幼少期 ボア再び②
「じゃあ先ずはボアを半分に切って、そのまた半分を料理してみようかな、ウインドカッター、ウインドカッター」
そうして、4分の1になったボアの肉を、血抜きもせず、僕はあらかじめ用意しておいた塩胡椒を取り出した。
ちなみに、胡椒は高かったけれど、僕は今や一億Gは持っている、それにこれからも懐具合はお金は増えて行く予定なので、胡椒を買ったぐらいではなんともない。
胡椒は100グラムで1000円程した。
1グラムで10円と言えば金の価格には程遠い、転生して来る前、金は今1グラム15000円以上した、おそらくまだ値上がりはするかも知れない。
まあ、高いと言えば高い胡椒を、僕はこれでもかってぐらいに塩胡椒をボアの肉にかけた。
肉が血でドリップするが、気にせずに森の辺りの小枝を集めて僕は「ファイヤーボール」と言い、火属性の魔法を放ち、火をおこして豪快に肉をくべた。
コンロの具合で言えば、超強火だけど、肉を枝に刺してゆっくりと回しながら肉を焼いて行く。
「アレックス、美味しそうね、なんだか物凄く良い匂いがするわ、よだれが止まらないの」
「え?なんだって?ちょっとよく聞こえなかったよ」
僕は調理に夢中になっていて、母の言葉がよく聞こえなかった。
さて、肉を火にくべてから15分、そろそろ良いだろう、肉は手頃な枝に刺してこのまま豪快にいただくのが通だろう。
みんなの肉も用意して、母、リタリア、リタルダに声をかける。
「じゃあママ、リタリア、リタルダ、食べようか」
『はーい』
「パク、ぎゅむぎゅむ」
先ずは母が真っ先に行った。
「うわ、美味しい、噛めば噛むほど肉汁が溢れるわ、ワイルドよ」
「えー本当?パク、ぎゅむぎゅむ」
次にリタリアが行った。
「え?本当にどことなくボアの香りが、嫌な感じがせずに、野生味溢れて美味しいわ」
「私はまだ無理ですね、歯が無いし、でも私にはママが居るから大丈夫です、ママお願いします」
「はいはい、リタルダにはこれよね」
そう言って母は片乳を出して、リタルダを抱えて、肉を食らいながらリタルダに哺乳をした。
「ゴクゴク、ぷは〜、ご馳走様です」
こうして、僕、母、リタリア、リタルダは満足をしたのだった。
「じゃあこのボアは僕が引きずって行くから」
「ありがとうアレックス、前と違って私もお腹の中には赤ちゃんも居ないから、アレックスが疲れたら交代するわ」
森の中でのワイルドな思い出も残り、僕達はボアを引き摺り家に帰った。
家に帰ってから僕はボアのフランクフルトソーセージを作って父の出した。
「アレックス、この腸ちょう美味いな、また新しい料理だね」
「これはフランクフルトソーセージって言う、ボアの腸を使った料理で、ボアの腸に肉を詰めた物なんだよ、美味しいでしょ」
「あー、本当に美味しくて、お酒がどんどん進んでしまうなあ、グビグビ」
父はボアのフランクフルトソーセージを食べながら、お酒をどんどん飲んでいる。
「ねえパパ、それは何を飲んでいるの?」
「アレックス、アレックスにはまだ早いが、これはミードと言う蜂蜜から造るお酒だよ」
僕が言うと、父は僕を睨んで牽制して、僕から少しお酒を離した。
「僕にはお酒はまだ早いけど、生まれる前には相当飲んだんだよ」
「そうなのかい?」
「うん、それで死んじゃった」
「そうか、私も気を付けよう、ゴクゴク」
そう言いながらも、父は飲むペースは変わらない様だった。




