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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た4  作者: 椎家 友妻
第五話 美鈴の行方とパーティーの結末
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3 美鈴!

 「な、何だよいきなり⁉」

 俺が聞くと、姉ちゃんは柵越しに屋上の下を指さして言った。

 「美鈴(みすず)ちゃん居たわよ!ほら、あそこ!」

 姉ちゃんに言われて俺も(さく)越しに屋上の下を見下ろすと、はるか下の階にあるバルコニーに、美鈴の姿が見えた。

そしてよく見るとその正面に、バスローブを着た男の姿もあった。

 「ちょっと誰よあれ⁉もしかして美鈴ちゃんの彼氏⁉

もしくはパーティーで口説かれて、こっそり抜け出したとか⁉

残念だったわね(せい)()!でも失恋したからってこの屋上から飛び降りちゃだめよ!」

 「色々ぶっ飛んだ話はやめろよ!とにかく何か変だよあの状況⁉今すぐ美鈴を助けに行くぞ!」

 俺はそう言うと同時にホテルの中に戻った。

後を追う姉ちゃんが俺に声をかける。

 「ねえ、あのバルコニーって、おそらく客室に設置されてるやつよ。

部屋の鍵がなきゃ入れないわ!」

 「えぇ?じゃあどうするんだよ?

美鈴はもしかしてあの男の部屋に連れ込まれて、襲われそうになってるんじゃないのか⁉」

 「しょうがないわね、あいつに頼みごとをするのは気が進まないけど、背に腹は代えられないわ」

 姉ちゃんはそう言うと、俺をつれてパーティーホールに居たジルの元に戻り、

事情を説明し、その部屋の合鍵を用意してもらうようお願いした。

ジルはこのホテルチェーンを(たば)ねる財団の御曹司(おんぞうし)だし、これくらいの無理はホテル側も聞いてくれるだろう。

ジルはそのお願いを(すみ)やかに承知してくれて、ホテルに掛け合い、その部屋のものであろう合鍵のカードキーを手に入れた。

そして俺と姉ちゃんとジルは一目散(いちもくさん)にその部屋に向かい、ドアの前に立った。

 「ここで間違いないんだな?」

 ジルの問いかけに俺と姉ちゃんは(うなず)く。

屋上で撮影したバルコニーの写真をホテルの人に確認してもらい、

部屋の場所を特定してもらったので間違いはないだろう。

ジルはカードキーでドアのロックを解除し、(かん)(ぱつ)入れずにそのドアを開け放った。

するとそこに、居た!

美鈴とさっきのバスローブの男!



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