幼少期 王宮②
「まぁまぁアレックス、君なら父と母に会っても、問題無いと思っているよ」
「そうかなぁ、アーサー王子、僕は不敬を働かないか心配だよ」
「大丈夫、アレックスがもし不敬を働いても、私が助けるし、そんな事など無いと思っているよ、多分ね多分」
「アーサー王子、多分とは微妙だよね、あんまり良く無い気配がするよ」
「大丈夫だよ、多分大丈夫、多分ね」
「アーサー王子、それはまるでつりだよねそれって」
アーサー王子が、なぜか僕を信頼しているかの様に言うが、僕はちょっと不敬を働かないかで、気が気じゃ無かった。
朝食はいつもと同じもので、味気が無いものだったが、腹一杯になって良かった。
そしてクロードと別れ、アーサー王子と共に馬車に乗り、進む事2時間程だろうか、何事もなく王宮らしき場所が見えて来た。と言うか王宮が何処からどこまでだかわからない広さだった。
「アーサー王子、何処からが王宮かわからないけど、かなり広いんだね」
「そうだね、私も何処からが王宮は正確にはわからないけれど、もう馬車で入って30分ぐらい経つかな」
「そうなんだね」
アーサー王子が王宮に入った事を言わずにいたけど、まさか馬車で30分も前から王宮に入っていたなんて驚きだ。
王宮に入って雰囲気だけは、出ている感じではあったが。
それからさらに、馬車を走らせる事15分ぐらいだろうか、中央に城の様な物が見えて来た。
と言うか城だ。
丈夫そうな白いレンガなのだろうか、それが建築材料である。
前世で言えば、ハプスブルク家の城の様な感じの、それをさらに大きくした感じの建物だった。
「ここが私達が住んでいる城だよ」
「へぇー、かなり大きいんだね、僕の家なんか10個ぐらい入りそうだよ」
「アレックスの家は平民の家とは違い、貴族の家だったと聞いているけれど、それでもそんなに入るかな?」
「多分入るよ、大きさが全然違うからね」
アーサー王子が城が目に付くなり、そんな言葉を言って、僕は城の大きさに思わず本音を言った。
「まぁここに住んでいるのは、私達だけではなく、城の兵士や商人なんかも、家族ぐるみで住んでいるからね、言うなれば一個の街とも言えるだろう」
実際、アーサー王子の言う通り、兵士や商人達が家族ぐるみで住んでいるのだろう。
一個の街とも言っても過言では無い。
「うん、見た目以上に大きい城だと言う事がわかったよ、維持をするのも大変だろうね」
「アレックスの言う通り、維持をするのは大変なんだ、それでも、200年は維持をしている様だけどね」
「200年、随分と古い城なんだね、でも色々と面白そうだね」
「面白い、確かに面白いかも知れない、城の中で突然行方不明になった人なんかも居るし、怖い事もあるけどね」
「行方不明?何か事件の匂いがする」
「実際に事件なんだ、突然行方不明になった人なんか、100年ほど前からあるそうだし」
「そんな危険な所に住むのも怖いね」
「まぁでも、行方不明になってしまう人達は皆、家族が居なくなり、一人暮らしを余儀なくする人達ばかりだったから、都合が良くもあるんだ」
僕は、200年も前から城を維持している事を聞き、城にまつわるエピソードも聞けて満足した。
けれど一つ引っかかるのが、家族が居なくなり、一人暮らししている人の行方不明の事件、これは気になるなぁ。
もしかしたら、城に住み続ける資格が無くなり、関係者に切り捨てられたのだろうか、疑問は残る。




