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Brave and Partners Online  作者: 岩越透香
第三章 時の神殿
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神殿探索1

投稿が遅れてすみません。

 ギリギリの時間にログインしたため、既に集まっているかと思ったが、ログアウトした地点には誰も居なかった。


 フレンドのナルはログインしているのが分かったが、そうではないアオイはログインしているかどうかも分からない。フレンド登録しておけば良かったな……。


「お待たせしました!」

ログインするなり、アオイは頭を下げた。頭を上げた彼女はきょろきょろと辺りを見回した。


「ナルは?」

「ここには……」

「ログインはしてるみたいですけどね……」

「森の奥で待っているとか?」

「ただの遅刻なような気もしますが……」

アオイがフレンドコールで呼ぼうとした時、町の広場の方からナルが走ってきた。


「すまん、遅れた!」

彼は顔の前で手を合わせて謝った。少しハプニングはあったけど、これで全員揃ったな。



 門番の騎士に挨拶をして、再び神殿の敷地内に入る。今度は正面から強行突破するのではなく、崩れた壁の隙間から中に入る。


「上手く入れましたね」

「抜け道みたいなのがあったんだな。情報収集ありがとな、ナル」

「むしろ正面突破したのは正規ルートではなかった可能性もあるよな……」

雑談しつつも、スキル発動は忘れない。周りに敵は居なさそうだな。


「周りに敵の反応はないけど、どこに行く?」

地図とにらめっこをするアオイに聞く。彼女は顔を上げ、指差しながら言った。


「右手側に行くと前に探索したところに行けそうです。左には何もなさそうです」

「あれ、ここには行けないの?」

地図を覗き込んだナルが聞いた。


「ここに水路が通っているみたいなので……」

「泳げば良くね?」

「僕は泳げません」

「俺が泳ごうって言っといてなんだけど、そんなに深くはないと思うぜ」

「水に濡れると重くなりそうなので嫌です」

ふわりとローブをはためかせて言った。


 アオイには悪いけど、今まで通りの道だとダメな気がするんだよな。ナルの反対側から地図を覗き込む。水路は森から伸びている。


「足元程度の深さかもしれないし、瓦礫で道ができてるかも?」

「無理そうなら引き返しても良いんだから、気楽に行こうぜ」

「そうですね。では向かいましょうか」



 水路は破壊されることなく残っていたが、近くにある瓦礫を水路に落としてその上を歩けば行けそうだ。


「これを落とせば良いかな?」

「奪還作戦なのに、自分たちで壊して良いの……?」

「……確かに?」

俺たちがあれこれ話しているうちに、ナルは向こう岸までジャンプした。彼は向こう岸から、こちらに手を伸ばしてきた。


「ほら、ここに捕まれ。落ちそうになっても引っ張り上げるから」

「そんなに飛べません……」

「現実よりも身体能力は高くなってるから、心配するなって」

ナルの説得によりアオイが向こう岸まで飛んだ。俺も続けて向こう岸に渡る。


「飛べたな!」

「そうですね。やってみるものです。もう少し進むと裏門があるようですが……」

壁沿いに進んで行くと、強いモンスターの気配が現れた。その気配はどんどん近づいてくる。


「この角を曲がれば見えると思います」

「思ったより時間がかかったな。まあいい、行こうぜ!」

「待って!」

ナルの襟を持って引き留める。抗議するような目で見つめるナルにモンスターの気配がすることを言った。


「門番なんですかね?」

「門番がいるなら何か良いものがありそうだな!」

「行くのは待ってください。ボスっぽいモンスター以外に敵が居たら困ります」

アオイはそう言ってこちらを見た。近くに大きな気配は感じないけど、神殿の内部の敵が索敵できていない可能性もある。


 そのまま告げると、ナルが「よし、分かった!」と言って壁を軽く登っていった。


「良いニュースと悪いニュースどっちが聞きたい?」

「……良いニュースからで」

「中にモンスターらしき影は見えなかった」

「では、悪いニュースは……?」

「ボスっぽい奴に見つかった」

ナルが転がり落ちるようにこちら側へ戻ってきた。その直後、何かが裏門のあるあたりから飛んできた。


「遠距離攻撃してきましたよ!」

「あれは瓦礫を投げているだけだ! おそらく、敵本体に遠距離攻撃はない!」

「瓦礫の投擲も立派な攻撃ですよ! 私なら今ので死に戻ってます!」

「とりあえず、距離を詰めよう。瓦礫は数え切れない程あるし、どこまで追ってくるか分からない。逃げるのは少しリスクがある」

壁にピッタリと張り付き、軽く作戦会議をする。と言っても、敵の行動がプレイヤーを発見すると瓦礫を投げてくるということしか分からないため、すぐに終わった。


「一斉に飛び出すぞ」

「せーのっ!」

壁裏から飛び出して駆け出す。門番は一度は瓦礫を投げてきたものの、近づいてくると分かったためか、それ以上投げてくることはなかった。代わりに、大剣をしっかり構えた。


 武器を使っているため、敵はゴブリンだろうと思っていたが、全身鎧に身を包んでおり、中に入っているモンスターは見えない。鎧を着て大剣を構えて立っている様子は、本当に門番のようだ。


 いや違う。鎧そのものがモンスターなんだ。その証拠に、顔があるはずの場所が空洞になっている。


「リビングアーマーだな」

「生き物じゃないよな。鎧を完全に破壊したら倒せるのか?」

音も立てず、大剣を振り上げる。生き物ではないからか、今まで通りの感覚で戦うと足元を掬われそうだ。


「作戦通り行くぞ」

「作戦って言うほどのものはないけどな! 強化魔法はかけたぞ!」

イベント最初の本格的な戦闘が今、始まった。

 ここでお知らせ。

 勝手ではありますが、投稿頻度を落とさせて頂きます。理由は簡単、ストックが尽きているからです。

 ストックが貯まるまで、週一投稿にさせて頂きます。投稿間隔が空きますので、続きが読みたいなと思ってくださる方は、ブックマークをして頂けると読みやすいと思います。

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