4.3 三度目のヴォークルール:男装と断髪
おそらくナンシーからの帰路で、ジャンヌは両親に家を出たことを詫びる手紙を書いた。両親が手紙を受け取り、許したという事実だけが判明している。[434]
父親のジャック・ダルクが、娘がヴォークルールに滞在していた1カ月間、静かに家にとどまっていたのは驚きを禁じ得ない。以前は、娘が武装した兵士と一緒にいる夢を見ただけで、そんなことが現実になるなら、息子たちに頼んでジャンヌを溺死させるか、自分の手でそうすると脅していたのに。
なぜなら、彼は、ヴォークルールでジャンヌが兵士たちと一緒に暮らしていることを知っていたはずだ。
ジャンヌの気性を知っていながら、彼女を行かせた理由は非常に単純なことだ。
ジャンヌの善良さを信じ、王国を救うためにフランスに連れて行くことを望んだ敬虔な人たちが、ジャンヌの生活ぶりについて両親を安心させる役割を果たしたのだろう。おそらく彼らは、ジャンヌが王のもとへ行けば、家族も名誉と利益を得られると説明して、素朴な民衆に理解させたのかもしれない。
ナンシーへ行く前か後かよくわからないが、若い預言者を信じるヴォークルールの町民の一部は、ジャンヌのために男性用の衣服一式を準備した。すなわち革製の袖なし胴着、布製の上着、コートにくくりつける紐付きの長靴下、脚絆、拍車、戦争に必要な装備一式を、作るか買うかして用意していた。
ロベール・ド・ボードリクールは餞別として、ジャンヌに一振りの剣を与えた。[435]
ジャンヌは少年のように髪を丸く刈り上げた。[436]
ジャン・ド・メスとベルトラン・ド・プーランジは、召使いのジャン・ド・オヌクールとジュリアン、そして王の使者コレット・ド・ヴィエンヌと弓兵リシャールとともに同行することになった。[437]
ジョアンヴィルの領主アントワーヌ・ド・ロレーヌの兵士たちがその地域を荒らしていたため、さらに旅の延期が続き、会議が開かれた。
至るところで、略奪、強盗、殺人、残酷な暴政、人さらいと強姦、教会や修道院の焼き討ち、恐ろしい犯罪ばかりが横行していた。それは人類が経験してきた中で最も困難な時代だった。[438]
しかし、ジャンヌは恐れることなくこう言った。
「神の名において! 私を優しい王太子のところへ連れて行ってください。私たちが遭遇するであろう、どんな困難や妨害も恐れないでください」[439]
伝わっている話によると、2月のある日、ついに小さな一行はヴォークルールのフランス門から出発した。[440]
これまでジャンヌについてきた数人の友人が、旅立ちを見守った。
その中には、下宿先の主人であるアンリ・ルロワイエとカトリーヌ夫妻、そしてジャンヌが何度か告解(懺悔)したヴォークルール近郊にある聖ニコラ教会の聖職者ジャン・コラン師もいた。[441]
彼らは、危険な道中と長い旅路を想像して、聖女のために震え上がった。
「至るところに武装した兵がうろついているのに、どうしてこんな旅に出られるのか?」
しかし、ジャンヌは穏やかな心で彼らに答えた。
「私は武装した兵士を恐れない。私が行くべき道は、目の前にはっきりと示されている。もし武装した兵士が立ち塞がっても、主なる神は、私が王太子のもとへ行くために道を作ってくださるでしょう。そのために私は来たのだから」[442]
ロベール卿はジャンヌ一行の出発に立ち会った。
彼は慣例に従い、ジャンヌを託した兵士一人一人から「確実に安全に連れていく」と誓いの言葉を聞いた。それから、信仰心の薄いロベール卿は、別れの挨拶の代わりにジャンヌにこう言った。
「行け! 何が起ころうとも」[443]
こうして、その小さな一行は、その季節らしく霧に包まれたムーズ川の草原の中へと旅立った。




