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Brave and Partners Online  作者: 岩越透香
第一章 クローズドβ
8/94

進化

小夜(サヨ)

種族:ナイトバット Lv.8

HP:20/20

MP:0/0

STR:10

VIT:5

INT:4

AGI:13

特性:夜行性 飛行

【スキル】

精密動作


【精密動作】

細かい動きがしやすくなる


 サヨはいつの間にか新しいスキルを覚えていた。覚えるとしたら、やらせていた索敵だと思ったのだが……。途中で動きが変わったように見えたのはこのスキルを取得したからなのかもしれない。


 中途半端なレベルだが、狩場を変えることにした。というのも、狼の行動パターンに慣れてしまい、新鮮さがなくなってしまったからだ。


 次は町の南側の森を狩場にする。南側には主にゴブリンがいるらしい。東側の魔物はトレントで、索敵スキルがないとどこから襲ってくるのかが分からず、苦労すると聞いたためだ。



 サヨがゴブリンを発見してくれた。そいつらは二匹で行動しているようだ。


「強化STR。ユキ、奇襲してくれ!」

敵はユキに気付くと、近くに置いてある錆びた武器を構えた。流石に一撃で倒されてはくれないか。俺はユキとサヨにINT以外の強化魔法をかける。


 ゴブリンたちは小回りのきくユキとサヨに翻弄されているようだった。が、こちらも勝負を決める一撃を入れられていない。直進することしかできない突進は溜めている動作を見て、躱されてしまう。


 ――ギギッ


 後ろからゴブリンの声が聞こえた。三体目だ! 戦闘が長引いてしまったせいで仲間が来てしまったようだ。

 ユキが俺の前に現れた。俺の代わりに攻撃を受ける。


「くそっ!」

俺は急に現れたユキに驚き、動きが止まったゴブリンにアッパーを喰らわせる。


「回復。ユキ、俺のことはいい。サヨに加勢して倒してくれ」

三体目のゴブリンの方を向く。起き上がろうとしたところに一発。


 体勢を崩しているうちに喰らわせようとした拳は錆びた長剣で止められた。――痛っ。錆びていても剣だ。つうっと血が流れる。


 ゴブリンはニヤリと嗤った。ゴブリンは剣を防御ではなく攻撃のために振りかぶる。そこだ! 腹を目掛けて強烈な一撃を喰らわす。やっと麻痺術が成功した。ゴブリンから、麻痺になったエフェクトが出ている。


 ユキとサヨのステータスを確認する。サヨのHPが少なくなっている。


「回復! もう少しだ、頑張れ! 付与麻痺術」

付与麻痺術を自分にかける。付与すると、相手を確実に麻痺させられる。この仕様を利用し、もう一度ゴブリンを麻痺させる。


 二匹の様子も見ながら、目の前の敵を殴る。無我夢中で殴っているだけのカッコ悪い戦い方だ。それでも、パートナー達を死なせたくない一心で戦う。


 ゴブリンの動きが急に良くなった。アッパーだ。速くなった動きについて行けず、殴られる。麻痺が解けたのだろう。よくもやってくれたなと言うような顔で近づいてくる。


 その時、ゴブリンは飛んだ。


「助かった、ユキ!」

二匹のゴブリンを倒したユキとサヨが近づいてくる。ユキが吹き飛ばした個体も消えている。とどめを刺してくれたようだ。


 ゴブリンに辛勝した俺たちは一度町へ戻った。



 リアル時間で三日目。俺は情報を仕入れ、戦い方を考えてきた。必要なスキルを取り、俺たちは昨日と同じように森へ入った。


 今度のゴブリンも二匹だ。


「ユキ、突進を頼む」

昨日と同じようにユキによる奇襲から入る。違うのはここからだ。


「強化INT(インテリジェンス)拘束(バインド)

俺はゴブリンに勝つために妨害魔法というスキルを取った。昨日は一対一の状態にされて火力が足りず、仲間を呼ばれてしまった。


 それならば、一体を行動不能にして、一体ずつ集中攻撃を喰らわせればいい。


「拘束されていない方へ集中攻撃だ!」


 拘束が一体目を倒す前に解けた時はヒヤッとしたが、危なげなく勝つことができた。数の力は偉大である。拘束がすぐに解けては困るので、余っていたポイントをINTに突っ込んでおく。


リック

種族:人間ヒューマン Lv.16

HP:20/20

MP:50/50

STR:5

VIT:5

INT:39

AGI:10

【スキル】

使役 瞑想 回復魔法Lv.4 強化魔法Lv.7 付与魔法Lv.3 妨害魔法Lv.1 麻痺術Lv.2 鑑定Lv.5 格闘術Lv.3


【妨害魔法】

INTの値で効果時間が決まる。レベル上昇で新たな魔法を覚える。


 残りのポイントをINTに全振りした効果が出た。その後は一体目を倒す前に拘束が解けてしまうということはなかった。


 進化すると聞いたレベル二十を目標にレベル上げをする。三度目に森に入った時、一匹でいるゴブリンを見つけた。すかさずユキが走り出す。


「拘束」

念の為、拘束を使っておく。


「畳みかけろ――!?」

拘束の効果時間内だったはずが、ゴブリンは動き出した。敵のINTが高いってことか!? まさか、別種!?


「っ拘束!」

慌てて拘束をかける。


 ユキを攻撃から逃すことはできたが、これは不味い。ゴブリンの強化版の敵ということはSTRが高いはず。攻撃を喰らうことは許されない。


「ユキ、サヨ、敵を動かすな! 連続攻撃だ!」

それぞれに強化AGIと付与麻痺術をかける。


 ユキもサヨも上手く立ち回ってくれている。麻痺状態も継続して入っているようだ。……もどかしい。正式サービスでは自分も積極的に攻撃できるようなスキルを取ろうか。


 麻痺で動けないところをユキが突進でとどめを刺す。ゴブリンは他のモンスターと同じように消えた。


 黒いもやになって消えたゴブリンとは対照的に、ユキが白い光に包まれた。ユキの周りに光る鱗粉のようなものが集まってくる。それがユキの方へ吸い寄せられ、光の卵に変化した。


 しばらくすると光の卵が割れてユキが中から飛び出してきた。ユキは一回り大きくなり、キリッとした顔つきに変わっている。駆け寄ってきたユキを抱き上げる。……硬い。


ユキ

種族:ポーンラビット Lv.1

HP:50/60

MP:0/0

STR:15

VIT:18(+1)

INT:2

AGI:20

特性:跳躍

【スキル】

突進 庇う 強攻撃

【装備】

青いリボン VIT:+1 耐久:44


【強攻撃】

発動後、次の攻撃の威力が上がる。CT:10s


 ホーンがポーンになったな。ダジャレか? 能力はやはりVITとHPの伸びが大きいな。ユキは立派なタンクへと成長しつつあるようだ。


 新しいスキルも覚え、能力も上がったので、その力を見せてもらうことにした。レベル上げの時のように、見つけたゴブリンに攻撃をしてもらう。


 ユキから赤いエフェクトが出た。ゴブリンに突進する。一撃だった。


「すごいぞ、ユキ! もう一匹も倒すぞ!」

ユキが強くなって、ゴブリン二体なら安定して倒すことができるようになった。が、これでも足りない。あのボス狼には。



 俺たちは二日間、ゴブリン達でレベル上げをした。その中で、サヨも無事進化した。これなら、以前敗れた狼に挑めるかもしれない――。


小夜(サヨ)

種族:ココウモリ Lv.1

HP:40/40

MP:0/0

STR:20

VIT:8

INT:6

AGI:23

特性:夜行性 飛行

【スキル】

精密動作 索敵


【索敵】

友好的でないモンスターの気配を察知する。索敵発動中は戦闘行動をとれず、他のスキルも使えない。

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