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幼少期 厨房を見てみよう

 ほかの家の所は知らないけれど、この家では食事は3食ある。

 朝食は7時、昼食は12時、そして夕食は6時に出てきて、これも大体前世の地球と同じだ。


 もっとも、前世では仕事がら昼食や夕食はずれてしまう事もあった。


 前世では働いていた飲食業では、昼時に食事を提供するので、まかないが出る所ではそこで食べるが、パートの多くはまかないはでず、そのまま帰宅する事もあった。


 朝食なんかは、寝坊してぬかしたり、夕食は仕事で疲れ切ってしまった時に食べずにそのまま寝てしまう事などもあった。


 給料日までお金が無くて、3日4日食べれない事もあった。


 前世での友人の1人は、働かずにうま◯棒1日一本で一ヵ月ぐらい過ごしたらしい。


 今世ではまだ3才だと言うのもあるけれど、ちゃんと両親も居て、3食食べれるから感謝だ。


 3才までオートミールのようなものだけを食べていたのだけど、3才からは大人と同じ食事になった。


 今はスープとパンと肉が少し出てくるのだけど、スープは野菜が2、3種類細かく刻まれて入っていて、胡椒は効いているんだけど味がしない。


 パンは固くてスープに浸しながら食べないと喉を通らない。これならりんご丸かじりの方が良い。


 そして肉はぶつ切りにしてあるもので、塩と胡椒は使ってある様だけど、火が通り過ぎているのだろう、カチカチで肉汁は無い。


 つまり全体的に料理の評価は低い。


 まずい事は無いのだけど、贅沢を言えばもうちょっとなんとかならない物かと思う。


「ママ」


「なあに」


「ママと僕が食べているものは同じものなの?」


「そうよ、アレックスが3才になったから私達と同じ物を食べれる様になったのよ、美味しいでしょう?」


「うん、美味しい」


 僕は嘘をついてしまったけど、今まで食べていたオートミールの様なものより美味しいのは本当だ。


 でも本当はもうちょっと美味しい物が食べたいから、少し考えて見て厨房を見て見たいと思った。


「ねえママ、僕厨房を見てみたい」


「良いわよ、アレックスも料理に興味があるのかしら?」


 今は昼前だけど多分厨房に人は居ないかな?


 でもだからこそどんな食材や調味料があるのか見てみたい。

人が居たらいたで色々と質問出来るだろう。


 そして僕は母に連れられ、厨房に行く事になった。


厨房に向かう道中母は語りかける。


「アレックス、毎日食事を運んでくるカレンが居るでしょ、カレンはねぇ、料理もしてるのよ」


「そうなんだ」


 僕達は平民だし、家族も少ない、そして使用人も少ないらしい。


 でもカレンは料理やら僕達に配膳まで、1人でやっているんだな、見た目15才なのに凄いな。


「カレンはね、今は18才だったかしら、前の家の領主様の時から居て、もう8年も居るそうなの」


「そうなんだ」


「この家の使用人は領主様が引っ越す時に一緒に連れてって貰った人の中には入らなかったのよ、そしてそのまま私達が雇って居るのだけど、

カーマインは文官の仕事をしていてもあまり余裕はないのだからカレンには余りお金をあげられないのだけど、カレンはこの家に居てくれている、カレンは両親が居ないの」


「カレンかわいそう」


 僕は父がなんの仕事をしているか、この時初めて知った。


 そんな事よりも、カレンは両親が居ないのはちょっと可哀想だ。


 しばらく歩いて普通の扉より大きな扉の前に着くと、母は扉に手をかけ入って僕もそれに続く。


「ここが厨房よ、私もほとんど来た事が無いから、中の事は余り詳しくは無いわ」


「ふーん」


 僕は思わずそう言った。


 中を見ると僕の背の高さでは見渡す事は出来ないのだけれど、目の前にあるキッチンの数々は整列されて揃っている。


 僕はキッチンの上が見えないから、見てみたい。


「ねえママ、ちょっと抱っこして」


「ええアレックス」


 そう言うと僕は母に抱っこされ、キッチンの上を見渡した。


 するとキッチンの上にはまな板が沢山置いてあった。


 キッチンやまな板は洗ってあるのだろうけれど、キッチンにまな板に直置きは余り良くない。


 家庭だったらキッチンにまな板を立て掛けるか、まな板にフックが付いている物なら吊り下げた方が良い。

 食品業界ではまな板は使い終わったら、次亜塩素酸ナトリウムを希釈した水に漬け込んでおかねばならなかった。


 ここは異世界、そこまで考え無くても良いかなと思った。



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