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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た4  作者: 椎家 友妻
第一話 御撫の里に美咲来る
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7 そして彼女がやって来た

 そしてその週の日曜日の朝。

この前俺に手紙を寄こした白銀の乙女が、この(さわ)(なぎ)(そう)へとやって来た。

彼女は沢凪荘のボロッちぃ引き戸を豪快(ごうかい)に開け放ち、やまびこよりもよく通る快活な声を響かせた。

 「やっほーこんにちは!(せい)()居るー?」

 その声に俺をはじめとする沢凪荘の面々が、玄関に集合した。

そして白銀の乙女とはどんな人物なのかと、好奇心全開の視線を集中させる。


 が、


 沢凪荘にやって来たその人物は、俺が思っていた白銀の乙女、柏木(かしわぎ)(ひめ)()ではなかった。

目の前の人物は俺とほぼ同じ背丈で、

背中まで伸びる豊かな赤い髪を右耳の上でひとつにまとめ、

はっきりと見開かれた目からは、彼女の備える明るさと行動力と、

有無を言わせぬ支配力が込められた光が放たれている。

ラフなTシャツとデニムのショートパンツを身にまとい、

まるで登山にでも出かけるような大きなリュックを背負っている。

彼女は間違いなく柏木姫華ではない。

けど、俺は彼女の事を、いやという程知っていた。

 そんな彼女は俺が何か言う前に、仁王立(におうだ)ちで堂々と胸を張って自己紹介をした。

 「私の名前は稲橋(いなはし)美咲(みさき)、十七歳。そこに居る、稲橋(いなはし)(せい)()の姉です!」

 そう、彼女、稲橋美咲は、俺の二つ年上の姉なのだ。

 その事実を色んな意味で受け止められない俺は、とりあえずこう言わずにはいられなかった。

 「な、な、何で姉ちゃんがここに居るんだよ⁉」



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