幼少期 誕生日
今日は僕の誕生日、3才になっても1番遅く起きる。
最近体の中のグニャグニャした感じのもののコントロールもかなり出来る様になって来て、段々と大きくなって来た。
たぶん体の成長と共に大きくなるんだろう。
それとこの体の中のグニャグニャを手や足に移動すると、かなり力が強くなる事がわかった。
前世では太極拳をした事は無いけど、たぶん太極拳に使われている『気』よりもすごいんだと思う。でもこの世界では普通なのかも知れない。
朝目覚めるとテーブルの上にはりんごがいっぱい入った籠があった。
そこで母に1個貰って良い?と尋ねたら、
「良いわよ」
と言われたので一つ手に取りかじってみると、ほんのりわずかに酸味があって甘味があってジューシーでやみつきになりそうなほど美味い。
りんごをかじっていると父が部屋に入って来て僕を凝視した。
りんごを丸かじりなんて行儀が悪かったかもね、でも気にせず芯だけ残して最後まで食べ切り、芯をゴミ箱に捨てた。
「美味しかったかい?」
「うん、やみつきになりそう」
「でもほどほどに食べてね」
父はりんごを丸かじりの件では怒ってはいなかった。
だからこれからもりんごを食べれて嬉しい。
姉は髪の色が銀緑色で銀目で、ちょっと目が吊り上がっている、鼻はやや高く唇は薄く、前世の世界でも見た事もない美少女だ。
姉は先月5才になり、子供部屋を与えられ、結構そこでおとなしくしているが、たまにこの部屋にやって来て少し話たりしている。
姉に家庭教師がついたので、子供部屋で授業でも受けているんだろう。
姉は去年まで字を反転して書いたりしていたけど、今はどうなんだろうか。
「さてアレックス、今日から3才だ、ダイナファム学園には大体10才ぐらいから通う子達が多いんだけど、特に年齢制限とかは設けていないんだ。
アレックスが早めに学校に通える様に、今日から家庭教師を雇った。」
「かていきょうし?」
「そうだよ、アンブレア様、お待たせしました。どうぞ入って下さい」
そう言うと部屋に女の人が入って来た。
その女性は30才ぐらいで、金髪で、肩よりやや長い髪で、
目はやや吊り目だけど、雰囲気は穏やかな感じだ。
そして目の前まで歩いてくると。
「初めまして、アレックス君、私は『アンブレア・ヴィン・フォレスリカ』アレックス君の勉強を教える為に雇われたの、今日からよろしくね」
「よろしくおねがいします」
「早速だけどアレックス君、ちょっと遊びましょうか」
するとアンブレア様は右手を僕の前に差し出して来た。
「握手してごらん、面白い事が起きるから」
アンブレア様にそう言われたので、僕は何も考えず、アンブレア様の右手に握手した。
するとその瞬間、いつも体に感じておる体の中のグニャグニャが暴れ出す。
僕はびっくりして手を離そうとするけど、手を強く握られていて離せない。
しばらくすると僕も落ち着いて来たので、精神を統一してグニャグニャを少しずつ少しずつ沈めた。
「今日はここまでね、アレックス君が今体に感じたのは『オーラ』と呼ばれるものなの。
普通は10才ぐらいから感じるものなんだけど、アレックス君はとてもセンスがあるわ」
そうか、今まで体の中に感じていたグニャグニャは『オーラ』と呼ばれるものなんだ。
アンブレア様の『オーラ』はとても強く、僕ではコントロールが効かなかった。
アンブレア様は軽く会釈をすると帰って行った。
今日はいろんな事があったな。