彼女に邪悪なところはなく、善良さ、謙虚さ、処女性、信心深さ、正直さ、素朴さだけがありました。


 彼女の誕生と生い立ちについても、多くの驚くべきことが伝えられています。


 ふたつめの試練については、王は彼女にしるしを求めましたが、それに対して彼女は『オルレアンの前でお見せします。それより前や他の場所ではありません。なぜなら、それは神によって定められたものだからです』と答えました。


 さて、王は前述の乙女をできる限り試した結果、彼女に悪意は見当たりませんでした。


 彼女の返答が『オルレアンの前で神のしるしを見せる』というものであったこと、彼女の粘り強さ、言葉の一貫性、そして『彼女がもたらす助けが神からのものであることを示すために、オルレアンに派遣してほしい』という彼女の切なる願いを鑑みるに、王は彼女が兵士とともにオルレアンに行くのを妨げるべきではありません。


 むしろ、神を信頼して、適切な状態で彼女をそこへ派遣すべきです。


 なぜなら、彼女に悪意の兆候が見られないのに、彼女を恐れたり拒絶したりすることは、聖霊に逆らうことになり、ガマリエルがユダヤ人会議で使徒たちについて語ったように、ご自身を『神の助けを受けるに値しない者』におとしめることになるからです。[791]

————————————



(⚠️ガマリエル(Gamaliel):新約聖書『使徒言行録』5章34〜40節に登場するユダヤ人の長老。シャルル七世への報告書・末尾に書かれた故事は、キリストの死後、ユダヤ人に殺されそうになったペトロたち十二使徒を、ガマリエルが擁護したときの言葉を指している。


「もしその計画や行動が人間から出たものなら、彼らは自滅するだろう。

 しかし、もしそれが神から出たものなら、彼らを滅ぼすことはできない。

 もしかすると、あなたがたは神に逆らう者になるかもしれない」)


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