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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た4  作者: 椎家 友妻
第三話 英国からの求婚者
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2 先生は、しっかり話をかきまわす

 「あの、先生、今すごく話がややこしくなってるんで、ちょっとさがってもらっていいですか?」

 しかし(かがみ)先生は胸を張ってこう返す。

 「心配するな稲橋(いなはし)!話は大体わかった!ここは先生に任せろ!」

 本当か?

大丈夫か?

不安しか()いてこない俺をよそに、鏡先生はビシッとジルを指さして叫んだ。

 「おい貴様(きさま)!はるばる遠い地からプロポーズをしに来たようだが、それは無駄だ!

彼、稲橋聖吾(・・・・)が愛し合っているのはこの私、(かがみ)左京(さきょう)だからな!

だから彼の事はあきらめてもらおう!」 

 それ見ろますます話がややこしくなったわい!

 「何だ?美咲(みさき)の弟はそういう趣味だったのか?

まあ、他人の趣味をとやかくいうつもりはないが」

 と、ジルはあっさり納得したが、それでは非常に困る俺はヤケクソに声を荒げた。

 「とーにーかーくっ!今はまだ授業中なんだよっ!

あんたも色々姉ちゃんに言いたい事があるだろうけど、とりあえず今はいったん帰ってくれ!

話は今晩にでも好きなだけしてくれりゃあいいから!

それから鏡先生!とにかく黙ってあっち行ってください!」

 俺はそう言って鏡先生を校舎の方へ押しやり、その様子を(なが)めていたジルは、やれやれという様子でこう言った。

 「まあ、時間はいくらでもある事だし、ここはひとまず君の意見を受け入れてあげるよ。

美咲、また来るよ。それまでに僕のプロポーズを受ける準備をしていておくれ」

 そしてジルは美咲に投げキッスをし(そして姉ちゃんは俺を(たて)にしてそれを受け止め)、ヘリに乗りこんで飛び去って行った。

辺りは再び静寂(せいじゃく)に包まれ、校庭には俺と姉ちゃんがポツンと取り残された。

 何か、フルマラソンを完走したくらいに疲れた(完走した事ねぇけど)。

そして姉ちゃんの方に視線をやると、姉ちゃんは

 「ああもう!」

 と、いらだたしげに頭をかいていた。

 何か、またややこしい事に巻き込まれちまったなぁ・・・・・・。



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