2.6 ジャンヌの動揺と村人の反応
その間ずっと、ジャンヌは幻想の中で生きていた。
自分がどのような影響を受けているかを知らず、「声」の中に人間の心の反響や自分自身の心の《《ささやき》》を認識することもできず、聖人たちがフランスへ旅立つように告げるとジャンヌは臆病になった。
「私は哀れな少女で、馬に乗る方法も、戦争をする方法も知りません」[299]
啓示を受けるようになってすぐ、ジャンヌは遊んだり外出することをやめた。
それ以来、妖精の木の周りで踊ることはほとんどなく、踊ったとしても子供たちと遊ぶときだけだった。[300]
彼女はまた、畑で働くこと、特に羊の見張り番をすることを嫌ったようだ。
ジャンヌは幼いころから敬虔な兆候を見せていた。
今では、極端な信心深さに身を任せ、ひんぱんに懺悔し、熱狂的な情熱で聖体拝領を受け、毎日教区の教会でミサに出席した。
ジャンヌはいつでも教会にいて、時には地面にひれ伏し、時には手を組み、主イエス・キリストの像や聖母マリアの像に顔を向けていた。
ジャンヌは、ノートルダム・ド・ベルモンの礼拝堂を訪れる土曜日まで待っていられなかった。
両親がジャンヌは羊を世話していると思っているとき、奇跡を起こす聖母の足元にひざまずいていたこともあった。
村の司祭ギヨーム・フロンテ師は、教区の中で最も純真な(愚かな)信徒を褒めることしかできなかった。[301]
ある日、彼はため息をつきながら言った。
「もし、ジャネットがお金を持っていれば、ミサの祈りを唱えるたびに私にくれるだろう」[302]
善良な父ジャック・ダルクは、普通の田舎暮らしからかけ離れた、巡礼や瞑想、その他の習慣について、ときどき不満を漏らしていたかもしれない。
村では誰もがジャンヌを奇妙で気まぐれだと思っていた。
メンジェットとその友人たちは、ジャンヌを見て「信心深すぎる」と言い[303]、一緒に踊らないことを咎めた。
特に、ジャンヌの名付け親である幼いニコラ少年の母であるジェラルダン・デピナルの若妻イザベレットは、踊ることにほとんど関心を示さないジャンヌを激しく非難した。[304]
ジャン・コランの息子と村の若者たち全員が、ジャンヌの信心深さをからかった。彼女の宗教的な恍惚状態の発作は、笑いを誘った。
少し気が狂っていると思われ、ジャンヌはしつこい嘲笑に悩まされた。[305]
しかし、ジャンヌは自分の目で楽園の住人を見た。
彼らがジャンヌのもとを去るとき、ジャンヌは泣き、自分も連れて行ってくれればよかったのにと願った。
「神の娘よ、あなたは村を離れてフランスへ行かなければなりません」[306]
聖カタリナと聖マルガリータは再び話しかけ、次のように告げた。
「天の王からあなたに送られた旗を手に取り、大胆に持ちなさい。そうすれば、神はあなたを助けてくださるでしょう」
美しい冠をかぶった聖女たちの言葉を聞いていると、ジャンヌは馬に乗って長い遠征に出かける願望と、天使が戦士たちの頭上に舞いおりる戦いへの憧れに取りつかれた。
しかし、どうやってフランスへ行けばいいのか?
どうやって武装した兵士たちと交流すればいいのか?
無知で寛大で衝動的なジャンヌが聞いた「声」は、ただ自分の本心を明らかにしただけで、悲しい動揺の中に彼女自身を置き去りにした。
「私は哀れな少女で、馬に乗る方法も、戦争をする方法も知らない」[307]




