幼少期 ファックス
この日、僕は父に呼ばれて王都と他の領地にファックスを送る事になった。
トットリカでは、どんなに遠く離れていても、同じ動きをする物質があるので、その性質を利用して、ファックスを使っているのだ。
もっとも、こんな物質があったら、他にも色々出来るだろうけど、エンターグルメントとか、僕の頭では難しすぎて扱えない。
エンターグルメント、理論的にはテレポーテーションとか出来るらしいけど、本当に難しい。
どうしてそんなファックスを使ってまでトットリカ中に文うん送る事になったのかは、前日、僕が馬小屋 で馬が稲を食べている所からはじまり、どうやらトットリカ国内では稲は沢山あるけれど、今までは馬などの家畜に出すだけで、大々的に米を食べる習慣は無かったとか。
ぼくはその米を食べる方法を発見した、米の食べ方まで知っているという事で、それならトットリカ中に食べ方を教えた方が良いと言う事になったのだ。
そして実は僕の住んでいる家は、もと領主の家だったらしく、その理由でファックスが家にあると言う事で、早速父に連れられ、ファックスのある書斎でトットリカ国内に文を送ったのだ。
すると早速王都から返信のファックスが送られて来て、王都に僕達一家は来て欲しいとの事だった。
せっかく王都から帰って来たのに、また王都に行かなければならない羽目になり、春休みも残り2週間となり、王都でどうなる事やら。
「アレックス、もしかしたら私達は今の家から引っ越ししなければいけなくなったかも知れない」
「どうしてなの?もしかしてお米の食べ方を発見してしまったから?」
父は若干頭を抱えながら僕に言った。
米の発見はそれだけ凄い事だったのかも知れない、
でも元々あった物を食べる事だけなのに、結構凄い事になってしまった。
「元々私はミラウロスと言う国に住んでいたから、住みやすい所ならどこでも良いと思っていたからね、別の場所でも住めればそんなに悪くないかも知れないな」
父はそんな事を言う。
ミラウロスと言う国は、このトットリカの国の右上に位置する場所にある、ミラウロスは社会で習ったのだけど、海に面していない国で、海まで馬車で何日もかかると言うらしい。
ミラウロスが面している国は、西がサピトローザ、北がスキッピザニア、東がダイナファム、そして南がトットリカと言う、前世の世界で言えばモンゴルみたいな国だ。
父はそんな所に住んでいたなんて、僕は初めて知ったけど、父に言われても僕はトットリカに馴染んでしまってよく分からない、と言うかトットリカの事さえよく分かっていないのが本当の所だ。
とにかく父は本気で別の場所に住まなくてはならない様な感じを出しており、これは僕のせいだと思い、僕は少々いたたまれない気持ちになった。
「僕のせいで、ごめんねパパ」
「いや、むしろ色んな所に住める様になるんだったら、私は誇り高く思えるよ、別の領地でも色んな人が行き交っているから色んなものを見れるかも知れない、出来れば王都に近い所が良いかな」
父は今度は明るい感じで僕に言ってくれた、あー本当に引っ越すんだ、そんな感じを受け、尚更身が縮む思いがしたけれど、米をトットリカで普及させよう、僕は強く決心した。




