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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第八章 続・ポワティエのラ・ピュセル

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8.5 ジャンヌの処女検査と身元調査

 ジャンヌは、賢い女性(mulieres doctas、女医)、知識ある処女(peritas virgines)、未亡人と人妻(viduas et couples) によって観察され、訪問を受け、内密に検査され、徹底的に調べられた。


 これらの女性たちの筆頭は、


①ヨランド・ダラゴン(シチリアとエルサレムの女王でアンジュー公爵夫人)、

②ジャンヌ・ド・プリュイリー(オルレアン総督ゴークール卿の妻、57歳)、

③ジャンヌ・ド・モルテメール(長寿で知られるトレヴ領主ロベール・ル・マソン卿の妻)だ。[784]


 最後の女性はわずか18歳で、『貴婦人の処方箋』よりも、むしろ『老人の暦』に詳しかっただろうと考えられる。

(若い彼女は処女検査の専門家ではないだろう…という皮肉を込めた表現)


----------(⚠️訳者の覚書)----------

- 貴婦人の処方箋(Formulary of Matrons):処女かどうかを判断するための知識・手順・経験。

- 老人の暦(Calendrier des Vieillards):当時信じられていた、年齢や身体的な特徴から人の性格や運命を占うための暦や知識体系のこと。

----------


 ソロモン王の知恵の限りを尽くしても解決困難に思える問題(処女の判別)を、当時の善良な妻たちがどれほどの自信をもって取り組んだかは、まったくもって不思議である。


 こうして、ドンレミのジャンヌは純潔で無傷の乙女であると認められた。[785]



 ジャンヌ自身が神学者たちの尋問や、女性たちの検査を受けている間、彼女の故郷に派遣された何人かの聖職者たちが、ジャンヌの出生、生い立ち、道徳観について調査を進めていた。[786]


 聖職者たちは、イングランド人やブルゴーニュ人に疑われることなく、敵地の街道や脇道を自由に通行できる托鉢修道士の中から選ばれた。[787]


 彼らは何の不安もなく、そして実際、何の妨害も受けなかった。


 ドンレミとヴォークルールから、ジャンヌの謙虚さ、信心深さ、正直さ、純朴さについて確かな証言がもたらされた。


 しかし、何よりも重要なことは、聖人たちの幼少期によく見られるような、ある種の「(ジャンヌの)敬虔な物語」を簡単に収集できたことである。


 ジャンヌの幼少期の伝説を膨らませるために、これらの修道士たちは重要な役割を果たした。彼らのおかげで、ジャンヌの伝説はすぐに人気を博した。


 7歳のときに、狼がジャンヌが飼っている羊を助けた話や、森の鳥がジャンヌの呼びかけに応じてやって来て膝上のパンくずを食べた話などは、どうやらこの頃に生まれたようだ。[788]


 これらの聖なる寓話の元ネタは、『聖フランシスコの小さな花』に由来することを示唆している。この物語集の中に、『グッビオの狼』や『鳥との語らい』などが含まれている。


(⚠️『聖フランシスコの小さな花』:アッシジの聖フランチェスコの伝説の中から『グッビオの狼』と『鳥との語らい』などの小噺を集めた物語集。1390年ごろにイタリア・トスカーナ地方で著された。ジャンヌがシノンに来たのは1429年のことで、本書を知っている誰かが聖フランチェスコをジャンヌに置き換えて広めたと考えられる)



 托鉢修道士たちは、ジャンヌの「予言の能力」を示す話も提供したかもしれない。

 彼らは、「ジャンヌがヴォークルールにいたころ、『ニシンの戦い』の日にルーヴレーでフランス軍が受けた大きな被害を知っていた」という話を広めたようだ。[789]


 このような「小さな物語」の効果は絶大で、即座に完璧にうまくいった。


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