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オルゴール

作者: 翠泉


 大した存在ではないけど

 朽ちていく資格はあるはず

 贖罪のつもりで課した

 愉悦の過不足


 肝臓で循環していく

 本日分はおしまい

 まとわりつく湿気

 毛穴から涎が垂れている


 荒廃した土地を走り回る夢

 いつも場の空気が読めない

 嘘をつくことを厭わない

 そうやって格好つけていただけじゃない


 血が滲むほどに

 皮膚を掻きむしるのは

 それ以外に快楽を

 知らないから


 口で循環していく

 簡単に自分を卑下した

 顔が黒く焦げていき

 穴が広がっていく


 完治しない病気を患ったのか

 笑うことすらできないのは

 あの日の熱が失せた部屋で

 未来のことを語り合っていた


 狭い部屋にあった小さくて可愛らしい

 オルゴールから流れる悲しい音

 いつも漂っていた煙の香りが辛い

 死にたいと皆が言うから


 死にたい そうだねを繰り返す

 溺れてしまえ捨て猫のように

 持ち家なんて甘美な展望だね

 落ちたマスカラにローズマリー


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― 新着の感想 ―
[良い点] 小さなオルゴールから流れる悲しい音。部屋に響く描写が切ないですね。 ローズマリーには、「想い出」「追憶」の花言葉がありますよね。あの日の熱、未来を語り合ったことを、思い出す部屋にある姿が…
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