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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第七章 ポワティエのラ・ピュセル

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7.5 ラ・ローズ邸にて(3)危険な発言

 国王の聴罪司祭(懺悔聴聞僧)ジェラール・マシェ師は、「フランス王を助けるために乙女が来る」と書かれているのを見つけた。

 彼はその話を、大した人物でもない従騎士ゴベール・ティボーに話し[755]、彼もまた何人かの人たちにその話を確かに伝えた。


 ジェラール・マシェは神学博士で、かつてはパリ大学の副総長だったが、現在は大学から排除されている。それにもかかわらず、教会の光のひとつと見なされていた。


 彼は宮廷を愛し[756]、国王からも寵愛されていた。

 つい最近も、国王は彼の働きに報いるために、ロバを購入する資金を与えたばかりだった。[757]


 国王の聴罪司祭自身が、ボワ・シュニュの予言をジャンヌに有利な内容に歪曲して流布させたことが判明したことで、これまで述べてきた「教会に関わるすべての謎」の疑問(真相)は解消された。





 ジャンヌは、彼女自身が「評議会」と呼んでいる「声」と、教会に設置されている彫刻や絵画に描かれている「想像上の聖人像」について尋問された。[758]


 博士たちは、ジャンヌが女性の衣服を脱ぎ捨て、髪を小姓のように丸く切ったことに異議を唱えた。なぜなら、聖書にはこう書かれている。


「女は男の服を着てはならない。

 男も女の服を着てはならない。

 あなたの神、主はそのような事をする者を

 忌み嫌われるからである」

(旧約聖書『申命記』第22章5節)


 皇帝ヴァレンスの時代に開かれたガングレ公会議(Council of Gangres)では、男装して髪を短く切った女性を破門した。[759] しかし、聖霊の不思議な啓示に導かれた聖女たちの多くは、男装して性別を隠した。


 コンピエーニュ近郊のサン・ジャン・デ・ボワには、アレクサンドリアの聖ユフロシーヌ(Euphrosyne)の聖遺物が保管されていた。ユフロシーヌは、テオドシウス修道院で38年間、男装して暮らしていた。[760]


 これらの理由と前例があったために、博士たちは次のように主張した。


「ジャンヌが男装しているのは、他人の貞節を侮辱するためではなく、自分の貞節を守るためである。我々は、善意で行われた行為に悪意の解釈を加えず、純粋な動機によって正当化された行為を非難することを差し控える」



**



 質問者の中には、なぜシャルル七世を「王」の称号で呼ばずに「王太子」と呼ぶのか、理由を尋ねた者もいた。


 この称号は、1422年10月30日、彼が持つ権利によって与えられた。

 父王が亡くなってから9日目のこの日、メアン=シュル=イェーヴルの王室礼拝堂で、彼は黒衣のガウンを脱ぎ、フランス王の象徴である紫衣のローブを身につけた。伝令たちはフランスの旗を高く掲げて「国王万歳!」と叫んだ。


 ジャンヌは、「私はあの方がランスで聖油を塗油されて戴冠するまで王とは呼びません。私がそこへ連れて行くつもりだから」と答えた。[761]


 ジャンヌからすれば、聖油を塗油する儀式なしにフランス国王は存在しなかった。

 聖油注ぎの奇跡について、ジャンヌは毎年、司祭が「故郷の教区の守護聖人である聖レミの輝かしい功績」を朗読するのを聞いていた。


 この返答は、質問者たちを満足させた。なぜなら、霊的な意味でも世俗的な意味でも、国王がランスで塗油されることは重要だったからだ。[762]


 そして、ランス大司教のルニョー・ド・シャルトル卿は、塗油式の実現を熱烈に望んでいたに違いない。



***



 聖職者たちに反論されると、ジャンヌは独特の霊的インスピレーションを用いて言い返した。


「私たちの主の書物には、あなたたちの書物よりももっと多くのことが書かれています」[763]


 これはあまりにも大胆できわどい回答だ。神学者たちがジャンヌに好意的ではなかった場合、かなり危険な事態になっていただろう。


 そうでなければ(好意がなければ)、ジャンヌの主張は「教会の権利を侵害している」と見なされる。教会は「聖典の守護者」として、「ローマ教会と公会議の権威を冒涜」されることを許さない。[764]


 そもそも、読み書きできないジャンヌが、「神の書物に反する」と判断した書物とは一体何のことか?


 それは、教会法(Sacred Canons)と教皇教令(Sacred Decretals)ではないだろうか。ジャンヌのこの発言は、教会の根幹そのものを揺るがした。


 ポワティエの神学者たちが、(シャルル七世を支持する)熱心なアルマニャック派でなかったら、この発言以降、ジャンヌは信用されず、異端の疑いをかけられただろう。


 しかし、彼らはフランス王家とオルレアン公の忠実な臣下だった。

 そして、彼らの法服はぼろぼろで、食料庫は空っぽだった。[765]

 唯一の希望は「神に頼る」以外になく、ジャンヌを拒絶することが聖霊を否定することに繋がるのではないかと恐れた。


 さらにいうと、ジャンヌのこれらの発言に悪意はなく、完全な無知と単純さから発せられていることが、あらゆることから証明された。神学者たちがジャンヌの言葉にショックを受けなかった理由は、そういうことだ。


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