幼少期 王宮おでん
「アレックス、食べたいものを、使用人に伝えれば皿に取ってくれるぞ」
アーサー王子が僕がマゴマゴしているのを見て、言ってくれた。
「ではまず、
このおでんの様なものを頂きたいと思います」
そして僕は使用人に言って、おでんもどきを皿に貰い食べてみた。
「ハグハグ、これはまた、美味しいですね」
おでんもどきの味は、まるで出汁のきいていない、ダイコンやちくわぶの様なものを齧り付いてみたけれど、美味しく無い事もない、ちょっと醤油が使ってあるのだろう、醤油っぽい味がした。
「この料理はな、おでんと呼ばれているものなんだ、再現度は50%程だがな」
王様のそんな事を言うので僕はここでチャンスだと思った。
「僕なら100%再現出来ますよ」
「!!!、100%再現出来るだと」
「はい、100%再現出来ますよ」
僕はこのおでんもどきが50%の再現度だと聞き、ならば100%再現出来ると思ってしまった。
「ではアレックス、他の料理はどうかな?」
王様はそう言うので、僕は遠慮なく使用人に言って他の料理も取ってもらう。
そして取ってもらったものを食べてみる。
この鳥の丸焼きは、ただ焼いただけなのだけれど美味しい、しかし僕はもっと美味しく出来るだろうと思い、その事を言ってみる事にした。
「この鳥の丸焼きは、ハーブや香辛料を使えば、もっと美味しく出来ます、もちろんこのままでも美味しいですがね」
「なるほどなぁ、香辛料やハーブと言っても色々ありそうだ、どんなモノが良いんだ?」
「これは胡椒と呼ばれる香辛料、他にはニンニクや生姜などを使っても美味しく出来ます、ハーブならレモングラスと呼ばれるものもどうでしょうか」
僕は鳥の丸焼きは作った事は無いけれど、何となくそう答えた。
今度は綺麗にカットされた野菜をとってみるが、やはり生の野菜そのままの味だった。
「この野菜は、ドレッシングを使うと、美味しく食べれます、マヨネーズでも美味しく頂けますよ」
「ドレッシング?マヨネーズ?それは作るのは難しいのか、アレックス」
「いえ、材料さえあれば、簡単に出来ます」
僕は正直に、野菜はドレッシングやマヨネーズを使うと美味しいと言った。
「ならばアレックスよ、ドレッシングとマヨネーズとやらを作ってみてくれないか?」
と言う事で、ドレッシングとマヨネーズを作ることになった。
「では王様、厨房を見て宜しいでしょうか?」
「厨房か、良いぞ、余もついていくぞ」
「ならば私も」
「私もついて行くわ」
厨房を見たいと言ったら、何故か王様もついてくると言って、さらにアーサー王子や第一王子、王妃様とお姫様様までついて来たいと言い出した。
「ではこちらです、ついてきてください」
僕は使用人の案内に従って、つま先立ちでついて行く事5分ぐらいだろうか、その後を王様達もついて来た。
王家の厨房につくと、厨房には5人程の料理がいて、そして僕は料理人に「こんにちは」と言った。
『こんにちは』
料理人達は一斉に挨拶を返して来た。
「この中に料理長は居ますか?」
「私が料理長です」
料理長はやや小太りで、被っている帽子も長く、如何にも私が料理長ですと言った40代ぐらいの人だった、白いコック服を纏っている。
「では料理長さん、まず材料を見せて下さい」
「え?貴方が料理をするんですか?」
料理長は挙動不審気に僕を見た。




