表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第八章 続・ポワティエのラ・ピュセル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/145

8.3 処女賛美の歴史(3)受難と殉教

 聖人伝集『黄金伝説』では、「処女に恵みと力が宿る」という思想を、豊かで魅力的なイメージで包み込んだ。


 聖人伝の執筆者たちは、イエス・キリストの花嫁——処女をあらわす白いローブと殉教をあらわす赤いバラを身につけた聖女たちを、特別な愛情を込めて賛美した。


(⚠️黄金伝説(Golden Legend/Legenda aurea):1267年頃に完成した聖人伝集。イエス・キリスト、聖母マリア、大天使聖ミカエルをはじめ、100人以上の聖人たちの生涯が記されている。中世ヨーロッパでは聖書についで広く読まれ、新約聖書の続編と位置付けられていた)



 その中でも、もっとも豊かな恵みの奇跡が起こったのは、処女たちの受難の場面だ。

 天使たちは、カエサリアの聖ドロテアに天上のバラを降らせ、それを処刑人たちの頭上に撒き散らした。


 処女の殉教者たちは、猛獣に対してその力を発揮する。

 円形闘技場(コロッセオ)のライオンは、聖テクラの足をなめた。

 サーカスの野獣たちは、互いに集まって尾を絡ませて、聖エウフェミアのために玉座を用意した。

 穴の中では、コブラが聖クリスティーナのために美しい首飾りを作った。


 処女の殉教者たちが、その慎み深さのために苦しめられ、苦痛に耐え忍ぶことは、神の配偶者の望みではない。


 処刑人が聖アグネスの衣服を引き裂くと、髪が伸び、彼女の体は奇跡の衣で覆われた。

 聖バルバラが裸で通りを連行されるときには、天使が白いチュニックを持ってきた。


 聖アグネス、聖ドロテア、聖カタリナ、聖マルガリータなど、この無垢な征服者の軍団は、「武装した男たちよりも処女の奇跡は強い」と信じるように、人々の心を啓蒙した。


 パリの守護聖人・聖ジュヌヴィエーヴは、禁欲と祈りによって、フン族の王アッティラと蛮族の戦士たちをパリから追い払ったのではなかったか?



 当時から広く知られていた『貴婦人と一角獣』の寓話は、処女の状態を保つと特別な美徳が宿るという信念を生き生きと表現している。


 一角獣ユニコーンは、半身が山羊で、半身が馬の姿をしており、全身が真っ白で、額に素晴らしい剣を持っている。

 狩人たちは、ユニコーンが茂みの中を通り過ぎるのを見つけても、その速さゆえに決して追いつけなかった。

 しかし、森の中で処女がユニコーンを呼ぶと、その獣は大人しく従い、みずから処女に近づいて膝上に頭を置き、処女のか弱い手で捕まえられ、縛られることさえ許した。だが、堕落した乙女、処女ではなくなった乙女が近づくと、ユニコーンは接近しただけで彼女をすぐに殺してしまう。[778]


 なお、処女が断食して裸になり、ある魔法の言葉を唱えると王の病を治癒する力を持っているとさえ言われたが、それは福音書(聖書)由来の話ではない。[779]


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ