幼少期 王宮 アーサー王子の家族
僕は首に手をかけて、繋がっている事を確認する。
首がチョンパられない様にしたいが、果たして正直に言っても良いのだろうか?
しかし僕は正直に言う事にした。
「王様、正直に申し上げます。
王様は髪はカツラでは有りませんか?
おそらくそうだと思えて、王様の頭ばかりに注意がいってしまうのです、申し訳有りません」
「!!!、余がカツラだと?何を言っているのだアレックス」
僕の言葉に、急に王様が怒り出した。
そして王様は言うなり、
「見よ」
王様は王冠をとって頭を揺らしはじめたのだ。
するとカツラだと思われていた髪はズレた、
ズレたが落ちる事なく王様の頭に繋がっていた・・・。
落ちそうで、スンデのところで止まっていたのだ。
「ズレそうでズレて、落ちそうで落ちない、これが余の地毛である」
「ははぁー、恐れ入ります」
「しかしアレックス、正直に良く申した、世の頭を注意する者は、誰もおらぬのでな、アレックス、ありがとう」
「恐れ入ります」
王様のカツラだと思われていた髪は地毛であったのだ、王様に正直に言って良かったと思った。
「実は余の髪は、カツラにわざわざ見立ててある地毛なのだが、若い頃から王冠を被っていたので若ハゲだからしょうがないのだ」
「そうなのですか?」
「そう、若ハゲだから、だからこんな髪を思い付いたのだが、誰も言ってくれなくて正直寂しかった」
「恐れ入ります」
王様は怒りを鎮めてカミングアウトし、僕は本日3回目の恐れ入りますを言った。
「父上、よろしかったのですか?」
「アーサーよ、良いのだ、世のカツラもどきは元々バレる為にやっているものだからな、最も、余の逆鱗に触れれば、首は回転気られる事になるかも知れぬがな」
アーサー王子は王様のカツラに気遣い、誰にもバレない様にしていたのだろう、しかし王様はぶっ込んで来た、首を回転げると・・・。
僕は自分の首に人差し指で横になぞり、繋がっていて良かったと安堵した。
「そう言えばそろそろ昼餉の時間だ、みんな集まりなさい」
王様の声に、みんな何処にいたのか、瞬時に反応をして、王様の周りに人が集まり始めた。
「私が王妃のビクトリア・ヴィン・トットリカよ」
「私が第一王子のロキ・ヴィン・トットリカだ、アレックス、はじめましてでは無いな、学園で見かけた事があろうとも」
「私が第一姫のリタ・ヴィン・トットリカよ、よろしくね、アレックス」
王様の周りに集まった人は王族だった。
その中で第一王子のロキ・ヴィン・トットリカと名乗った人物は、トットリカ学園で会った事がある、他の2人は初めてだ。
「アレックス、本当に4才なのね、さっきの話し、聞いていたのだけど本当にしっかりとしているわね」
「そうよね、私よりも若いなんて、信じられないわ」
最初に言葉を言ったのは、年の頃は30代前半だろうと思われ、腰まで伸びたピンク色の髪に、眉毛が程よく隠れて、そこから見える水色の瞳には知性が宿った様に見受けられる人物で、王妃然たる人だった。
次に言葉を言った女は、アーサー王子よりも少し若いだろう、肩まで伸びたピンク色の髪、そして水色の瞳には、王妃様をそのままちっちゃくした様な、それでいて守ってあげたくなる様な、とても小さな女の子だった。
王妃様が言ったのは恐らく、僕と王様が話していたヅラの下りの事だろうと思う。
「恐れ入ります、王妃様、お姫様」
それよりも僕は王様が昼餉と言ったのが気になってしまう。
王族のお昼ご飯はどんなものなのだろう、物凄く気になってしまう。
しばらくして、使用人達が次々とカートみたいなもので、料理を運んで来た。
そして一際大きな什器に入れられて運び込まれたものには、まるでおでんの具の様なモノが汁の上で浮いていた。
他のものは、1匹丸々と焼かれた鳥に、切り分けられた肉、綺麗にカットされたそのままの野菜、そして山盛りのいつもの固いパンが食卓にずらりと並んだ。
「さあ、みんな昼餉を頂こうでは無いか、アレックス、遠慮なく食べてくれ」
「はい、いただきます」
僕は並んだ料理の数々に、大きく意識を向けたのだった。
それにしてもリタ様、可愛いな、料理にも心を奪われたが、リタ様にもめろめろだ。




