異世界魔女、潜入する2
翌日、私はとある場所に来ていた。
「あそこが例の宗教の本拠地ね……」
山奥にあるそれは確かにお寺みたいな建物がある。
「中で共同生活してるみたいね、……しかし目に光が籠もって無いわね」
『そりゃあ洗脳状態にあるからね』
私の隣にいる1人の少女、彼女は私の協力者でもあり監視者でもあるこの血を守護する神、『サクラヒメ』である。
『私を差し置いて神を名乗るなんて言語道断、真の神の力を見せてやるわ!』
ポキポキと骨を鳴らし黒い笑みを浮かべるサクラヒメ、この神一見穏やかに見えるが実は武闘派なのだ。
私をこの世界に召喚したのも実は彼女で私の元いた世界の神に交渉してくれた。
『だって、リリアは何にも悪くないじゃない、それなのに勝手な事情で闇堕ちしちゃって理不尽すぎるでしょ?』と言ってくれたのは嬉しい。
元いた世界には味方なんていなかったのに他の世界には私の事をわかってくれる人がいる、なんとも皮肉な話だ。
『首謀者は私が相手するからリリアは母娘を保護しなさい』
「えぇ、一応結界は張っておきますね」
あの宗教の建物近隣に結界を張った。
さて、それじゃ行きますか。
私達は行動を開始した。




