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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第四章 ナンシー/ヴォークルール/聖カトリーヌ・ド・フィエルボワ

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4.2 ナンシーでロレーヌ公に面会

 その頃、老いて病に伏していたロレーヌ公シャルルは、愛妾のアリソン・デュ・メイとともに宮殿に住んでいた。アリソンは司祭が生ませた庶子の娘で、ロレーヌ公の正妻でバイエルン出身のマルグリット夫人を追い出した。


 マルグリット夫人は敬虔で高貴な生まれだったが、年老いた醜女で、一方のアリソンは若く美しかった。彼女はシャルル公との間に、数人の子供をもうけていた。[431]


 ジャンヌがナンシーへ呼び出された理由について、次の話が最も信憑性が高い。


 ナンシーには、シャルル公に善良な妻マルグリット夫人を呼び戻してほしいと願う敬虔な人たちがいた。彼らは公爵を説得するために、天からの啓示を受け、みずからを「神の娘」と自称する聖女のお告げに頼ろうとした。


 これらの人々によって、ドンレミの乙女ジャンヌ・ラ・ピュセルは「病を癒す奇跡を起こせる聖女」として、衰弱した老公爵に紹介された。公爵は、ジャンヌが苦痛を和らげ、命を長らえる秘技を知っていることを期待して呼び出したのである。


 公爵は、ジャンヌと会うとすぐに、「以前の健康と力強さを取り戻すことはできないか」と尋ねた。



 ジャンヌは「そのような方法」は何も知らないと答えたが、公爵の不健全な暮らしを指摘し、それを改めない限り治癒することはないと警告した。そして、妾のアリソンを追い払い、善良な妻を呼び戻すよう命じた。[432]


 おそらく、このようなことを言うように事前に指示されていたのだろう。

 しかし、それはジャンヌ自身の本心から出た言葉でもある。なぜならジャンヌは不道徳な悪女を嫌っていたからだ。


 ジャンヌがロレーヌ公のもとに来たのは、それが当然のことだったからだ。小さな聖女は、偉大な領主が相談を望んだときに拒むべきではないし、ようするにジャンヌはナンシーに連れて来られたからである。


 ナンシーに滞在中も、ジャンヌの心は別のところにあり、フランス王国を救うことばかり考えていた。


 ジャンヌは、ヨランド夫人の息子(ロレーヌ公の娘婿ルネ・ダンジュー)が、立派な武装兵の軍隊を率いてくれれば、王太子の大きな助けになるだろうと考えた。別れ際にロレーヌ公に、この若い騎士を自分とともにフランスに送ってくれるよう頼んだ。


 ジャンヌは「あなたの息子さんを私にください。武装した兵隊も一緒に」と言った。


 ロレーヌ公は武器も兵隊も息子ルネも与えなかったが、ジャンヌに4フランと黒い馬を与えた。[433]

 ルネ・ダンジューはロレーヌ公の後継者で、イングランドと同盟関係にあるバル公でもあったが、それにもかかわらず、まもなくシャルル王の旗下にジャンヌとともに合流することになる。


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