表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第六章 シノンのラ・ピュセル/予言

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/148

6.13 尊者ベーダの予言

 魔術師マーリンの予言が「ジャンヌの使命」を予言していたなら、尊者ベーダも同類の予言をしていたに違いない。なぜなら、尊者ベーダと魔術師マーリンはいつも同じ予言をしているからだ。


 ウェアマウスの修道士「尊者ベーダ」は、600年前に亡くなったが、生前はまさに知識の宝庫だった。


 彼は、神学と年代記について多くの著書を残し、夜と昼、週と月、星座と黄道十二宮、戒律、月の周期(太陰暦)、教会の移動祝日について論じた。

 著書『時間の計算論(De temporum ratione)』では、彼が生きていた時代のあとに続くであろう世界の第7時代と第8時代について取り上げている。


 やはり、ベーダは予言していた。

 オルレアン包囲戦のころ、教会関係者はベーダの名を冠した謎めいた詩を広め、乙女の到来を予言した。



「6の倍数の頭巾、7の倍数の仲間が集い

 ガリアの若者は、雄牛との新たな戦いに備えるだろう

 見よ、戦いは祝福され、乙女が旗を掲げる」



 予言詩の1行目はクロノグラムで、時期が含まれているとのことだ。

 解読するには、予言詩の中から「数字をあらわすローマ字」を拾い、それらを合計する。



(予言の原文・ラテン語詩)——————

Bis sex cuculli, bis septem se sociabunt,

Gallorum pulli Tauro nova bella parabunt

Ecce beant bella, tunc fert vexilla Puella.

———————————————————



bIs seX CVCVLLI, bIs septeM se soCIabVnt.(数字をあらわすローマ字を大文字にしています)


「1 + 10 + 100 + 5 + 100 + 5 + 50 + 50 + 1 + 1 + 1000 + 100 + 1 + 5 = 1429」



 したがって、この予言時は1429年を指していることになる。


 もし、誰かがこの予言詩の出典元を見つけようと、尊者ベーダの著書を探しても徒労に終わっただろう。なぜなら、存在していないからだ。

 マーリンの予言の原典から「ボワ・シュニュ」を探した者がいなかったのと同じく、尊者ベーダの原典を探した者はいなかった。[697]


 そして、ベーダとマーリンの両者が「乙女の到来を予言した」と解釈され、それが広まった。


 当時、乙女到来に関する「予言書」、「クロノグラム」、「チャーム(魔除け・まじないの装身具)」などがロワール川の近辺から伝書鳩鳩のように飛び立ち、王国中に広まった。


 同年の5月か6月には、ベーダの(にせ)予言がブルゴーニュに到着していただろう。

 それよりさらに早く、パリでもその噂が話題になっていた。


 フランスの修道院で隠遁生活を送っていた老齢のクリスティーヌ・ド・ピサンは、1429年7月31日以前に「ベーダとマーリンが乙女を幻視した」と書き残している。[698]


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ