幼少期 キノコのガーリックソテー
昨日森で収穫したアンズタケは、使用人のカレンが虫出ししてくれて、ワラビはアク抜きをしてくれたらしい。
キノコの虫出しと言うと、前世では天然のキノコを収穫した後、塩水にキノコを10〜20分入れておくと、おびただしい程の虫が、キノコから出たのを覚えている。虫は塩水により、浮かんだり、沈んだりしていた。
ワラビのアク抜きなんかは、食用の重曹を入れた水に、半日ぐらい漬け込んでいたけど、今世異世界にはおそらく重曹なんて無いだろう、でもアク抜きは、小麦粉と塩を使った方法もあるので、おそらくカレンはその方法を用いたのだろう。
そして今日の朝、アンズタケとワラビが朝食に少し出てきた。
アンズタケはタマネギがみじん切りにしてあるスープに、ワラビはそのまま出てきた。
アンズタケとタマネギのスープは、塩しか振ってないシンプルな塩味のみだが、アンズタケのピリッとした香りがして、まぁまぁ美味しい物だった。
ワラビは丸ごと出てきたので、そのままかぶりつくと、薄く塩が振ってあって、ワラビ独特の香りがして、これもそんなに悪くない味だった。
そしていつものカチカチになったサイコロステーキと、パンケーキで、今日の朝食は終わった。
朝食を終え、しばらくするとカレンがやって来て、無言で空になった皿を下げてくれるのだけど、今日はぼくはそんなカレンに話しかけた。
「ねえカレン、今日はまた厨房に行きたいのだけど、カレンがいた時に方が良いんだ」
「それでしたら、この前と同じ時間にいらしてください、お待ちしておりますよアレックス坊っちゃま」
「ごめんねカレン、またちょっと思いついた事があって、どうしても試してみたいんだ」
「アレックス坊っちゃまがこの前作ったパンケーキ、とっても美味しかったですものね、何を作るか期待してます」
僕は普段、カレンに話しかけないのに、カレンは気さくに答えてくれた。
「アレックス、また厨房に行くの?パンケーキは美味しいからねぇ、今日のお昼期待しちゃうわ」
リタリアはそう言うと、自分の教室に向かった。
「じゃあアレックス、もう少ししてから厨房に行きましょうか、それまでアレックスもオーラを大分使える様になったし、私と握手して遊びましょ」
「ママと握手して遊ぶの?僕と握手」
母は暇つぶし的に僕にそんな事を言った。
前世での思い出で、少し昔にcmで、『後楽◯で僕と握手』って言うのがあったなぁ。
昨日のボアを触った時僕もボアを沢山触って、リタリアと握手しても良かったかも知れない、僕はそれくらいの自己犠牲精神はある。
「じゃあアレックス、ママと握手しましょ」
「うん」
僕は母の言葉のままに母と握手すると、その瞬間僕の中のオーラが暴れ出す。
しばらくすると落ち着いて来て、オーラを沈める事が出来た。
「アレックス、オーラの練度も良いわね、じゃあもう一回行くわよ」
母が僕にそう言った瞬間、また僕の中のオーラが暴れ出す、しばらくすると落ち着く。
そんな事を繰り返すと、僕は母に遊ばれているんじゃ無いかって思った。
「じゃあそろそろ厨房へ行こうよ」
「そうね、そろそろ行きましょうか」
「その前に赤ちゃんテーブルと積み木を少し持ってくね」
「もしかしてそれを台にするつもりなの?」
「そうだよ」
「何か嫌な予感がするけど、まあ良いわ、行きましょ」
そうして僕は赤ちゃんテーブルと積み木を、バランス良く持って厨房に向かう。
厨房に向かう途中、何度か積み木を落としたけど、あまり気にしない。
厨房に着き、早速赤ちゃんテーブルをキッチンの前に置き、台にするが、若干見えないから、積み木を重ねて嵩上げをした。
そうしていると、カレンが厨房に入って来た。
「ねぇカレン、ニンニクってある?」
「ありますよ」
僕は赤ちゃんテーブルと積み木の上に乗って、バランスをとりながらカレンに言った。
「じゃあそのニンニクを皮を剥いて、刻んでお玉で潰してね、それから昨日採れたアンズタケと胡椒を出して、フライパンを温めて油を入れて、今潰したニンニクを入れてね」
「はい」
ニンニクをお玉で潰す時、若干逃げていってしまったニンニクもあるが、カレンは手際良くやってくれる。
「ニンニクが温まったら、キノコを入れてこれくらい塩を振って、それから胡椒も少し入れてね、アンズタケがしんなりしたら完成だよ」
「はい」
こうして、アンズタケのガーリックソテーが出来上がり、それなら少し味見をして見ようと思った。
「味見して見よう、じゃあカレン、食べてみて」
「はい、モグモグ、うわ〜これ美味しい、すごい…もしかしてニンニクが!!」
「じゃあママも食べて見て」
「うん、モグモグ…これは初めての味でとても美味しいわ、これ本当に美味しい」
こうしてカレン、母の順で試食は終わり、今度はカレンがいつもカチカチにしてしまうサイコロステーキの指導をして、お昼に出してもらう事にした。
「モグモグ、うわ〜、美味しい、このアンズタケもサイコロステーキも今日は本当に美味しいわ」
お昼に出した料理を食べて、リタリアがそう言った。




