8/62
5 愛しの聖吾様
愛しの聖吾様
永らくご無沙汰しております。
お元気でいらっしゃいますか?
あなたとお別れしてからの三年間、私はさびしさと切なさにさいなまれ続けています。
その間の一日、いえ、一瞬たりとも、私はあなたを忘れた事はございません。
それどころか時を紡ぐ毎に、あなたへの愛は募るばかり。
それは北欧の大地に降り積もる、白銀の雪のよう。
その、何者にも汚されない、純白の雪のような心で、
私は常にあなたの事を思っているのでございます。
でも、ああ、あなたの姿を、この瞳に映したい。
そしてこの指で、あなたの愛おしい肌に触れたい。
あなたをこの胸に思うだけの日々に、私はもう耐えられなくなりました。
なので私ははるか遠くの地から、あなたに会いに行きます。
その時は優しく、私を抱きとめてくださいましね。
私の心は、いつもあなたと共にあります。
それでは近々、お会いできる日を楽しみにしています。
あなたに恋焦れる、白銀の乙女より