幼少期 王宮にて王との遭遇
そうこうしているうちに、中心に向かって馬車を走らせていると、城の中でも一際目立つ装飾化されている屋敷に着いた。
ここで馬車を降ろすと、先程まではまばらに人は居たのだけれど今はまるで居ない。
「ここが私達が住んでいる場所になる、そして今は人払いをしている」
「人払い?普段はいるの?」
「まぁ普段から人払いをして、その点は気にしなくて良いよ」
アーサー王子の言葉に、ちょっと疑問を持ったけれど、王族とは言え、プライバシーはしっかりしているんだろうなと思った。
そして何気なく歩いていると、玉座に人が座っているのが見えた。
「!!!、申し訳ございません、王様がいらっしゃるとは思わず、普通に歩いてしまいました」
「いやいや、良い、ここは私達しかおらぬゆえ、そんなにかしこまらなくても良いぞ」
「滅相もございません、私は平民ですので、かしこまります」
僕が普通に歩いていると、目の前に玉座があってビックリした、更に人が座っているし、しかも王様だったし、とにかくビックリして畏まった。
「!!、王様、失礼を承知で申し上げます、今は動かない方が宜しいかと思います」
「何故だ?何かあるのか?」
僕は王様が動いてはまずい状況に見え、王様に進言したが、王様はややキレている感じを出す。
「では失礼ながら、小さな虫が王様の王冠にとまっておりまして、危険では無いかと思った次第であります」
僕は王様の頭に違和感を持ち、さらに確認の為、王冠に目をやると、不自然な髪型をしているのがわかって、今にもずり落ちそうになっているのがわかって、僕は不敬にならないよう、小さな虫がいると嘘を付き、注意を促したのだ。
「アーサーよ、王冠に虫が止まっている様なので、見てくれるか?」
「はい、父上、虫がいるか見てみます」
アーサー王子は、王様の言葉に虫がいるかどうか見たフリをして、王冠に手をやり、そしてズラを直した。
「父上、王冠に虫がとまっていたので払いました、今は危険はありません」
「そうか、それは良かった、アレックス、アーサー、ありがとう」
ヅラを直したアーサー王子は、虫がとまっていると嘘を言ったが、王様に感謝され、僕も感謝された。
そして王様は感謝して、なんと頭を下げてくれたのだ。
そしてヅラがズレた。
「!、王様、頭をお上げください、私などに頭を下げていただくとは、なんと勿体無い事です」
すると王様は頭を上げてくれて、ヅラも元に戻った。
「そう言えばアレックスよ、世の頭ばかり見ているが、何か有るのかね?先ほどの虫の件と言い、何か有るのかね」
「いやいや、何も有りません、ただ王冠と言うのを初めて見まして、素晴らしい物だなと思っただけです」
「王冠を初めて見たのだねアレックス、本当にそれだけかね?他に何か有るのかね?」
「他には何も有りません、本当です、申し訳有りません」
「アレックスよ、申し訳ない事は無いぞ、他に何か有るのかね、正直に話しなさい」
僕が王様の頭ばかりに注意をし続けてしまった為に、これは本当にやばい事になった。
僕は首に手をやり、回転気られる事の恐怖を想像したのだ。




