幼少期 パンケーキもどき
キッチン上を見渡すと、甕がいくつか置いてある。
その甕の中を見てみると、白い小さな結晶が沢山入って居る物が2つあった。
おそらくこれは砂糖と塩だろうと思い、母に抱かれたまま、甕の中に指を入れて舐めてみた。
「アレックス、何をしているの?」
「味見してみた」
母は僕が甕の中に指を突然入れ、そしてそのまま舐めたのを驚いている様だった。
でもそうしないと白い結晶の正体がわからないから仕方ない。
しかしこれでこの2つの甕の中身が塩と砂糖だと言う事がわかった。
今度は蓋がしてある甕の中を、蓋を取り見てみると、見た目は胡椒かと思われる、小さな実がびっしり入っていた。
そんな事をしていたら、扉を開けてカレンが入って来た。
「あら、マチルダ様とアレックス坊っちゃま、こんな所で何をしているのですか?」
「カレン、お邪魔しちゃって悪いわね、ちょっとアレックスが厨房の中を見てみたいって言うものだから、連れて来て見学させていたの」
母にそう言われると、カレンは言葉を返す。
「そうでしたか、いつもここは私しか余り来ないので、何か気になる事があったら聞いて下さい」
今僕は3才になってから食べているパンが固くて何とかして見たいと思っていた。
このパンの変わりにパンケーキもどきならもっと美味しく食べられるだろうと思いついたのだ。
「ねえカレン、パンになる前の小麦粉ってある?」
「ありますよ、アレックス坊っちゃま」
するとカレンが並んでいるキッチンの奥に行き、大きな袋を持ち出してくれた。
「この中に沢山小麦粉が入っています」
「カレン、持って来てくれてありがとう、僕ね、ちょっと料理に興味があって、思い付いた物があるから作って見たいんだ」
僕がそう言うと、カレンは母に視線を移してから頷いてみた。
「アレックス坊っちゃま、何を作って見たいんですか?少しだけなら昼食の準備まで時間有りますから、やって見ても良いですよ」
カレンは僕にそう言って言葉を返してくれた。
僕はキッチンのあたりを見回すと、前世でも同じみだったフライパンの様なもの、そして鍋やおたま、フライ返しなどもあった。
「ねえカレン、フライパンに入れる油ってあるよね、
それから材料を入れる器、ボールみたいな物とタマゴってある?」
まだ僕が3才になってからも、卵料理やタマゴを使った料理が出て来た事が無いけど、あって欲しいと願う。
「植物から採れた油とそれからタマゴもありますよ」
タマゴもあったんだ、良かった心からそう思う。
「ママ、僕を抱っこしたままじゃ疲れちゃうだろうけど、ごめんね?」
「良いわよ、アレックスは大きくなって来たけど、まだまだ軽いからこれぐらい何でも無いわ」
「ありがとうママ」
僕は母に気を使いそう言うと、そうして言葉を返してくれた。
僕はそのままカレンに指示を出す。
「ねえカレン、ボールにタマゴを割って入れて、小麦粉を入れてフォークで混ぜてくれる?あ、あと牛乳も入れてくれないかな」
「牛乳ですか?わかりました」
「それにスプーン大盛りで砂糖を2杯入れてさらに細かく混ぜてくれる?」
僕はそう指示して、そのまま言葉を続ける。
「釜戸に火を入れて、フライパンを熱して油を少し入れて、温まったらそのボールの中のものを入れて見てね」
「わかりました」
そう言ってカレンはボールに入ったタネを入れてくれる、そして僕は様子を見ながら言葉を言う。
「そろそろひっくり返して見て」
カレンは手際よくひっくり返す。
「もう出来上がったかな?お皿に移して食べて見て」
「え、良いんですか?」
そう言ってカレンは遠慮した言葉を言ってみるが、少しフォークで出来上がったものを口に運ぶ。
「もぐもぐ、え、何これ、美味しい」
カレンはそう言って、今度は母に向かって言う。
「マチルダ様も食べて見て下さい、おそらく美味しいと思われるのでは無いでしょうか」
カレンがそう言って母にも食べる様に促すと、母何も言わずに口に運んでくれた。
「あら、本当に美味しいわ」
そして僕も食べてみると、味は砂糖しか入ってないけど、甘みがあってちゃんと食べれるものになっていると思う。
「僕、パンよりもこれの方が食べたい」
「そうね、カレン明日からパンの変わりに作ってくれるかしら」
「わかりました」
こうして、明日からパンの変わりにパンケーキもどきが食卓に出る様になった。




