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11 二人の秘密
俺が一足先に沢凪荘に戻り、先に風呂に入って出てきたころ、美鈴と姉ちゃんも戻って来た。
姉ちゃんは相変わらずニコニコしているが、美鈴も相変わらず緊張した様子だった。
廊下ではち合わせた俺は、何気ない口調で姉ちゃんに聞いた。
「よう、二人で一体どんな話してたんだ?」
すると姉ちゃんはいかにももったいぶった口調で美鈴の肩に手を置いて言った。
「それは教えられないわ。私達女同士の秘密のお話だもの。ねぇ美鈴ちゃん?」
そう言われた美鈴は心なしか顔を赤らめ、
「そ、そうですね」
と言ってうつむいた。
一体どういう話をすると姉ちゃんと美鈴がこういう感じになるのかさっぱり見当がつかなかったが、
それを突っ込んで尋ねるのはデリカシーに欠ける気もしたので、
俺は「さいですか」とそっけなく言い、食堂へ向かった。
こうして姉ちゃんの沢凪荘での二日目は終わったのであった。




