幼少期 ドレッシング
「そうですよ、でも実際に作るのは料理長さん達で、僕は指示するだけです」
「うーん、そうですか・・・」
僕の言葉に料理長や料理人達は、あまり良い返事私してくれなかった。
しかし僕はめげずに指示をする事にした。
「ではまず材料を用意して下さい、レモンはありますか?」
「レモン?レモンはみかんの様な物ですよね?ありますがレモンをどうするんですか?」
「レモンをまず絞って水分を出しちゃいます」
「水分?そんなの酸っぱいだけじゃ無いですか」
すると料理長はレモンを持って来て手に取った。
「それが良いんですよ、それがね、だからまずは水分を出し切ってしまう様に半分に切って下さい」
僕はまずレモンを使ったドレッシングを作る事にしたが、料理長はあまり乗り気では無い様だったが、それでも指示に従ってくれた。
「あとはサラダ油、黒胡椒、塩が必要なんですが、用意して下さい」
「サラダ油?黒胡椒は何となくわかるけれど、サラダ油が必要なんですか?」
「必要です、別に炒めたりしませんがね」
「わかりました」
黒胡椒は丸々とあって砕いたものではなかった、僕は追加で指示をしたが、やはりここでも料理長は疑問に思った様だった。
「では絞ったレモン汁に、砕いた黒胡椒を少々、サラダ油に塩を入れてかなりかき混ぜて下さい」
「これを混ぜるんですか?わかりました」
すると料理長は今度は素直に指示に従ってくれた。
それからそれを混ぜてしばらくして。
「それでは出来上がったものを、切った野菜にかけて
食べて見て下さい」
「はい・・・では、モグモグ」
料理長は僕の言葉に従って出来たドレッシングを、野菜にかけて恐る恐る食べてくれた。
「うまい、うまいですぞこれは!!!」
「何?そんなものがうまいのか、どれ?モグモグ・・・」
料理長に続き、ずーっとドレッシングが出来上がるのを見ていた王様が、料理長に近付き、料理長が持っている皿から、ドレッシングがかかった野菜を食べた。
「うまい、本当にうまい、たったこれだけであれだけ苦労していた野菜ぐらいうまいなんて、素晴らしい」
「本当に?ではみんなも食べてみましょうか」
別の皿に野菜を切って、ドレッシングをかけて、王様に続き、今度は王妃様がみんなに食べる様に言い、王妃様、アーサー王子、ロキ王子、リタ姫も次々と野菜を食べた。
『うまい!!!』
「何だこれは、野菜がこんなに美味しく食べれるなんて、奇跡だ」
「ガツガツ、グビグビ」
アーサー王やロキ王子に続き、リタ姫が野菜を食べ終わると、ドレッシングを飲み干した。
「何をしているんだリタ、行儀が悪いぞ?」
「美味しい、だって美味しいんだもん」
王様に怒られるリタ姫、王様はかなりカンカンだ。
「そうだな、それならば仕方ない」
そして王様は折れた。
しかしリタ姫、ワイルドな所もあるんだな、そんな所にも、僕は胸が熱くなった。




