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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た4  作者: 椎家 友妻
第二話 姉、御撫の学び舎に立つ
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3 彼女は朝からセーラー服

 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん。

 窓から差し込む日の光と雀(すずめ)の鳴き声で目を覚ました俺は、大きなあくびをしながら上半身を起こした。

そしてニ、三回首を回し、隣の布団に目をやる。

が、そこに姉ちゃんの姿はなかった。

今は午前七時。

時差ボケで疲れたとか言っていた割に、随分(ずいぶん)早起きじゃねぇか。

と、思っていると、

 「せーいごっ!おはよう!」

 という威勢のいい声とともに、姉ちゃんが部屋に入って来た。

 「おお、随分早起きだなぁ姉ちゃん」

 と言いながら、俺は姉ちゃんの姿を見上げる。

すると姉ちゃんは昨日と違う格好をしている事に気がついた。

それはラフなTシャツにデニムのショートパンツではなく、パンツ一丁の半裸(はんら)でもなかった。

姉ちゃんは今、御撫(みなで)高校のセーラー服を身にまとっている。

つまり美鈴(みすず)や矢代(やよ)先輩と同じ格好をしているのだ。

 「な、何で姉ちゃんがうちの高校の制服を着てるんだよ?」

 俺がそう尋(たず)ねると、姉ちゃんは朝からテンション全開でこう言った。

 「それはね、今日から私もあんたの学校に通うからよ!」

 「な、な、何ですとぉっ⁉」

 その言葉に俺は思わず立ち上がる。

そして姉ちゃんを指さしながらこう続けた。

 「ななな何でいきなりそういう事になってるんだよ⁉そんな事できる訳ないだろ⁉」

 しかし姉ちゃんは何でもないという様子でこう返す。

 「あら、ちゃんと特別短期留学っていう形で手続きは済ませてあるから、何も問題はないわよ?」

 「特別短期留学だってぇ?」

 なるほど、尾田(おだ)先輩が言っていたのはこれだったのか。

相変わらずあの人の情報の早さと正確さは恐ろしい。

でも、だからといってこの状況をすぐに受け入れられない俺は、姉ちゃんにくってかかる。

 「だ、だけど何でまたいきなり、俺の通う高校に行きたいなんて言うんだよ?姉ちゃんは今大学生だろ?」

 「だって私、飛び級で高校卒業して、さっさと大学に入っちゃったでしょう?

本来なら今年高校三年のはずだから、せめて一週間くらい、

現役女子高生としての生活をエンジョイしたくなったのよ」

 「現役女子高生って・・・・・・それだけのためにわざわざここまで来たのかよ?」

 「そんな事ないわよ?聖(せい)吾(ご)がどれだけ男らしく成長したかも見てみたいのよ。

それには普段の学校生活を見るのが一番じゃない?」

 「だからってなぁ・・・・・・」

 俺は尚(なお)も言い募(つの)ろうとしたが、それをぴしゃっと遮(さえぎ)るように姉ちゃんは言った。

 「とにかく、これはもう決まった事なんだからウダウダ言わないの。

私はあんたの学校じゃあ新入生なんだから、ちゃんとサポートしてよね」

 「はぁ・・・・・・」

 ため息に近い返事をする俺。

とりあえず、支度(したく)するか・・・・・・。



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