幼少期 おでん
「しかしこれならおでんの方も期待出来るな、なぁアレックスよ、おでんの方もお願い出来ないか?」
「はい、王様、先程僕もおでんを100%再現出来ると申しましたが、おでんを作るのに材料が無ければ出来ません、そして材料と言うのが特殊なものでして、すぐには難しいと思います」
「材料か、して、どの様な材料が必要なのだ?私や料理長に言ってみたまえ」
僕はドレッシングやマヨネーズを作って、すっかりとおでんの事を忘れていた。
おでんもそんなに難しい料理では無いのだけれど、材料であるカツオブシや昆布、そして醤油やみりんが必要なのだ、醤油ならさっき使っていたのがあったのだが・・・。
「では言いますね、そうですねぇ、まるで木の様に固くて魚の匂いがするもののカツオブシと呼ばれるものと、海で獲れる海藻の昆布と言うものが必要です、あとは調味料の醤油とみりんが必要になります」
「アレックス殿、わかりました、あります。
アレックス殿が言う木の様に固くて魚の匂いがするもの、そして海藻の昆布、醤油やみりんもあります」
「料理長、それは良かった、それなら美味しいおでんが出来ます」
「材料をとって来ます」
僕は王様や料理長に、余り期待しないで材料の事を言ってみたが、意外にも材料がある事がわかった。
それに醤油やみりんまでもあったのは嬉しい。
とにかく料理長は材料材料を取りに行くと言って、部屋を出て、しばらくすると持って来たのは、カツオブシの塊と昆布の長い物、瓶に入った醤油やみりんを持って来た。
「これは以前、おでんという料理を特別に教えてくれた、東の国の店で、腐りにくいと言う事で大量に買ったのですが、使い方がわからなくて困っていました、アレックス殿、使い方がわかるなら教えてくれないでしょうか」
「料理長、アレックスはまだ4才の子供だぞ、それで良いのか?」
「はい、王様、アレックス殿が先程作ってくれたドレッシングやマヨネーズは私は初めて食べましたが、あんなに美味しいものは初めて食べました、アレックス殿は他にも知っていそうですし、とても4才とは思えないのです」
王様は、それで良いのかと少し怒っていたが、料理長は特に気にする事もなく、僕の年齢について鋭い事を言う。
「アレックス殿、この木の魚、焼いても炒めても駄目で、煮ると少し色が変わる程度ですが、香りが出るのでそれで使っています」
「料理長、大体合ってます、しかしこの木の様な魚は固いナイフで削って使います」
「固いナイフ?ナイフは元々固いのでは?しかし削って使うのですか、何となくわかりました」
「固いナイフと言っても、固定されているかいないかです、大工の道具でカンナと言うものがありますが、それを使います」
「カンナ?カンナならわかります、木を薄く削る道具ですよね」
料理長は木の魚を扱った事があるらしく、削れば良いと言ったら大体わかったと言った、しかもカンナもわかると言うのだ。
またしばらくすると料理長はカンナを持って来た。
「これですよね、カンナ」
「はい、そうです、良かったです」
僕はこれでおでんの出汁が作れると思い喜んだ。
「これを使って木の魚、カツオブシを薄く削ります、こんな風にね」
僕は木の魚、カツオブシを薄く削る実演をした。
「これは、このまま食べても味と香りが楽します」
言うなり、僕はカツオブシを食べた、
うん、カツオブシだ。
これでご飯があったら、醤油をかけてねこまんまが食える、でもご飯は無い。




