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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第六章 シノンのラ・ピュセル/予言

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6.7 フランス王に仕えた聖人・預言者(2)

 確かに、神は処女の口を通して語られる。

 しかし、このようなことには細心の注意を払い、真の預言者と偽りの預言者を注意深く区別し、天からの使者を悪魔の使者と間違えないようにする必要がある。


 悪魔の使者は、時として幻想を作り出す。

 聖ペテロの奇跡に匹敵することをした魔術師シモン(シモン・マグス)の例にならい、これらの(やから)は人々を誘惑するために悪魔的な術に頼る。


 12年前に、ジャンヌと同じくロレーヌ辺境出身のカトリーヌ・スアーヴという女性も予言をしていた。彼女はヌフシャトー近くのトン出身で、ポール・ド・ラテで隠遁生活を送っていたが、マゲロンヌの司教は彼女が嘘つきで魔術師(魔女)であると見抜き、1417年にモンペリエで生きたまま火刑に処された。[644]


 多くの女性(women)あるいは女性(females)や女性(mulierculæ)[645]が、このカトリーヌのように生き、同じような最期を迎えた。




(⚠️訳者の覚書)

women:成人女性のこと。

female:生物学的な意味での女性・雌のこと。

mulierculæ:ラテン語で「小さな女性」だが、軽蔑的な意味合いで使われる。無知で不品行で影響を受けやすい女性。あるいは、社会から阻害された女性。




 何人かの聖職者がジャンヌに手短に尋問し、「何のために来たのか」と尋ねた。

 最初、ジャンヌは「国王以外には何も話さない」と答えたが、聖職者たちが「国王の名において尋問している」と告げると、彼女は「天の王が自分に二つのことを命じた」と語った。


一つはオルレアンの包囲を解くこと、もう一つは国王をランスに導き、聖油を注ぎ戴冠させることだった。[646]


 ヴォークルールでロベール卿の前で話したように、ジャンヌはこれらの聖職者たちの前で、かつてシャンパーニュの農民(小作人)がジャン二世のもとに派遣されて語ったことと非常によく似た話を繰り返した。

 ジャンヌは今、シャルル王太子のもとで同じことを再現しようとしていた。


 シャンパーニュの農民は、戦場へ急ぐジャン二世(シャルル七世の曽祖父)が軍を率いて野営していたボース平原まで旅をし、陣営に入ると、「王の臣下たちの中でもっとも賢く優れた者に会いたい」と申し出た。


 農民の願いを聞いた貴族たちは笑い始めたが、その中のひとりはこの農民と面識があり、彼が善良で、素朴で、嘘をつかない人物であることをすぐに認識した。


 彼は農民に「何か助言があるなら、王の従軍司祭に相談しなさい」と勧めた。

 そこで農民は、王の従軍司祭のところへ行った。


「王に謁見させてください。王以外には誰にも言えない話があります」

「要件は何ですか? あなたの心の中にある秘密を教えなさい」


 善良な男は秘密を明かそうとはしなかったので、司祭は王のところへ行き、進言した。


「陛下、ある男が謁見を求めています。彼は口が固く、私には賢明な人物に見えますが、彼は陛下ただお一人だけに話したいことがあるそうです」


 しかし、ジャン二世は面会を拒み、その代わりに告解司祭を呼び、従軍司祭とともにその農民に会って話を聞いてくるように命じた。


 二人の司祭はその農民のもとへ行き、「国王の代わりに話を聞く」と告げた。

 この知らせを聞いて、農民は絶望したが、二人の司祭を信頼して秘密を打ち明けた。


「野原に一人でいたとき、『フランス王ジャンのところに行き、敵と戦うなと警告せよ』という声が三度も語りかけてきました。私はその声に従い、王に伝えるために来ました」


 この話を聞いて、二人の司祭は農民を王のところへ連れて行ったが、王は笑って相手にしなかった。


 ジャン二世は戦友とともにポワティエに進軍し、そこでイングランドのエドワード黒太子と戦った。フランスはこの戦いに敗北して全軍を失い、王は顔面に二カ所も傷を負ってイングランドの捕虜となってしまった。[647]


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