異世界魔女、強盗事件を解決する
ある日の夜、外の騒がしさで目が覚めた。
「ん……、何かあったのかしら?」
窓から外を見ると向かいのビルにパトカーやら人集りが出来ていた。
「あそこって確か宝石店よね、確か一ヶ月前に強盗に入られた、て嘆いていたわね……」
私は定期的に宝石をその店で購入している、理由は魔力を込めて魔術で使用出来る様にする為だ。
「あのお店にはお世話になっているし……、少し手助けでもしようかしら?」
翌朝、私は宝石店にやって来た。
「やぁ、リリアちゃんいらっしゃい」
「店長さん、お疲れの様ですね」
「あぁ、昨夜閉店した後に強盗に入られたんだよ……、今回で2回目でまた高い宝石を盗られてしまってね……、このままでは閉めないといけなくなる」
宝石は高い物が多い、それに商品になるまでに色々費用がかかっている。
「警察はなんと言ってるんですか?」
「手口から見て同一犯の仕業だろう、と。 うち以外も被害が出ているらしい」
「という事はプロの仕業、という事になりますね……」
「防犯対策もお金がかかるし……、頭が痛いよ……」
「そこで提案があるんですが……」
私は袋から宝石を取り出した。
「それはうちで買った物だね、ただちょっと色が違う様な……」
「ちょっと細工を仕掛けました。 この宝石を目立つ所に置いてほしいんです。 きっと役に立つと思いますので」
「ふむ……、よくはわからないがリリアちゃんは常連だからね、信じてみるよ」
そして、一ヶ月後、再び宝石店に強盗が入った。
しかし、今回は違った。
宝石店の近くでその強盗犯達が殴り合い刺し合いの大喧嘩をして重傷を負ったのだ。
実は、店長に渡したあの宝石には『魅了』の力が入っておりなにがなんでも自分の物にしたい、と言う気持ちが向上してしまう代物だ。
おかげで強盗犯達は病院行きプラス警察に逮捕された。