幼少期 妖精のもの
トットリカ学園に向かい3日、帰りに2日掛けて僕が住む領地に帰って来たが、妖精との約束は1週間で、昨日は遅くなってしまい、1日無駄に過ごし、6日掛かった。
それでも1日、約束よりも早かったが、僕達は、母、リタリア、リタルダと共に妖精と出会った森の中の周辺に来ていた。
「ママ、妖精さん達との約束の日よりも1日早いけど、会えなかったらまた明日も森に来ようね」
「そうねアレックス、今日妖精と会えなくても、また森にみんなで来ましょう、なんと言っても森の空気は美味しいし」
僕は早く、妖精との約束を済ませたかったので、気が急いているが、母はそんな事よりも森の空気が素晴らしかったらしい。
以前からそうだったが、森はモンスターが出るとは言え、母が魔法を使えるし、今なら僕も魔法を使えるし、
リタルダの超能力でモンスターの居場所がわかるので、みんなでくれば森はさほど危険な場所では無くなっていた。
とは言え、さすがに1人で来る気にはなれないのだが、最近はボアさえも森で出てこない。
「妖精さん、妖精さんいる?自転車作って来たから出ておいで」
僕は森の中、以前妖精と出会った場所まで来ると、妖精を呼んでみた、そのあとリタルダも復唱する、「妖精さん出ておいで」と。
呼んでいてしばらくすると、森の茂みから1番大きな妖精が出て来てくれた。
「この前の子達だ、自転車、持って来てくれたの?」
大きな妖精がそう言うと、次から次へと小さな妖精も出て来る。
出て来た妖精の数は、以前と同じで全部で5匹だ。
「自転車出来たの?」「やったー、自転車」「早く乗ってみたい」
僕はバッグから20cmほどの自転車を取り出し、妖精の前に出してあげる。
「妖精さん、これが自転車だよ?乗れるなら乗ってみてね?」
ちなみに自転車、最初から2輪で補助輪は付いていない、でも多分、妖精は羽があるからバランス感覚は素晴らしいだろうと思っていたから、最初から補助輪を付けていなかったのだ。
そして何と言ってもノーパンクタイヤ、サイズ的にもパンクしないタイヤが作れてしまったのだ。
森の中、パンクしやすいタイヤだったら可哀想だから、凄く良いものができたと思う、それに滅多な事ではチェーンも外れない様に作った。
「じゃあ私乗ってみる」
すると1番大きな妖精が、20cmほどの小さな自転車にまたがり、羽を器用に使ってバランスを取りながら乗る。
そうするとスイスイと自転車を漕ぎ出した。
「あはは、面白い、それに歩くよりずっと早いね」
「いいな、私も乗ってみたい」「私も」「私も乗りたい」
そして、後から出て来た妖精達4匹も、小さな自転車に乗って走り始めた。




